Sami Kohen コラム:ソマ後の、世界からみたトルコのイメージ
2014年05月20日付 Milliyet 紙

ソマの大惨事(炭鉱事故)は、世界中のメディアがここ最近報道したトルコに関するニュースの中で最も大きく取り扱われた。
炭鉱事故が伝わった瞬間から海外の通信社、テレビ局、新聞社は事件を詳細に報道し始めた。世界の名だたる通信社やメディア機関は記者をソマに派遣した。
新聞各紙は炭鉱事故の記事や解説に多くの紙面を割いた。
この異常な注目と深い同情の理由は、この事故が、人道的問題をはらみ、悲惨であったという点、また死者の数においても類を見ない事故だからである。
その後、世界中のメディアは事故のもつ政治的側面に注目するようになった。この発端となったのは、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相のソマ訪問中に起きた抗議デモとそれに対して(首相らが)示した対応である。
そのような状況下で、エルドアン首相が示した態度、首相補佐官が地面に転がったデモ参加者を蹴り飛ばし、その後の抗議デモでは放水車(TOMA)や催涙ガスが用いられ、ソマに来た弁護士たちが手錠をかけられ逮捕されたことなどが、数々のニュースや批評欄の筆頭に来るようになった。
残念なことに、世界各国のメディアに報道されたこれらの映像や批評は、トルコが(これまで)多くの労力と資金を払って作り上げてきた対外イメージに影を落とすことになった。
おそらく、ソマで街頭に出て抗議活動を行う者たちに過剰な対策をとらなければ、このようなマイナスイメージの映像は報道されなかったであろうし、評論家もデモについて実際書いたような内容については、書かなかったであろうに。

■どうしてこのように?

この大惨事の政治的側面に関する論評は、このような悲劇的で悲惨な雰囲気のなかで、政権与党が悪い印象を残す対応をしたこと、今回再び首相が独裁的な姿勢を見せたこと、結果として癇癪と強情さが新たな危機を招いているとコメントしている。
たとえば、ニューヨークタイムズ紙は、「ゲズィ運動と収賄事件の後、今回のソマでの政府の対応は、地域的かつ世界規模の影響力を手に入れようとしているトルコにマイナスとなる」と書いている。
ドイツ紙の多くは、5月24日に予定されているエルドアン首相のケルン訪問中止を望んでいた。
実際に、ソマ炭鉱事故後の世界各国のメディアのほとんどが、政治的側面でのトルコのマイナスイメージを報じている。
このようなことは、非常に残念なことである。
しかしながら、詳しくその理由を検証する必要がある。この状況を、海外の人々の(トルコに対する)理解不足、偏見、悪意としてとらえることは、ものごとを(あまりにも)単純化してしまうことだ 。
世界中のメディアにおいて、誰もがトルコに批判的な見方や悪意を抱いているというのか?

■中も外も一つ・・・

ソマ炭鉱事故から多くの教訓を得られる。いうまでもなく、まず初めに炭鉱業界において労働現場全体での新たな整備が必要となる。しかしこれと同時に、政治的対応にも新たな検討が必要である。
ソマでの公職に就いている何人かの行動は、両者の食い違い(対立)は癇癪と強情さによっては解決しえないということを示した。
これが外の世界に広まった時、この問題を冷静に観察し、客観的に評価を行う必要がある。
外でのイメージを修復する方法は、中での状況を改善することである。

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( 翻訳者:小幡あい )
( 記事ID:33941 )