ジェイラン監督「冬の眠り」、カンヌ映画祭最優秀賞受賞!
2014年05月25日付 Milliyet紙


カンヌ国際映画祭で、世界最高峰の映画賞をヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督の『冬の眠り』が受賞した。ジェイラン監督は、今回の賞を(トルコで)命を落とした若者に捧げたいと語った。トルコ人としては32年ぶり2度目の最高賞受賞となる。

第67回カンヌ国際映画祭の授賞式が昨夜開催され、トルコ映画がその頂点の一角を飾った。ジェーン・カンピオン監督が委員長を務める審査委員会は、世界最高峰の映画賞を意味するパルム・ドール賞にヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督の『冬の眠り』を選んだ。同作品は、主要各賞発表の前日にも、映画批評家や映画 ジャーナリストにより選出される、国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞を受賞している。

■ギュネイ監督以来の快挙

映画界が興奮して待ち望んだパルム・ドール賞発表の瞬間、同賞を受賞したジェイラン監督は、この賞を(トルコの)若者に捧げると述べた。
ジェイラン監督は、「今年はトルコ映画100周年の年です。理事の皆さまが、これだけ長い作品を支持してくださったことに感謝いたします。またこの賞を、トルコで昨年命を落とした人々を含め、トルコの若者たちに捧げたいと思います」と挨拶。ジェイラン監督は、トルコにこの大きな賞をもたらした映画監督として、『道』でパルム・ドール賞を受賞したユルマズ・ギュネイ監督以来32年ぶり、2人目となる。

『冬の眠り』は、俳優ハルク・ビルギネル演じる引退した俳優フィルム・アイドゥンの周囲の人々との決着と、自分自身との清算をテーマにした物語だ。本作の脚本にはジェイラン監督のほか、エブル・ジェイラン氏が参加し、構成はジェイラン監督と4度目の共作となるゼイネプ・オズバトゥル・アタカン氏が担当した。また、同作のメインキャストをビルギネルのほかデメト・アクバー、メリサ・ソゼンが務めている。
授賞式後、審査委員長のカンピオン監督は、『冬の眠り』の3時間16分にも及ぶ上映時間以外に、同作品がもつ恐るべき点を次のように講評した。「作品のリズムが素晴らしく、あともう何時間か観ていられる。私にもここまで残酷かつ誠実なキャラクターを生み出せたら…。この作品ではすべてが機智に富み、深い。」

■「若者にたくさん教えられた」

ジェイラン監督は受賞式後の記者会見で、「この賞を若者たちに捧げます。とくに、命を落とした子人たちに。(トルコは)非常に難しい一年でした。彼らはわれわれに多くのことを教えてくれました。われわれの未来のために命を犠牲にした子もいます」と語った。

審査委員会のカンピオン監督から寄せられた作品の長さに関する講評に対して、同監督は、「脚本を掘り下げる際、商業的なことは考慮しておらず、この作品が どれだけ長くなるかも考えていませんでした。作品が完成した時に長さが、前作『昔々、アナトリアで(Bir Zamanlar Anadolu’da)』の2倍であることに気づきました。今回もなるがままを撮影したんです」と語った。また、ジェイラン監督は作品の原点はヒューマニティにあることを強調した。曰く、「かなり残酷に自分と向き合いました。私が映画をつくるときのモチベーションは人間性の中に見出しています。映画をつくるとき。自分の精神の暗部に触れたときに人間性があらわになると感じます」とのことだ。

ジェイラン監督は、映画の出演者メリサ・ソゼン、デメト・アクバーらと抱き合って喜びを分けあった。

■全作品が何らかの賞を受賞

『冬の眠り』はジェイラン監督作品の6番目のカンヌ・ノミネート作品となる。初のノミネート作品『繭(Koza)』をはじめ、『冬の街(Uzak)』以 降、全作品がカンヌの主要賞にノミネートされ、そのすべてが何らかの賞を受賞してきた。『冬の街』と『昔々、アナトリアで』は、カンヌで2度の審査員賞を獲得。『スリーモンキーズ(Üç Maymun)』では、最優秀監督賞にも輝いたジェイラン監督は、『うつろいの季節(İklimler)』でFIPRESCI賞も受賞している。

■受賞作・俳優一覧

パルム・ドール賞:『冬の眠り』(監督:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン)
コンペティション部門:『ワンダーズ(Le Meraviglie)』(監督:アリーチェ・ロルバケル)
最優秀監督賞:ベネット・ミラー監督(『フォックスキャッチャー』)
最優秀脚本賞:アンドレイ・ズビャギンツェフ監督 (『リバイアサン』)
審査員特別賞:『マミー』(グザヴィエ・ドラン監督)、『言語よさらば(Adieu au Langage)』(ジャン=リュック・ゴダール監督)
最優秀女優賞:ジュリアン・ムーア (『マップス・トゥ・ザ・スターズ』)
最優秀男優賞: ティモシー・スポール(『ミスター・ターナー』)
カメラ・ドール賞:『パーティガール』
最優秀ショートフィルム賞:『レイディ』 (サイモン・メサ・ソト監督)



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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(翻訳者:原田星来)
(記事ID:33998)