イラン・チーターの繁殖計画が始動(中)
2014年05月18日付 Jam-e Jam 紙


 ジューカール氏はアジア・チーターの生息地に新たな道路を建設することが、この動物を脅かすもう一つの要因となっているとし、それにより2年ごとに3頭のチーターがこうした道路で命を落としていると言う。同氏はイランでのアジア・チーターの生息面積は約600万ヘクタールだとした上で、「われわれはこの動物の生息地すべてを保護しているわけではなく、その約半分がわれわれの保護下にあるにすぎない」と指摘する。

 国際アジアチーター保護計画の責任者は我が国に生息するアジア・チーターの正確な数についての統計は存在しないと指摘し、次のように述べている。

91年〔2012/13年〕に作成された最新の統計によれば、少なくとも50頭のチーターがイランにはいる。しかしこれらのチーターは保護区でのみ確認されたものであり、その数はもっと多い可能性もある。

 ジューカール氏は、もし12年前に国際アジアチーター保護計画がスタートしていなかったならば、今頃イランにはアジア・チーターは存在していなかっただろうと指摘している。

 同氏はイラン国営放送やイラン・サッカー協会がここ数ヵ月間、チーターの保護に向けてアピールしていることに謝意を示しつつ、チーター生息地の保護では、環境保護官の役割・努力が極めて大切であり、彼らの働きは得ている給料以上のものであるとの認識を示した。同氏は次のように続けている。

今こそ、市民が実際の行動を起こすべきときである。アジア・チーターの生息地では狩猟を控え、チーターの獲物となる動物を狩ることで、この動物の生息地に加えられる圧力を減らすことが必要だ。

 他方、ヤズド州環境保護局の自然環境担当副局長は、ここ数年の渇水がヤズドのバーフェグ山アンジール渓谷といった保護区に影響を与え、チーターが食料を確保するために自由区に侵入する原因となっており、チーターには大きな危険が迫っていると指摘する。

 同師はさらに、次のように言う。「チーターを脅かす最大の脅威は、保護区の外で行われている鉱山の開発である。これによって、チーターが食料を見つけるためにこの地域を移動した際に、人間の往来とぶつかり、彼らの命を危険に晒してしまうのである」。

 ハサン・アクバリー氏はこうした要因、特に道路建設や新たな鉱山開発の見直しが行われるべきだと指摘した上で、次のように付け加えている。

バーフェグ県には、保護区として「バーフェグ山保護区」と「アーリーズ狩猟禁止区」の二つがあるが、アーリーズ狩猟禁止区では過去数年間で無計画な鉱山開発が行われてきた。もしこうした地域の鉱山の運営が自由区と同じように行われ、自然環境保護のための注意点が守られなければ、アジア・チーターにとって好ましい未来を思い描くことは不可能となろう。

つづく


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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:34160 )