6月の大雨、各地で洪水被害
2014年06月07日付 Radikal 紙


トルコは洪水の被害に見舞われた。チャンクルでは9歳の子どもが水に流され死亡した。特にアダナやゾングルダクにおける被害が甚大であった。

トルコ全土が暴風雨の影響下にある。多くの都市で洪水へと発展したこの大雨の結果、チャンクルでは9歳の子どもが死亡した。
(以下は各地の被害状況である。)

チャンクル県:チャンクル県アトゥカラジャラル市で羊飼いを生業とするサリフ・クルチさんは、娘や息子とともにカラダレ地区を飲み込んだ大雨とそれによる洪水に巻き込まれた。激しい水の流れの中で木につかまって助かった父親のサリフ・クルチさんは、7歳の娘ヒュルヤちゃんの手をつかんで水の中から助けだしたが、9歳の息子アリ・クルチくんを助けることができなかった。洪水地域に送られたショベルカーがサリフ・クルチさんとその娘を彼らが捕まっていた木から救出したが、周辺2キロメートルにわたる地域の捜索が行われた結果アリ・クルチくんの遺体が発見された。シャンルウルファ出身でアダナで暮らすこの家族は、アトゥカラジャラルに来て羊飼いを行っていたことが伝えられた。一家はアンカラに搬送された。

アダナ県:都市の中心部を昨日(6日)の朝から襲った暴風雨の結果、県内の洪水により通行不可となった。一部の道路では雨水が50センチメートルの高さまで上昇し、何百台もの車両が道路に取り残された。広域市警察隊は道路上でアナウンスを行いながら、車内に閉じ込められた人がいないか捜索した。一部の街区では何百軒もの住宅やオフィスが浸水した。アダナ県広域市当局の前でさえも雨水はアスファルト上50センチメートルの高さまで上昇した。セイハン市の市道D-400号線では、マイクロバス内に閉じ込められた一家4人が救助隊によって救出された。県の中心部であるサルチャム市内では、多くの住宅で取り残された人々が何時間も救助を待った。サルチャム市内のタフシン・テクさん(58歳)は、1階建ての住居が1メートルの高さに及ぶ雨水で浸水したことで心臓発作を起こし、病院に搬送された。消防隊及び救助隊が身動きの取れない地域では、救助車両が取り残された市民を住宅内からショベルで救出した。住宅内に取り残され恐怖で身体がすくんだ女性とその娘も、救助車両により救出された。

テキルダー県:サライ市では大雨の影響で川が増水し、道路がふさがれた。マイクロバス内に取り残された乗客らは、消防隊のボートにより救出された。サライ職業女学校とイフサン・ウズン中学校は、床下浸水により休校となった。

ブルサ県:オルハンガズィ市内では多くのオフィスが浸水した。大雨により多くの屋内市場の店舗が最も被害を受けた。店舗の従業員らが排水作業を行う一方で、タンカーや下水処理用トラックが20トン近い雨水を排水した。

ゾングルダク県:この大雨が最も多くの被害をもたらした都市の一つがゾングルダク県である。ゾングルダク県とアンカラ県を結ぶ道路の一車線は、その横を流れる川の増水により水没した。交通は閉鎖された。同じ道路の1.2キロメートル地点では、土砂崩れにより通行不可となった。警察は代替策として、国際道路輸送とトラックを除く県中心部に向かう車両をサプチャ地区から旧アンカラ道まで誘導した。公園に取り残された3人も救助車両により救出された。ミトハトパシャ区では橋脚部分が大雨により甚大な被害を受けた橋が、倒壊の危険性があることから閉鎖された。ウズルメズ石炭鉱山とアスマ川から流れてきた丸太やドラム缶、木材、ゴミといった漂流物はゾングルダク港の海面を覆った。アラプル市では暴風雨により何台かの車両がトンネル内に一時閉じ込められた。ミトハトパシャ区では、保全下にあるアンカラ橋の隣にゾングルダク自治体によって建設された歩行者用の橋が洪水に耐え切れず倒壊した。橋が倒壊する瞬間、橋の上に誰もいなかったことが惨劇を阻止した。

バルトゥン県:大雨により都市の中心部における100軒近い住宅やオフィスが、床下浸水の被害を受けた。中心部に近いクズルクム村では川の増水により耕作地が被害にあった。閉鎖された村の道路は、特別行政局の隊員らによる夜を徹した作業により開通された。

■孫の手術費用は洪水に飲み込まれた

デニズリで何年もの間ぶどう園の日雇い労働者として働きながら、孫の心臓手術のため3千リラを貯金していた55歳のハティジェ・ボドゥルさんの貯金は洪水に飲み込まれた。ホナズ市クズルイェル区で先日被害をもたらした大雨は、ボドゥルさんのかわいい孫の健康を取り戻すため、3~4年程働いて蓄えた貯金をも流し去った。ファティフ区で一人暮らしをするハティジェ・ボドゥルさんは、3~4年程ぶどう園での仕事で日雇いとして働き、10歳で心臓病を患う孫のハティジェ・エルタンくんの治療費のために貯金をしていたと話した。孫たちの中の一人を以前失い、心臓に欠損部分がある小学4年生のハティジェ・エルタンくんの健康を取り戻すため頑張って働いていたと話したボドゥルさんは、さらに以下のように話した。「別の孫が亡くなった後、ハティジェの心臓検査の結果が出ました。孫は3歳のときに心臓に穴があるとのことで手術を受けました。もうじき心臓の閉鎖部分を開くための手術を受ける予定でした。そのためお金を貯めていたのです。」

■アンカラでは道路が陥没した

アンカラでは昨日、雷を伴う大雨に見舞われた。この大雨により道路は浸水し、バトゥケント地下鉄駅も浸水被害を受けた。アンカラにおける大雨は昨日も続き、バトゥケント市イルクイェルシム区の1237号線では道路の陥没が起きた。

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:34213 )