反イスラーム主義者によるノルウェー連続テロ事件の生存者、ムスリムに
2014年06月06日付 Zaman 紙


2011年ノルウェーで、反イスラーム主義者のアンネシュ・ベーリング・ブレイビクが起こした銃乱射事件の生存者であるモルテン・アブラハムセン氏が、「イブラヒム」の名を得てイスラームに改宗した。69人が亡くなったこの事件後、初めて(事件について)口を開いた22歳のイブラヒム氏は、事件以前はアルコール依存症の一人の若者であったと話した。事件後は多くの宗教について調べたこと、そして自分に最も合う宗教としてイスラームを選んだことを明らかにした。

反イスラーム主義者のアンネシュ・ベーリング・ブレイビクが、2011年ノルウェーで起こした大量殺人の生存者であるモルテン・アブラハムセン氏は、「イブラヒム」の名を得てムスリムになった。69人が亡くなった銃乱射事件の後、初めて国営テレビ放送でインタヴューに応えた22歳のイブラヒム氏は、事件前はアルコール依存症の一人の若者だったこと、事件後は多くの宗教について調べたこと、そして自分に最も合う宗教はイスラームであるという決定を下したと述べた。イブラヒム氏は今では度々モスクへ足を運ぶこと、コーランを読むこと、礼拝を怠らないようにしていることを話した。
世界中に衝撃を与えたブレイビクは大量殺人によって、イスラームをヨーロッパから消そうとし、しかしその意図は退けられたと述べたイブラヒム氏は、「殺人鬼ブレイビクの起こした連続テロは、実は創造主がどれだけ大きな存在であるかを示したのです。事件の後に私がイスラームを選んだことはポジティブな皮肉です」と述べた。
テロの渦中で、ムスリムであるケニア人の少女を含む3人の友達と一緒にトイレに隠れたことを話したイブラヒム氏は、そのムスリムの友達が「みんなで一緒に祈らない?」と提案したこと、「アッラーは偉大なり」という言葉を使うと普段と違うものを感じたことを述べた。イブラヒム氏は、その時まで信仰の問題を疑わしく考えていたと話す一方で、「テロが起きた時、私の隣にいたムスリムの女の子の友達による提案で行なった創造主へ向けた祈りの中で、何か力を感じたんです」と述べた。そして大量殺人の後、「私たちから数メートル離れた場所にいた友達が殺されたのに、私はなぜ助かったんだ?」という問いに対する答えをずっと探していたことを話した。番組内で「無実の人を殺すものはすべての人間を殺す」という意味のコーランの一節を思い出させた。

極右思想を持つブレイビクは、2011年7月22日にオスロで8人が亡くなった爆弾テロを起こし、その後警察官の服を着て、郊外にあるウトヤ島での青年キャンプで69人を殺害した。ヨーロッパをムスリムと多文化主義から守るためにこの大量殺人を犯したと供述したブレイビクは、1500ページにわたる声明書の中で、このテロをもって大衆を啓発したかったと述べた。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:小瀬康太郎 )
( 記事ID:34223 )