3兆トマーン横領事件で初の処刑(下)
2014年05月25日付 Jam-e Jam 紙

マフアーファリード処刑に歓迎の声

 3兆トマーン横領事件の主犯が処刑されたことに、国会議員らは歓迎の声をあげている。これについて国会司法委員会の委員を務めるアブートラービー氏は、経済的腐敗の張本人らに対する判決執行の遅れは体制への国民の信頼に影を落とすものだと指摘し、ファールス通信に対し「ホスラヴィーの処刑は、経済的腐敗との闘いを掲げる司法機関に対する人々の信頼向上にとって、相対的に好ましい措置といえるだろう」と述べた。

 同じく国会議員のセイイェド・メフディー・ハーシェミー氏も、司法権はマフアーファリード処刑を以て、久方ぶりに人々の要請の一部に応えたと強調した。同氏はナスィーム通信の取材に対し、次のように指摘した。

国会が司法権に対して主に求めているのは、現在の経済状況下で人々の苦境を増大させている諸々の事案に対して、より一層の質と正確さ、ならびにスピードで対応してもらいたい、といこうことである。

 こうした中、国会の計画・予算委員会の委員を務めるエリヤース・ナーデラーン議員も、経済的腐敗は腐敗との闘いではなく、むしろ国内不安を招いていると指摘した上で、「経済的腐敗との闘いと並行して、情報の透明性と政治関係者の金権上の健全性〔の確保〕についても、考慮しておく必要があろう」と述べた。

 同様に、イスラーム求道者協会総書記のアリーレザー・ザーカーニー議員は「腐敗は国内の一部でシステマチックなものになっている」と述べ、次のように言明した。

3兆トマーン横領事件で見せた司法機関の対応は、日夜努力すれば、この人物〔=マフアーファリード・アミール・ホスラヴィー〕とそのグループ〔=アミール・マンスール・アーリヤー投資開発会社〕の資産を突き止めることも可能だということを示すものだった。

事件は終わっていない

 しかしながら、マフアーファリード・アミール・ホスラヴィーの処刑は、イラン史上最大の横領事件として名を刻んだ事件の終局を意味しない。マフムード・ハーヴァリー〔※元メッリー銀行頭取でカナダに亡命中〕を含む、この事件の首謀者らの一部は今も逃亡中であり、彼らの逮捕に向けた努力が続けられているからだ。

 90年[西暦2011年]夏、検事総長が初めて容疑者らの処罰に向けて司法が動いていることについて詳細を説明したとき、同師は同様の腐敗事件の再発防止に向けた何らかの対策が、銀行制度には必要だと指摘した。3兆トマーン横領事件が発覚してから1000日以上を経た今日、本件の再検証を行い、銀行の頭取たちや国の経済政策の責任者たちが、司法による捜査とは別に、この種の金融腐敗事件の再発防止のためにいかなるステップを踏んできたのかについて、回答すべき時が来たと思われる。

 マフアーファリードの処刑は、最近の報道でその名が散見される腐敗事件の犯罪者たちに対する明白なメッセージであることは事実だ。しかし、このメッセージがよりはっきりとした形で〔犯罪者たちの耳に〕届くのは、こうした腐敗事件への対策に向けて、銀行制度内でさらに大きなステップが取られたときだろう。

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( 翻訳者:赤城颪雷来 )
( 記事ID:34239 )