オジャランから、PKK本部へメッセージ
2014年06月09日付 Milliyet 紙

テロ罪で有罪判決を受けた、PKK(クルディスタン労働者党・非合法組織)のリーダーのアブドゥッラー・オジャランは、最近の南東部で起きた出来事について重要なメッセージを出した。

アブドゥッラー・オジャランは、テロ罪で有罪判決を受けイムラル島の刑務所に収監されたが、トルコが公式に今もテロ組織として規定しているPKKのリー ダーの地位を、この状況にもかかわらず保っている。オジャランは9日、最近トルコ世論を揺さぶるような出来事について重要なメッセージを発した。オジャランはこれらのメッセージを9日、自身を訪問した人民の民主主義党(HDP)代表団を通じて公開した。オジャランが伝えるもっとも興味深いメッセージは、 ディヤルバクルでの国旗挑発活動に関するものであった。また、カンディルとイムラル(オジャラン側)間の取り組み姿勢もこのメッセージの中に隠されていた。

軍事施設建設を理由として、東部の一部の県と郡部でクルディスタン社会連合(KCK)、PKK、平和民主党(BDP)により組織された活動に関する、オジャランの考えが注目を浴びた。大きな話題となり、大統領と首相が厳しい会見を行うこととなったディヤルバクル第二航空隊司令部に掲揚されていた国旗を降ろし事件について、オジャランがどう評価したのか興味ある話題だ。主たる注目点は、オジャランが、解決プロセスが進むこの段階で現れたこの状況に対し、どのようなメッセージを発出するのかということであった。

HDP代表団の仲介により9日夜に公開されたオジャランのメッセージを扱う前に、現在表出している状況に注目する必要がある。オジャランのメッセージをこの状況の中で評価することで、カンディルとイムラル間の戦術及び戦略的姿勢がそのメッセージの中にどれほど隠されているかを図るためである。

■KCK(PKK)はオジャランのメッセージ公開前に会見をおこなった。

KCK、すなわち事実上のPKKの傘下組織が8日におこなった会見の要約は以下の通りである。

「公正発展党(AKP)政権は当初より、我々のリーダーと運動側のみが措置を講じ、犠牲を示したことに対し、一度たりとも肯定的な措置を講じず、汚いプロパガンダを継続し、戦争準備にあたっている。虚偽とダブルスタンダードの形をとった和平のプロセスを述べる一方で、もう一方では、数百の新しい軍事施設を建設しながら、軍事的目的のダムをつくっている。AKP政権は、解決と名付けた計略や、時間稼ぎ、国民を欺くなか、適当な場所と機会が訪れれば、あらゆる種類の汚い闘いの手法を用いて、私たちの運動に打撃を与えること以外なにもしていない。ワークショップの名の下でおこなっている会議が、いかに偽善的で、内容と誠実さからほど遠く、偽の探求であることが明らかとなってきた。AKPは子どもがゲリラに参加した母親らを方向付けることで[我々の]自由の運動を抑圧し、社会で自分らの見解に沿った認識を創設することを目的としている。

AKPは、何も武器を持たない、完全なる市民や平和的なデモをする人びとが展開する民主的な反発にさえ容赦がない。AKP政権はいかなる虐殺や攻撃に静観することはないと明らかにする中、クルディスタンとトルコの主要都市各地で、広範かつ急進的な反抗を企ててリジェでの死亡者に応えるよう呼びかけている。

新しい軍事施設が建設されるあらゆる場所で、同胞がリジェで示した立派な抵抗の精神を抱いて反抗に立ち上がるう呼びかける。自由と名誉ある生活のため、クルド民族は自身の将来を決めるために、人民とともに、指導者アポの解放のため、すべてのクルド人の若者、若い女性とその子どもたち及びトルコの革命的な若者にゲリラの隊列に参加するよう呼びかける。」

■HDP代表団訪問

イムラル島へ先に訪問した代表団には、HDPグループのペルヴィン・ブルダンとイドリス・バルケンの両副代表とイスタンブル選出のスール・スレヤ・オンデル国会議員らが参加した。この訪問団が会合した後、HDPは9日晩、記者会見をおこなった。

■失われる最後の命となることを望む

HDPの発表によれば、オジャランは初めにリジェにおける衝突で亡くなった故ラマザン・バラン氏、故バキ・アクディミル氏が命を落としたこと関する悲しみを明らかにし、まず遺族、そしてリジェの住民を含むすべての国民に哀悼の意を表明した。「この損失が、民主主義と自由のための私たちの闘争にとって、失われる最後の命となるよう望んでいる」と述べた

■オジャランからカンディルへのメッセージ

オジャランは(和平)プロセスに関連して以下のように述べた。「新たな段階に入るよう集中し、以前同様の決意で希望を抱き続けている。前回の会合で双方の側に、 プロセスを困難とさせることの展開、挑発を醸成する状況を避ける点について、細心の注意を払うよう呼びかけた。この呼び掛けを繰り返しながら、 双方が意義ある停戦状態を完全に尊重することを期待していた。最近起きた事件はプロセスを困難としている。そして、大きな問題を生んでいる。これらを克服する点で、双方共に大いに決意し、平和への強い意志を示す必要がある。今に至った段階が希望的な兆しであると以前語った。現時点で、この希望が解決に向けた具体的な折衝へ転じ始めたとみている。私たちは歴史的な転機にいるのだ。成功すると信じている。これを達成するために、ここで進めている会合がひろく大衆に公開され、透明で合法的な形で進める必要があることに議論の余地はない。もしこうであるならば、このプロセスが思惑ではなく、民主的解決とこの国の民主主義化への転機であることを誰もが理解するだろう。

■オジャランからの国旗事件に関するメッセージ

重大な警告として、以下のことを述べたい。私たちの誰もが国民的価値と象徴に対し、否定的で不敬な態度をとらなかったし、することもありえない。トルコ国民を私たちに対峙させることを目的とする最近起きた国旗不敬事件も、双方による適当な機関による早急な調査とその結果の公表が不可欠である。このような挑発が、全国民共通の未来を目的とする民主的な民族和解に向けたものであることを誰もが知るべきである。これに基づき、恒久の平和と民主的解決のために尽力するすべての人びとに感謝を表する。多大な犠牲を払って守られている停戦の状態と民主的解決の希望を恒久平和が達成されるまで、誰もが細心の注意を払って守る必要があるという呼びかけを強く繰り返す。」

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:34242 )