Oral Calisirコラム:クルド問題解決へ大きな一歩
2014年06月26日付 Radikal 紙


解決プロセスが始まったとき、人々の頭には疑問符があった。「これは成功しないだろう」と言われた。あれから19ヶ月が過ぎ、今やどうだ。より前進した動きへの入口に到達した。

政府が用意した「クルド問題解決プロセス」に法的根拠を持たせるための法案が作られたことは、プロセスが更なる段階にきたことを示している。会談を行った双方は、この法案により、「法的根拠に基づいて自らを主張することができるようになる。オジャランが当初から続けてきた議論の合法化」の要求が、いよいよ現実になろうとしている。

「武器を捨てた武装組織の仲間が家へ戻り、社会生活へ参加、適応するための基盤をつくるべく対応する」という条項により、政府はPKKが山から下りてくることに関して、思い切った政策を打ち出す可能性を手に入れた。
もちろん、この条項を実現するには、過去の過ちを繰り返さないことが重要である。過去から我々が想起する「帰宅」法では、「組織のメンバーの後悔」、「仲間を売る」といった道徳的な面から問題をはらむような施策がほとんどであった。そして、これらの施策は、成功をもたらさなかった。なぜなら、明白な目標を持って山に登った人を説得するためには、彼の誇りを考慮しなければならないからだ。

今度は、この類の過ちが起きないことを望み、期待している。この法の施行においては、これが政治的搾取の材料として使われないことが大きな重要性を持つ。

■野党の責務

こうした状況では、野党に責務が生じる。CHP(共和人民党)のクルチダオール党首は、プロセスに法的根拠を持たせることを主張した政治家である。この法案とともに、まさにこの問題が大きなスケールで解決点にきている。さらに重要なのは、PKKメンバーの下山に関して、これほど適した環境が整えられているのは初めてのことだ。

我々はこの一歩の価値を知るべきであり、それを大統領選挙の論争の犠牲にしてはならない。
AKP(公正発展党)政権とレジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、この法案を大統領選挙でアドバンテージを得るために用意したのだとしよう。そうだとしても、こう言わねばならないだろう。「よい政治家は、票を得るために社会にアピールせざるをえないのだ」と。

次々と行われる選挙は、民主主義の成熟のために必要な機会である。クルド問題解決のための機会である。「選挙が来た。だからこの法案が出されるのだ」と言って、踏み出された一歩を過小評価するのは、懸命ではない。

この法案は現実的で、注意深く読まれる必要があるものだ。国における変容と転換、そしてクルド問題において発生する段階を、政府の観点から読み取り、理解することができるだろう。

■民主化の深まり

結論として、この法案は、トルコにおける民主化の深まり、政治の安定の強化という観点から、新しい社会水準の始まりを形成するだろう。法案作成の事由でも述べられている通り、経済強化の促進剤ともなりうる。

19ヶ月に渡る武力衝突のない時期は、わが国の子供たちが死ぬことのない新しい基盤を意味する。社会における敵対心と緊張を和らげ、暴力を排除するという観点からの、これがもつ価値については、長々と語る必要もないだろう。

いま、「帰宅」法を出すことは、過去に比べれば容易になった。社会はいま、兄弟プロジェクトをより良く理解するのに適してきている。

トルコのクルド問題解決におけるすべての歩みは、国全土のスタンダードを、特に文化的土台と理解を欠ける可能性を持っている。

トルコは実際、この歩みにより変わってきており、恒久的平和へと進んでいる。

解決プロセスの初めに、人々の頭には疑問符があった。それから19ヶ月が過ぎた。「これは成功しないだろう」と言われたが、今やどうだ。我々はより前進した動きへの入口に到達した。

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( 翻訳者:矢加部真怜 )
( 記事ID:34480 )