アンカラの心臓部に、シリア人地区
2014年06月28日付 Milliyet 紙


イラクとシリアのイスラム国(ISIS)に参加して重傷を負い、シリアからトルコへ連れてこられた14歳のタイラン・Yさんが暮らす、アンカラの最も古い居留地地域の1つであるハジュバイラム街区で注目すべき事態が起きている。アリフ・アクバシュ区長が、子供を含む30人以上がシリアに行ったと述べたこの地区で、およそ1500人のシリア人が暮らしているのだ。

シリアとトルコの国境で、14歳のタイラン・Yが重傷を負って病院に運ばれたことで起きた悲劇に似たような事態が、何キロも離れたタイランが暮らす街区でも起こっている。アンカラ中心部の最も古い居留地地域の1つであるハジュバイラム区では、シリアでの内戦の影響を間近に目にすることが出来る。人口4,500人のこの街区で、公式な数字ではないもののおよそ1500人のシリア人が暮らしている。昨年冬頃この街区に住み始めたシリア人たちは、街区整備により取り壊しが決まり、所有者が手放した廃墟に暮らしている状態だ。ゲジェコンドゥを借りて住み着いている者も少数いる。
アリフ・アクバシュ区長はシリア人に悩まされているとして、「シリア人たちは、ウルスやクズライといった中心地から近いため、ハジュバイラム街区を選んでいる。この辺りの交差点で物乞いをして、廃墟で暮らしている。私たちは、彼らが電気や水を不正に使用しているという話も聞いています。彼らはこの件について警告をする人々を攻撃している。街区に暮らす住民の、ここ最近の私のところに届く一番の訴えは、シリア人たちとの間に起きる問題です」と述べた。
 ハジュバイラム区の商人であり、自治体のメンバーであるメフメト・アラバジュさんは、シリア人たちが冬頃に街区に来始めたと述べ、「私たちは大きな問題に直面しています。例えば、先日の夕方、シリア人同士で喧嘩をしました。警察が来て、我々に彼らに関わらないよう言いました。なぜなら、以前ハジュラル区で似たような事件があり、後にそれがより大きな事件となったからです。同じようなことが起きてしまうのではないかという懸念しているのです」と語った。

■「怖い」

匿名のある区民は、シリア人たちがいるために家にすら帰ることが出来ないという。「怖いのです。シリアの人々は知り合いではありませんし、私たちとは違う生活を送っています。彼らが何をしでかすか、私たちにはわかりません。シリアの子どもたちは、区で遊ぶ私たちの子供を殴ります。『やめなさい、そんなことしないで』と言えば、彼らの家族が外に出てきて手当たり次第に物を投げつけてきます。警察は、通報があれば必要なことはすると言っています。私たちと関わってくれてはいますが、毎日の生活は常に緊張した状態です」と述べた。
 区のあらゆる場所で通りを埋め尽くしているシリア人たちは、ミッリイェト紙の質問に対し、援助を求めるか、あるいは離れていくかで答えなかった。彼ら自身についての情報を話したがらないシリア人たちは、政府からの支援を待っていると述べるに留まった。

■ハジュラル区で何が起こった?

 アンカラ県アルトゥンダー市のハジュラル区で今年5月、数名のシリア人難民と街区の住民たちの間で発生した議論は、短時間のうちに大きくなり、60人のシリア人が暮らしていた3階建ての建物が投石された後、更に火をつけられるという事件となった。警察がシリア人難民を安全な場所に移動させたことで、更なる悲劇は防がれた。その事件の後、その建物で暮らしていた60人のシリア難民は、マルディン県の難民キャンプに送られた。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:木全朋恵 )
( 記事ID:34490 )