イラク情勢の緊迫、マルディン経済に打撃
2014年07月04日付 Zaman 紙


イラク情勢とISIS(イラク・シリア・イスラム国)によるモースル制圧は、特にイラクと交易を行う国境付近の町に深刻な影響を及ぼしている。

ナスル・ドゥヤン氏(マルディン企業家・実業家協会会長、工業団地副代表)は「イラクから2億ドルほどが回収できてない」と述べている。ドゥヤン氏によると、マルディン工業団地では100か所の施設が稼働中で、輸出の95%は北イラクに向けて行われているという。
ドゥヤン氏は、「トルコのイラクへの輸出額は130億ドルに上り、マルディンからの年間の輸出額も10億ドルを超えています。しかしマルディンの実業家たちが北イラクに対して行ってきた輸出による2億ドルほどの債権が回収できていません。実業家たちは非常に気をもんでいます。北イラクは交易の緩衝地帯としての役割を担っています。ここからバグダードやアラブ諸国に対する輸出に深刻な問題が生じはじめています」と語った。

貿易が停止するところまで来てしまったと述べるドゥヤン氏は、実業家たちは債権の回収において何もできずにいると話した。同氏は「北イラクの外では命が保障されておらず、実業家たちは債権を回収しにいけません。私たちはイラクでの衝突が一刻も早く終わることを待ち望んでいます。平安が訪れることは世界の国々にとって利益となります。しかしこの紛争からは、誰も得をしません」と話した。
マルディン運転手協会のM・アリ・バラジ会長も、この地域のトラック運転手約4万人がイラク情勢から悪影響を受けていると語る。運転手たちにとっても商売あがったりだというバラジ氏は、「イラク情勢は運転手の命の安全を脅かす一方、地域経済にも大きな打撃を与えている」と話した。
南東部国際輸送業者協会の調査班リーダー、ムフスィン・カヤ氏はイラクに荷物を運ぶ運転手がなかなか見つからないと言う。同氏はさらに、「トルコ南東部には250の輸送会社がありますが、運転手の身の安全が保障できないため、イラクに運転手を送れない状況です。荷物は北イラクの倉庫に置かれています。多くの会社が利益をあげられません。この状況下では、イラクに荷物であれ運転手であれ、送ることはできません」と話した。

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( 翻訳者:今城尚彦 )
( 記事ID:34569 )