イラク・クルド独立住民投票にエジプト・イランから反対声明
2014年07月08日付 Hurriyet 紙

独立住民投票を準備しているイラクのクルド人に対し、二か国から同時に反対(声明)が届いた。エジプトの指導者スィースィー氏は「クルド人の独立要求は大惨事となる」と語り、イランはこれ(クルド人の独立)をイスラエルが求めていると主張した。

イラク軍はイラク・シリア・イスラム国(ISIS、トルコ語でIŞİD)の素早い攻勢に直面し、キルクークから撤退した。そして、キルクークの支配権をペシュメルガ(クルディスタン自治政府の正規軍)が掌握した後、イラクのクルド自治政府のマスウド・バルザーニ大統領は先週、議会に対し独立住民投票の準備をするよう求めて、「私たち自身の運命を決めるための住民投票の準備を始めよう」と語った。イスラエルのべンヤミン・ネタニヤフ首相も独立したクルディスタン国家の樹立を呼びかけ、クルド人は自分たちの国家を持つ権利があると主張した。

■スィースィー・エジプト大統領は反対

最大のアラブ人口を抱えるエジプトの、アブドゥルファッターフ・スィースィー新大統領は先日、「イラクのクルド人の独立住民投票は大惨事への道を開くことになる」と主張した。エジプトのメディアとの会見で、スィースィー大統領は、「クルド人の独立要求は、イラクの小さなライバル政府という地位から離れることであり、これほどの大惨事はない。独立クルド国家は、クルド人が暮らすシリア領も含む形で拡大する。これは、中東の宗教、民族の基盤を再構成することに向けた恐ろしい計画の一部分である」と述べた。イランのフセイン・エミール・アブドルラヒヤン外務副大臣は、イラクの分裂はシオニストの計画であると指摘し、「ネタニヤフはクルディスタンの独立を大喜びで支持する唯一の人物である。しかし、我々は彼の夢を実現させるわけにはいかない。北イラクの指導者が性急な行動を避けるようわれわれは要求する」と述べた。アブドルラヒヤン外務副大臣は、この問題ではトルコも同じ考えであると主張し、「トルコは都合によりこの段階で厳しい対応を取ることを控えてかもしれない。しかし、北イラクの独立に関するアンカラの戦略的観点はイランと同じだ」と述べた。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:34618 )