メルセデス・ベンツがイランに帰ってくる?
2014年07月05日付 Mardomsalari 紙
【経済面:視点】メルセデス・ベンツは1389年[西暦2010年]からイランにおける全ての活動を停止している。しかし、現在はイラン市場への回帰を切望しているようだ。
イラン学生通信の報道によれば、メルセデス・ベンツ社[※訳者注:原文まま]は50年以上にわたって、商用車、さらには高級乗用車を広範囲に供給することによって、イランの商用車市場で大きなシェアを占めていた。
しかし、メルセデス・ベンツ社は1389年[西暦2010年]にイランにおける全ての活動、特に重量車両の生産部品の提供を停止した。当時、イラン・ホドロウ・ディーゼル社は、イランにおける重量車両生産におけるベンツの提携社であった。イラン・ホドロウ・ディーゼルは、同社が製造するトラックやトレーラーの大半を、このベンツ・ブランドで生産していたのである。
ベンツのイランへの協力停止は、イランの自動車市場に影響を及ぼさず、現在に至るまで同社の新型乗用車は、概してペルシア湾岸の国々からイランに輸入されている。しかし、商用車市場におけるメルセデス・ベンツの不在は、提携社であるイラン・ホドロウ・ディーゼルにさまざまな制限を生じさせた。
当時、メルセデス・ベンツからの部品提供の停止によって、イラン・ホドロウ・ディーゼルは、生産量が低下した。その後、中国の一部の自動車会社と提携することで、ドイツの提携社(ベンツ)不在の穴を埋めていた。
もちろん、商用車は別として、一時期は、ベンツ乗用車製品の一部をイランで生産していた。80年代(西暦2000年代)始めに、イラン・セターレ社はメルセデスベンツ・ブランドの所有会社であるダイムラー社の代理店としてイランにおける活動を開始した。
その後、イラン・ホドロウの子会社の一社で、Eクラスのベンツ乗用車の《モンタージュ》[輸入部品による組み立て製造]が開始された。しかし 、しばらくするとメルセデス・ベンツ社は、イランにおける乗用車製品の生産を停止し、セタ―レ・イラン社に託していた自社製品の生産販売を、イラン側つまりイラン・ホドロウ・グループに委託したのだ。
イランにおけるベンツの波乱に満ちた歴史 にもかかわらず、同社経営者らは、イラン市場へ再度参入する意向をもっているようである。これについて、イラン側とドイツ側の双方が交渉を重ねている とも囁かれている。
協力関係再開のために、かつてイラン・ホドロウ・ディーゼルが生産していたベンツAXORトレーラー車種部品を、イランに輸入している 最中のようだ。加えて、同社乗用車100台の直接の輸入の準備も行われているという。
こうした状況において専門家らは、ドイツ企業が自動車産業に関わる交渉のテーブルについたことは、彼らのイラン市場回帰への強い熱意の現れであると述べている。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:8410157 )
( 記事ID:34710 )