カパルチャルシュ(グランドバザール)の屋根、危機的状況
2014年07月25日付 Zaman 紙


ベヤズト、ヌルオスマニイェとメルジャンの三角地帯にある歴史的なグランドバザールが、最近の雨により被害を受けた。2年前にいく つか壁に発生した亀裂が最近の雨によって10cmを越えたことが明らかになった。3600店舗が入っている市場の屋根は貯水槽や、エアコン、パラボナアンテナが乱立する状態になってしまった。

世界最大、世界最古の市場の一つであり、553年続いているグランドバザールに警鐘が鳴らされている。今月19日に降った強い雨でアーチのいくつかに10cm以上の亀裂が発生したグランドバザールが、空から撮影した写真により、大きな危険にさらされていることが明らかになった。3600店舗が入っているグランドバザールの屋根はエアコンとパラボナアンテナが乱立していることが問題となっている。また、数トンの水を貯水する貯水槽が屋根に絶妙なかたちで設置されていることも(建物崩壊の)危険性を示している。一部の人々は貯水槽が煙突の上に設置されていることを指摘している。数十トンもの重さの貯水槽と、数百もののエアコンとパラボナアンテナが老朽化した建物に過剰な負荷をかけていると言われている。専門家らは(グランドバザールの)建物が崩壊することになれば、深刻な事故につながるだろうと警告している。グランドバザールの天井で2年前に発生した亀裂は、雨のあと大きくなり、いくつかの場所で10cm以上となった。崩壊の危険性がある内天井のアーチのうちいくつかが鉄材で補強された。

■屋根は貯水槽とアンテナの畑のようだ

110868平方メートルのの広さを有し、そのうち45000平方メートルの空間に屋根がかけられ、毎日30万~50万人が訪れるグランドバザールが、空から撮られた写真からもう一つの危険性をはらんでいることもわかった。建物の屋根が、エアコンとパラボナアンテナが乱立しているのだ。より大きな危険の源はというと、数トンもの水を貯水出来る巨大なプラスチック製の貯水槽が屋根の上に乗せられ上手く設置されていることだ。いくつかの場所では貯水槽を置く場所がない商店主がこれらを、建物の煙突の上に組み立てたのがわかる。故障したエアコンとパラボナアンテナを修理するためにほぼ毎日巨大な市場の屋根にあがっているサービススタッフも屋根に良くない影響を与えていると言われている。「ジェームズボンド」シリーズの24作目である「スカイフォール」の撮影の舞台となったグランドバザールの屋根の状態は、この映画の後にも話題になっていた。その頃、建物の屋根と内部の修復が決定されたが、建物が歴史的建造物であっため、必要な許可をえるために開始された取り組みは、煩雑な手続きの中で消えてしまった。最近では2014年3月にファティーフ区によって行われた発表 において、グランドバザールの本来のふさわしい形に改めて修復され、その費用2億リラが割かれることが明かされた。しかし歴史的な建物の屋根についてはいかなる取り組みも始められなかった。

■グランドバザール、553周年

イスタンブルを訪れた観光客が必ず訪れる、110868平方メートルの広さを有し、またそのうち45000平方メートルは屋根がかけられているグランドバザールの核は、二つの(ベデステン)マーケットで形成されている。「内ベデステン」、所謂「宝石ベデステン」は歴史家の間で議論の的となっているが、おそらくビザンツ時代から残っている建物で48m×36mの面積(を占める)。「新ベデステン」はというと、1461年に建造が始まった、グランドバザールの2番目に重要な建物で、「サンダル・ベデステン」として知られている。ここは、綿と絹で織られ、サンダルと名付けられた布が売られていためにサンダル・ベデステンという名を付けられた。メフメト2世がグランドバザールの建設を始めた年、1461年はグランドバザールの建設年とされている。元々の大市場はというと、スレイマン1世により木造で建てられた。昔の財産家たちの宝石や貴金属、毛皮や宝飾つきの武器のような価値のある品々とともに、国の財宝の大部分もここの宝物庫に保管されていて、エヴリヤ・チェレビーがここを巨大で強固な城のようだと形容した。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:伊藤梓子 )
( 記事ID:34829 )