シリア国境でトルコ軍3兵士死亡、撃ったのは誰?
2014年07月24日付 Radikal 紙


シリア国境で7月21日に起きた衝突にて3人の兵士が殉職した。県知事は密輸業者らを、参謀本部はPKK(クルディスタン労働党:非合法)の犯行と指摘した。PKKはその主張を否定した一方、地元関係者は襲撃したのはイラク・シリア・イスラム国(ISIS)のメンバーであるとしている。

シャンルウルファのジェイランプナル郡、アルトゥン村で亡くなった3兵士を誰が撃ったかが話題となっている。事件当日から今まで3つの異なる情報源からそれぞれ異なる説明がなされ、混乱を招いている。最初に会見を開いた県知事は密輸業者を、参謀本部はPKK/PYD(民主統一党)を、PYDは密輸業者を、地元関係者はISISを疑っている。

当該地域には密輸業者もISISもPYDも存在する。したがって、いかなる説明も部分的には正しい。しかし襲撃の実行犯が誰であるのか明確に断定できるほどのものはない。現在皆がただ一つ知り得ている情報は3兵士が殉職したということだけである。

事件発生当日から現時点まで、通信社、新聞社、テレビも本件に関し情報の一致をみていない。一部の通信社やテレビが現時点で「密輸業者」の犯行としてみなしている一方、PYDの仕業だと指摘している機関もある。

このようにますますシャンルウルファでの襲撃について混乱させるような様々な説明がなされている…。

■7月21日…県知事:密輸業者が撃った

シャンルウルファ県知事であるイゼッティン・キュチュク氏は、アルトゥン村で密輸業者と兵士の間で衝突が起きたと公式に発表した。県知事は、2兵士が殉職を遂げ、1兵士が怪我を負ったと述べた。知事によると、事件は以下のように発生した。

「22時頃に15人ほどの密輸集団が国境を越える際、兵士の『静止』警告を皮切りに開始した最初の銃撃戦で2兵士が殉職し、1兵士が怪我を負った。」

県知事のこの会見の後、通信社も当地域において兵士と共に職務に当たっている司令官が密輸業者が襲撃してきたという情報を提出してきたと述べた。

■7月22日…参謀本部:PKK/PYDが襲撃した

県知事の発表の後、翌朝に参謀本部はインターネットサイトにて公式発表を載せ、事態をさらに混乱させた。参謀本部の発表では、シャンルウルファでの襲撃はPKKもしくはPYDが実行したと伝えた。また参謀本部は当発表にて初めてPKKとPYDを同じ組織だと定義した。発表では「少なくとも6人のPKK/PYD側が死亡した」と述べられた。

■7月22日…PYD:我々ではなく密輸業者が撃った

参謀本部の発表の翌日、ジェイランプナルの向かいにあるセレーカニイェー市所在のYPG(PYDの武装組織)軍指導部は参謀本部の発表が正しくないという声明を出した。YPDは、トル コに対しいかなる襲撃もなされておらず、負傷し命を落としたのはYPG党員ではないと明らかにした。セレーカニイェー・ビンヘト人民議会のフェレジ・ミヘメド議長は、ここは密輸業者がはびこっていた地域であり、事件とPYDとYPGを関連づける意図を問題視した。

■7月23日…地元関係者:ISISが襲った

公式関係者とYPGの他、地元情報に拠るニュースでは、襲撃はISISによって実行されたと伝えた。フラート通信社のセイト・エヴラン記者発の情報では「ISISに近い情報源に基づいた同氏の情報によると、襲撃はISISによって行われ、公式に認められたと明らかにした」と述べられた。

■7月23日…県知事:PYDとの衝突は続いている

初日に「密輸業者」と述べたシャンルウルファ県知事は、参謀本部の発表の後に完全に異なる発表を行った。PKK/PYDとの争いが当地域でいまだ続いていると付け加えた県知事は、以下のように話した。

「事件は今この瞬間も続いている。ジェイランプナル郡に属しているアシャウ・ドルクル村にて2人もしくは3人であると推測しているが、PKKやPYDのテロリストとの衝突が継続している。現時点では何も言えないが、我々側に負傷者はいない。当該地域は様々な意味で強化された。」

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( 翻訳者:足利阿紀 )
( 記事ID:34836 )