Murat Yetkinコラム:CHPでも一掃作戦?
2014年08月15日付 Radikal 紙

■注目は「ケマリスト」らの反乱に集まっている。しかし(共和民主党)党執行部は2015年の総選挙へ向け、新たな人事で歩むためスタートを切っている。

昨日選ばれた大統領、タイイプ・エルドアンの頭にある「新しいトルコ」構想へ向けて、まだその任務を引き受けてはいないが、公正発展党から始めることを宣言したのだ。

エルドアンは昨日、党の広域県支部長へのお別れの会合で、今後の作戦を「若返り」計画として述べた。事実、一昨日にはヤルチュン・アクドアン筆頭政治顧問がその枠組みを語っていた。

エルドアン政治が新たに形作られようとしているその試みの中で、アクドアンが重要な役割を果たすことになり、政府において、あるいはチャンカヤ(大統領府)において作られる予定の「狭い内閣」で(後で他の文章で説明するが、つまり)重要な働きと地位を占めることになるはずである、ということができる。

しかし、エルドアンが第12代の大統領に選出されることで始まる新しい時代にむけて、自身を刷新して備えようとしているのは、なにも公正発展党だけではない。

推薦した候補者が敗北したことで夢破れ、揺らいでいる共和人民党(CHP)においても、建て直しのためまず2015年6月に予定されている議会選挙に重点を絞り、このために自らの党を刷新しようとしている。

つまり、共和人民党(CHP)でも作戦は始まっているのだ。そして、この作戦のために(党内)反対派がケマル・クルチダルオール党首の辞任要請をすることで、それがテコとして利用されようとしているようだ。もちろん、もともとこうしたでかたは党内では、メディアでみられるほど、大反響を生まなかった

■総会での清算

まずいっておこう、共和人民党はおそらく秋のうちに総会を行う。

クルチダルオールはこのことをー昨晩―発表するため、まず「ケマリスト」として認識されている保守派が、十分な賛同者を見つけられないことが明らかになることを期待している可能性がある。

反対派の行動力が限られたものであることが明らかになったのち、「あなた方が望むなら、どうぞ総会へ」と語る。その総会で、実際に一定期間痛みをもたらすことになる(党の)分裂という作戦が起きるかもしれない

エクメレッディン・イフサンオール氏が大統領候補として推薦されたことが、党内に深刻な議論をもたらしたというのは正しい。しかしCHPで実際なにも議論を巻き起こさず、なん時たりとも議論が起こらなかったことなどあろうか?

この観点から、おそらくもっとも透明な政党は共和人民党である。会合でハエが飛べば、壁に止まる前に、外部のみんなのニュースになる。クルチダルオールがイフサンオール氏の名前をあまり周囲に知らせずに公表し、こうした議論を引き起こした理由も、この「それに関する隠し事はない」という態度である可能性もある。

クルチダルオール自身が党首を辞任しない限り、総会出席者が、重要な意味を持つ2015年選挙の前に党首交代を望む空気は、少なくとも今はない。クルチダルオール氏の去就は2015年選挙の結果次第となる雰囲気である。この状況でクルチダルオールが現職に留まるなら、去りゆく人は「ケマリスト」保守派となりうる。

■25人制の特別選挙対策チーム

CHPが8月13日に行った中央執行部(MYK)総会に対して、メディアの大部分は、クルチダルオールへの辞任要請が行われる重要な会合であるとみて、そのように対応していた。

しかし、会合での重要な議題は8月10日の選挙敗北の総括と2015年総選挙の準備開始についてだった。
クルチダルオールは2015年選挙を限界点としてみている。なぜなら、この選挙の後4~5年は、トルコで地方選挙、総選挙、大統領選挙は行われないからだ。

したがって、共和人民党ではじめようとしている作戦の本当の目的は、(指導部の主張によれば)「仕事をせず、問題を引き起こす者たち」の一掃ではなく、特に総選挙で勝つことを目的にしたスタッフの刷新である。この目的のため、まずはじめに、現在のCHP組織のなかで、そして議会で活動して育った特に若いスタッフが前に出てくることである。

CHP関係筋は、最初の段階では25人の国会議員からなる特別選挙対策チームを作ることが考えられていると語っている。特別選挙対策チームの最初の仕事は、対抗プロパガンダよりも、多くの有権者と顔をあわせてコミュニケーションをとり、共和人民党の考えを説明することだ。

関係筋は、CHPのおそらく連立を含む選挙戦略と、この方向性に沿った手段が、CHP指導部が8月17日日曜日に行う会合でとりあげられるだろうと語っている。

次々と被った選挙敗北は、CHPに変革を余儀なくさせている。この変化がどのような方向にいくのか、トルコで公正発展党政権に取って代わりうる野党運動が生まれるのか否か、という問いに対して今のところ答えはない。しかしこの問いは、単なるスタッフ刷新によってだけではなく、CHPの政治的ビジョン、組織構造や活動方法を一新するかしないかにかかっているように思われる。

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( 翻訳者:橋本直樹 )
( 記事ID:35071 )