新体制、経済政策は継続へ―ババジャン入閣へ
2014年08月23日付 Hurriyet 紙


首相候補のアフメト・ダヴトオール氏は新体制でも現状の経済政策をほぼそのまま継続することを決めた。内部からの情報によると、ダヴトオール氏はアリ・ババジャン副首相と政権の仕事を続ける方向で会談しており、タイイプ・エルドアン氏もこれに関与していると言われている。メフメト・シムシェキ財務相の状況にはまだ疑問符がつく。

選挙までの過程で想定外の事態を避けたいAKP(公正発展党)幹部は、新政権でも現行の経済政策をほぼそのまま継続することを決定した。新政権で首相となるアフメト・ダヴトオール氏が副首相のアリ・ババジャン氏とともに政府の仕事を続ける方向で長い会談を行っていたことが分かった。タイイプ・エルドアン第12代大頭領もこれに関与していることが判明し、内部ではアリ・ババジャン氏が新内閣でも元の職務を継続することが確実視され始めている。

■シムシェキ氏を強く推薦

ニハト・ゼイベキチ経済相とジェヴデト・ユルマズ開発相の続投も確実と見られる一方、メフメト・シムシェキ財務相、ファルク・チェリキ労働社会保障相、ハヤティ・ヤズジュ関税通商相は交代の可能性があると言われている。しかしババジャン氏がシムシェキ氏を強く推しており、この主張によりシムシェキ氏の地位が守られる可能性がある。一方で、チェリキ氏とヤズジュ氏のポストに会派副代表のヌルエッティン・ジャニキリ氏とムスタファ・エリタシュ氏の名前が挙がっており、内部ではヤズジュ氏に代わって内閣の中から誰かがスライドするのではないかと囁かれている。

■経済分野で最初の動き

アフメト・ダヴトオール氏を中心に組閣される第62代政権の経済分野における最初の動きは産業転換計画となるだろう。経済官僚主義、産業、物流、国内生産の増加といった課題に対して施される対策が一つの計画にまとめられた。しかし途中で選挙が入ったことで、この計画は新政権に託された。2018年までの対策を含むこの計画では、特定の生産物に「公的買取保証」を設けることで国内生産を支援するモデルがある。

■中期計画が混乱を招く

ところで、アリ・ババジャン氏は昨日、中期計画における2014年の実現予想と2015~2017年期のマクロ経済の規模確定のために経済行動会議(EKK)の会議を召集した。ロイター通信に語った経済関係者の話では、9月2日にEKKが集まって中期計画に向けた活動が始まり、アリ・ババジャン氏を議長にして会議が開かれる。これにメフメト・シムシェキ財務相、ジェヴデト・ユルマズ開発相と政府高官が参加するという。しかし当日のうちに、この会議は9月2日には開かれないという情報が流れた。

■市場はなぜババジャンを求めるのか

2001年の危機の影響がまだありありと残っており、経済対策としてアメリカから輸入を行ったケマル・デルヴィシュ元経済相の法律の痛手がまだ放置されているなか、35歳の大臣がデルヴィシュ氏の去ったポジションに座った。これがアリ・ババジャン氏だ。彼が若かったことは当時批判のもととなり、彼が経済の指揮をとっていた間ずっと他の大臣との議論のなかでも焦点となった。ババジャン氏は静かに、毅然とした態度で規律をもって危機を乗り越えることを知っていた。このために市場は、次期もババジャン氏が残るよう言って聞かないのだ。

■移転の危機

最初の議論は2006年にババジャン氏が大臣でザフェル・チャーラヤン氏がASO(アンカラ商工会議所)代表の時に起こった。中央銀行のイスタンブルへの移転が争点となっていた。ババジャン氏が会見を開き、このような話は出ていないと言う一方で、チャーラヤン氏は「花嫁をイスタンブルに連れて来るのとはわけが違う。やめておけ、アンカラに残すのが良い」と述べた。

■アクセル・ブレーキ論争

議論は中央銀行の2012年の最終決定を前にして始まった。チャーラヤン経済相(当時)は、「慎重になろうと言っている最中に、ブレーキが外れ始めた。この飛行機は止まるために降りたのではない」と発言。ババジャン氏はこれに、「霧がかった曲がりくねった道で『君、スピードを落とさないで、アクセルを踏んで』と言われても運転手は聞かないだろう」と答えている。

■関税同盟には関わるべきでない

2013年当時の経済相、ザフェル・チャーラヤン氏は関税同盟の合意の取消しに反対するアリ・ババジャン副首相に、「関税同盟の道は、道ではない」と述べた。

■再び金利

今年の5月、エルドアン首相の政策金利の0.5%引き下げに「これで十分だ」と言った一方、アリ・ババジャン副首相とメフメト・シムシェキ財務相は中央銀行の中立性を強調していた。ババジャン氏が最後に加わった議論はバンク・アスィヤのズィラアト銀行とのコンタクトについてものだった。

■産業界は満足  2023年に向けた決意

TOBB(トルコ商工会議所連合)のリファト・ヒサルジュクルオール会長のコメント
「国民にとって、トルコが2023年の目標を達成できるようなビジョンと構造改革の継続に向けた決意が非常に重要だ。我々は、ダヴトオール氏がこの歴史的な使命を最高の形で果たせると信じており、彼の首相就任に期待を寄せるとともに、成功と国への奉仕の継続を祈りたい」

■輸出業者をよく知っている

トルコ輸出業者協議会(TİM)のメフメト・ビュユクケキシ会頭のコメント
「ここ12年間のトルコの外交政策において先見の明を発揮し、2009年以降は大臣として大きく貢献をしてきたダヴトオール氏は、輸出業者をよく知っている。トルコが貿易国家として台頭することや私たち輸出業者が新たな土地を開拓することにインスピレーションを与えてくれる指導者がトルコの信頼と安定を守ると信じている」

■トルコは力をつけている

İTO(イスタンブル商工会議所)のイブラヒム・チャーラル会頭のコメント
「首相が大統領に選ばれたことも考慮すると、トルコで起きたこの変動によってトルコが強化され、より発展していくとは疑いがない。大臣が首相候補になられたことが国にとって祝福になることを願うとともに、彼の成功を祈ります」

■議題は経済であるべき

İSO(イスタンブル産業機構)のエルダル・バフチュヴァン会長のコメント
「昨今と同様、この新しい時代にも経済的安定を守りながら、経済が国の議題の中でより重点的な位置を占めることを祈る。また、生産や投資によって培われ、輸出に重点を置いた、持続可能な成長モデルが我が国の経済の基本目標となると信じるとともに、ダヴトオール氏の成功を祈っている。彼には経済的・文化的政策を続ける決意があると思う」

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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:35155 )