オバマ・エルドアン会談では何が話し合われたのか?
2014年09月07日付 Hurriyet 紙


我々は今回、NATO首脳会議のために滞在していたウェールズからトルコへの帰路についたエルドアン大統領と話した。エルドアン大統領は、オバマ大統領との会談を終え空港へ来ていた。我々が(会談は)どうであったかと尋ねると、非常に満足していると答え、内容を説明した。ウクライナ、イラク、シリア、リビアの危機へどのように対処するか、ということがサミット同様、アメリカ大統領との二者会談での議題となったという。ガザに関しては自身で大統領へ口火を切った。「平行構造」問題では共同のロードマップを定めた。質疑応答の全ては以下の通り。

■連合を望む

――オバマ大統領とどのような議題を取り上げましたか?

1時間25分間の会談では、まずトルコ‐アメリカ関係におけるモデル協力の枠組みを基礎としてこのプロセスで何をしたのかを短く、ウクライナ、シリア、イラク、リビア、エジプト、パレスチナといった問題を掘り下げて取り上げた。現在アメリカは連合を作ろうと試みている。NATOに加盟している11か国が共同で連合を形成し、その連合で共同作業に入るという目標がある。目下アメリカがこの国々のうちどの国と会談を行ったのかはわからない。しかし我々は会談を持った。イギリスやフランスは元々肯定的である。ドイツも同様である。会談を行った国のうちNATO加盟国でないのはオーストラリアだけです。

――我々への申し出はありましたか?

元より近隣の国々がこのような動きに加わるよう提案し、要望する。この会談の他にも、イラクで新内閣の組閣期間が9月11日に終わろうとしている。9月11日までこの内閣が作られるための努力をしていると理解している。トルコとして我々もやるべきことがある。現在、クルド、スンナ、トルクメン、それぞれの問題は懸念材料である。さらに重要な別の問題は、もちろんシリアである。トルコはこのプロセスの中で大きな重荷を負っている。125万人の難民をトルコがホストとなって、受け入れているというのは非常に重要な状態である。自由シリア軍に与えられた人的援助に関する支援について、我々に感謝の意が述べられた。これら全てと、共通の考えがISISに集約する。ISISに対し何ができるのか。これらは最終声明書に記してある。

■ガザを特に説明

――パレスチナは議題になりましたか?

これは私が特に議題とした。パレスチナの休戦を継続的なものとするためにNATOにできることが非常に多くあるのだと。パレスチナで2300人近い死者がでた事件、彼らのうち50人もが我々の国の病院で治療された。一部を自ら訪問した。会談ではそこでの状況を話題にあげた。国際的に最も重要な組織であるNATOが何らかの対応をすることが必要で、国連安全保障理事会ともに行われるとしても、そこではNATOが主導する必要がある。封鎖が取り除かれる形でパレスチナの市民が世界へ解放されなければならない。労働の封鎖が取り除かれようとする際に、イスラエルはガザへ爆弾を投下し始めた。我々は現在の休戦が継続的なものとなり、封鎖が取り除かれることを望んでいる。我々もこの正常化プロセスを加速化させると述べた。大統領もプロセスに関する我々の態度について感謝を述べた。

■リビアに政府はない

リビアには現在政府が樹立されていない。実際には議会は選挙を実施した。1人の元首が選ばれた。しかし選出された元首が権限を引き継ぐことなく、トブルクへ移行した。トリポリで会議を行わずにトブルクに集まった議会がそれである。当然、リビアへ外から干渉してはならない。そこで民主化プロセスが始まったので、みな選挙結果を承認しなければならない。

■諜報機関が追跡

――ギュレン氏を要求されたときオバマ大統領は何と?

トルコで「権力の平行構造」が作られたことに関することも親愛なる大統領と話しあった。そしてこの件に関し、特に諜報機関がお互いにより頻繁に連絡を取り合うようにすること、この点で現在の我々の国家の安全を脅かすこの「構造」について考える必要があると特に相手側に伝えた。我々の諜報機関の活動、必要があればこの件で外務大臣を通してプロセスを追っていく。そして、プロセス内でのトルコとアメリカ側の事態の推移が、大いに異なる結果を生むことに繋がるよう願う。

――どのような態度が?

現在もちろん、アメリカ側の態度は、特にこの件における我々に対する資料、情報が何であれ、送る方針である。

――政府の大統領、首相が盗聴されていたことをオバマ大統領ははっきりと認めましたか?

これを直接聞くことも、これを文書を通じて彼らに尋ねるのも別件である。もちろんアメリカ側はこれら全てを聞いている。我々側は必要な作業を行い、その後彼らにこれらを送るつもりである。

■近いうちに連絡を取り合うと合意

――オバマ大統領との会談は予定より長く続きました。会談には満足されましたか? 国連で再度話し合われますか?

次の機会に近いうちに連絡を取り合うということで合意した。時間が許せば、国連総会でも会談を行おうと話した。NATO首脳会議を機に会談できたことは進歩である。親愛なるオバマ大統領の[任期は残り]2年間ある。2期目であるから、次期はもはや自身を候補者とはならない。しかしもちろん彼の政党が今後成功を収めるという点では重責がある。首脳会議での1時間25分間の会談で、我々の地域における諸問題を話し合える可能性を見出した。この間いくつかの進展があって、彼らもしくは我々に何か起これば、再度話し合う。大臣達もお互いに会談をおこない、今後も会談の予定がある。プロセスをこのように継続していく。重要なのは、国のあらゆる機関を動かし、連絡を取り合うことである。

■メルケル首相と盗聴について話す

――メルケル首相との会談で盗聴の件は議題になりましたか?

ええ、話した。この件では同様に諜報機関に調査を任せる決定をした。ドイツ側も必要な指示を下す。諜報機関がお互いにより微細な話し合いを行う。ドイツ側もこのプロセスを密接に追っていくと言っていた。我々も同じである。しかし親しい国々は互いに、この件の微細さを再度守る必要があるとして行動しなければならない。もちろん特に地域の問題をドイツ首相と話し合う可能性はある。トルコ‐ドイツ関係を取り上げた。

――メルケル首相は盗聴について詳細な説明をしましたか? もしくは諜報機関の相互作業についてだけ話したのでしょうか?

ドイツ側はこの件を話し合いと言う形で、事実関係を確かめ、あらゆる詳細をお互いに情報開示し、交換したいと言っていた。実際に国家諜報機構の事務次官とドイツ側の諜報機関員達が会う。

■ISISが困らせている

――ISISへ西洋諸国からの参入者がいるということは議題になりましたか?

全ての国を困らせている。これにどのように阻止するかという点で解決策を探した。様々な国々から来て、我々の国を通過しようとする者達がいる。こういった者の一部は既に国外追放とした。この件に関する微妙な問題はどの国にもある、ドイツ、イギリス、フランスにも……。

――西洋諸国のメディアには、「外国人の戦闘員がISISに参加するのを防いでいない、国境の通過に対して措置を講じていない」とトルコを非難するものがあります。指導者たちから非難がありましたか?

私が参加したどのセッションでも、トルコを非難するような話題が出ることはなかった。

■ポロシェンコ大統領が候補者を示す

ウクライナで休戦が発表された。もちろん我々の望みは休戦が続くことである。NATOは、ウクライナに関することに非常に敏感である。したがって、これが継続的なものとなれば、ウクライナは早期に治安を回復するだろう。ウクライナは、防衛産業で一面、ロシアの影響力の残る地である。もし自国を治めることができれば、再度異なる立場に、成功した為政者によって進むことができるだろう。私はポロシェンコ大統領を成功した実業家であると同時に、成功した政治家であるととらえている。進取的な、心地よい関係を築ける、うわべだけでない友人であるととらえている。トルコ‐ウクライナ関係に非常な重要性を与えている。速やかにこのプロセスを成功させ、プーチン大統領も平和を望むこの地で必要なことを実施すれば、この地域は安定に近づく、と望んでいる。ここでは我々もクリミア・タタール人に関する深刻な懸念を持っている。 特にジェミルオール氏やルファト・チュバロフ氏のクリミア立入禁止を解除するよう、親愛なるプーチン大統領に言った。ポロシェンコ大統領はこの我々の友人を自身の政党から選挙での候補者とする。自分の政党からウクライナ議会で議席を得ることはクリミアにとって成果である。

■2番目のゴールに関心

フランスのオランド大統領とは非常に心躍る会談となった。我々はフランス‐トルコ関係をすっかり改善させ、オランド大統領の代で二国関係はかつてないほどに前進したレベルになっている。さらにイギリスのキャメロン首相とは楽しい話になった。キャメロン首相は、バシャクシェヒルにあるファティ・テ リム・スタジアムの試合で我々が放ったゴールを見ていたそうである。2番目のゴールに感心したと。我々のチームにも少し手助けしてもらえたら、と冗談めかして言っていた。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:粕川葵 )
( 記事ID:35284 )