米国防長官、「トルコも対ISIS作戦に支援を」
2014年09月09日付 Hurriyet 紙


オバマ米大統領が明日10日、テロ組織 イラク・シリア・イスラム国家(ISIS) に対する軍事計画を発表することが期待される中、チャック・ヘーゲル米国防長官は昨日8日、アンカラを緊急訪問した。ヘーゲル米国防長官は、参謀総長ならびに国家安全保障相と会談し、エルドアン大統領に謁見、トルコのISISに対する有志連合への支持について打診した。米国のある政府高官はロイター通信に対し、「私たちは、トルコなしにこの仕事を進めることはできない」と語った。

(英国)ウェールズで先週開かれたNATOサミットにて、米政権はシリアとイラクでテロをおこなっているISIS、あるいは新しい名称であるイスラーム国家をまず弱体化させ、その後撲滅するため、国際有志連合の結成を呼び掛けた後、アンカラを緊急訪問した。チャック・ヘーゲル米国防長官はISIS問題だけでなく、ウクライナ問題についても話し合うため訪問したアンカラで、まずネジデト・オゼル参謀総長と会談した後、カウンターパートナーのイスメト・ユルマズ国家安全保障相と面会した。米国防長官はその後、レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領とチャンカヤの大統領府で会談した。メディアを排して1時間10分続いた会談には、イスメト・ユルマズ国家安全保障相とフェリドゥン・スィニルリオール外務次官も同席した。ヘーゲル長官には、在アンカラの米国大使館代理大使の職務を始めた前元在アンカラ大使のロス・ウィルソン氏が同行した。

■トルコの支援を求める

会談では特にISISに対する軍事作戦の手段が取り上げられ、米国はトルコ経由でシリアへ戦いに向かったジハード主義者に関する懸念を語った。ISISに49人のトルコ人が捕らわれていることから、トルコ政府が連合において軍事的役割を積極的に担おうとしていないことは知られている。トルコはNATOサミットで公表された10か国の「中核的な有志連合における」唯一のムスリム国家であり、「イラクのISIS支配地区へ空爆をおこなっている米国の航空機はインジルリキ基地から出撃したものではない」ことを(トルコは)強調している。ある米国政府高官はロイター通信との会見で、ヘーゲル国務長官はトルコが有志連合でどの程度の関与を望んでいるか聞きたがっていると話した。最も多くのシリア難民を受け入れている二番目の国であり、49人の人質をとられていることからシリアでの戦いに関係のあるトルコの支援は不可欠だと語った。

■アメリカのメッセージ

今回の訪問でヘーゲル国務長官と同席した匿名を望む米国政府高官は、有志連合には領域内における地域勢力の支援、訓練、燃料補給、空からの支援のような幅広い要求があるとして、「これらは多くの国が貢献できることだ。トルコは地理的現実から必然的な、なければならないパートナーだ。私たちは、トルコなしではこの仕事(ISISに対する軍事作戦)を進められない」と語った。ヘーゲル国務長官との交渉でNATOがウクライナのために結成しようとする緊急展開部隊の件も議題にあがり、意見交換がなされたことが明らかとなった。来週にも米国からトップ級の訪問があることが予想されている。

■36か月で ISISを壊滅させる計画

オバマ米大統領はISISに対して「戦略はまだない」と話してタカ派の反発を呼んだが、10日、テロ組織に対する軍事作戦計画を明らかにする予定だ。オバマ大統領は8日、議会のメンバーと会合して新戦術を話し合った。アメリカのニューヨークタイムズ紙によれば軍事計画は3段階からなる。

第一段階では、先月145回以上実施された空爆を継続する。第二段階は、イラクでより包括的な政府の成立に伴って開始され、これに従ってイラク軍部隊、ペシュメルガ、可能であればスンニ派部族のメンバーに対する武器、コンサルタント、訓練の支援を増大させる。

もっとも困難であり、政治的にも論争を呼ぶ軍事作戦の第三段階は、ISISのシリアにある隠れ家を壊滅させることである。
ある米国防省の軍事作戦プランナーによれば、オバマ政権の任期を上回る、最短でも36カ月の軍事作戦が見込まれている。オバマ大統領は、国民により広範囲な軍事作戦についての支持を求めたが、(米軍)部隊がイラクでの新しい戦争にはまりこまないことを保証している。米国はISISに対する軍事作戦は前例がなく、同組織を壊滅するには数年必要だとしている。

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:35298 )