シリアからの避難民、急増―「イスラム国」の攻撃をさけ
2014年09月19日付 Hurriyet 紙


国内の混乱が続くシリアで、PYDの支配下にあるコバーニーを陥落させたいISIS軍の攻撃が止むことはなく、シリアの一般市民の避難が続いている。

昨日1日中待っていたにも関わらずトルコへの入国が叶わなかったシリア人らは、日の出とともに再び国境線へ集まり始めた。コバーニーへ避難するという提案については、確実に武器に晒されることになるためこれを拒否し、人々は国境で待ち続けている。国境線での警備は高水準に引き上げられた。

ISISはシリアで、支配下のテルアブヤドから70㎞の距離にあり、PKK傘下のPYDが支配するコバーニーを掌握するため、今週初めに攻撃を始めた。ISIS兵はコバーニーへ向かう途中にある村々を襲っており、トルコ国境近くの村々で起きた武力衝突の後、いくつかがISISの支配下に落ちた。衝突は3日間続き、テルアブヤドからコバーニーへ向かう線路上のおよそ10の村の統治がISISに渡った。20ほどの村に住む人々は、自分たちも襲われるかもしれないという恐れから、自宅を放棄して退避した。

■衝突が続く

ISIS軍は、人々が衝突を恐れ、家々を手放して無人になった村々を通過しながら前進し、コバーニーまで35㎞のところまで到達した。ISIS軍が侵攻する中、トルコ国境へ数キロの地点にある内陸各地で衝突が続いていると見られ、時々戦車から放たれた大砲の爆発音がトルコ側からでも聞こえている。

■何千人もの人々が国境線で待っていた

昨日朝、ISISの攻撃から逃げ出したおよそ3千人のシリア人は、トルコ国境に辿り着いた。シャンルウルファのスルチ郡ディクメタシュ地区近くにある国境線に集まったシリア人らは、トルコへの越境を望んでいる。
シリア人の数は昨日のうちに3千人に達したが、治安当局は彼らのトルコへの入国許可を出していない。国境線では、警察と軍が装甲車で厳重な警戒をしており、国境通過の許可が与えられないシリア人は、40度もの炎天下で何時間もトルコへの入国を待った。

■国境線で夜を過ごした

トルコへの入国要求が認められない群集に対して、今いる場所から20キロ離れたコバーニーへ行くよう呼びかけがされた。クルド語を話す兵士を通して装甲車から行われたアナウンスで、コバーニーへ行くか、ここで夜を明かすかの選択肢が与えられ、必要物資はAFADからミュルシトプナル国境門で配布することが伝えられた。

■大多数が夜には国境を離れた

兵士が行ったこのアナウンスの他、PYD関係者が同様の呼びかけを行い、コバーニーは安全であると宣言、コバーニーへ来るよう求めた。
この呼びかけで一部がコバーニーへ移動したが、2千人ほどの人々は待機を続けた。希望を持って夜になるまで待ち続けた群衆は、トルコへ入れないことが分かると再び近くの村へ戻った。国境で待っている多くの人々は来た道を戻ったが、多くが女性や子供からなる200人の人々は国境で夜を明かした。

■国境線で再び集まり始めた

朝一番の太陽と共に数百人のシリア人が少しの物品を抱えて再びディクメタシュ地区近くの国境線へと向かい始めた。次第に数を増す群集は、トルコへの入国許可が出ることを期待して再び待ち始めた。

■パンや水を持ってきた

国境通過の許可を与えられないシリア人に、スルチュやその周辺の地区に住む人々がパンや水を運んでいるのが見られた。

■戦争回避の為に向かわない

一方で家を放棄し、トルコへ向かう要求が承認されず、PYDの支配するコバーニーへ行くよう勧められた人々がこれを受け容れなかった理由は、戦いたくなかったからだと言われている。
 国境線で待ち続けるシリア人らは、コバーニーへ行った場合、女性やお年寄り、子供たち以外の成人男性は武装させられて前線へ送られており、戦うことを望まないためにコバーニーへ行くたくないのだと述べられた。

■国境防衛策が増大

ISISの攻撃とトルコへ逃げようとするシリア人が国境へ押しかけたことを受けて、警戒レベルが引き上げられた。国境で数を増す兵士らは、高台に装甲車を配備し、常時シリア側を監視し始めた。軍関係者が国境を見張っているシャンルウルファとその他の国境沿いの町には、周辺の駐屯兵と戦車が派遣されたと伝えられた。

■コバーニーの人口は4倍に

ISISがテルアブヤドとジャラブルスの間で留まったため、ISISの標的になっていると言われるアレッポ県に属するコバーニーでは避難してきた人々が不安を募らせている。シャンルウルファ県スルチュ郡の向かいに位置し、シリアで事件が起きる前は人口10万人前後だったコバーニーだが、戦争によって人口が40万人を超えたことが分かった。住民の大多数がクルド人で、内乱後にPYDの支配下におかれたコバーニーへ、衝突が起こった内部からクルド人の他にアラブ人やトルクメン系の人々が移住した。PYDのサリフ・ムスリム共同党首の故郷でもあるコバーニーでは、ISIS勢力の攻撃に対する防衛策がとられ、武装したグループが郡の外で陣地を作り防衛線を築いていると伝えられた。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:四村美里 )
( 記事ID:35378 )