コバーニーのクルド人支援へ国境を超える人々
2014年09月27日付 Milliyet 紙


コバーニーにおける戦闘は、スルチ郡カラジャ地区でもにわかに表出している。国境のフェンスを越える大勢の人々は、「イスラム国」に抵抗して戦う人民防衛隊(YPG)を支援するためコバーニーへ移動した。

コバーニーでの戦闘がトルコ国境にこれほどまでに接近してきたため、もはや戦争は国境沿いの村々から双眼鏡を使わずとも観察可能な状況だ。銃弾の届く国境沿いでは極度の緊張状態が続いている。国境のフェンスを越える集団は、「イスラム国」に抵抗するYPG勢力を支援するためコバーニーへとやってきた。約10日間にわたって「イスラム国」の包囲攻撃下にあるシリアのコバーニー、そしてコバーニーと国境を接するトルコのスルチでは、昨日(26日)もまた動乱が起きた。午前中に「イスラム国」は、スルチ郡カラジャ地区からすぐに見える場所でYPGと戦闘を起こした。両勢力間でほぼ一日中続いた戦闘における銃声は、区の中心地からも容易に聞くことができた。国境の数百メートル先で起きた戦闘では、2門の榴弾砲が轟音とともに国境を超えたカラジャ地区にまで砲弾を飛ばした。
幸いにも負傷者が出ることのなかったこの出来事は村の住民らを恐怖で包んだ一方で、カラジャ地区とその周辺の村々から集まった何十人もの人々が国境沿いで一日中「イスラム国」とYPGの戦闘を眺めていた。国境の反対側で起きている戦争を眺めていたカラジャ住民の一人であるハサン・サトゥルさんは、国境近くで起きている戦闘が自身らを恐怖させていると述べ、「朝方、榴弾砲が村に落ちた。私たちは毎日不安な日々を過ごしている」と話した。

■「イスラム国」の駐在所

カラジャ以外の地区住民であるハック・ジェイランさんは、「イスラム国」がカラジャや国境に非常に近い地点に駐在所を設置していると述べ、「戦闘は悪化している。『イスラム国』は駐在所から最大限の力をもってして戦闘地域へ兵士を送り込んだり銃弾を浴びせている」と話した。またジェイランさんは、国境に非常に近い地点にある駐在所からしばしば「ロケット」と呼ばれる武装車両が出てきて、山頂の塹壕にとどまっている「イスラム国」の兵士らのもとに向かっているとも話した。
その一方で、「イスラム国」による包囲攻撃下にあるコバーニーを支援するためミュルシトプナル国境検問所にやってきた何千人もの人々が、昨日(26日)国境のフェンスを倒壊させた。

■電話番号を交換した

コバーニーとトルコ側から集まった老若男女入り交じる何百人もの人々は、シリアとトルコの国境を分かつフェンスを倒し、トルコからコバーニーへ、またコバーニーからトルコへと流出した。国境を越えた人々はコバーニーで武装したYPG勢力を迎え入れる一方で、トルコへ流れてきたコバーニーの人々は何日間も国境沿いで待機していた家畜たちを安全な場所へと運んでいた。
コバーニーで起きるであろうあらゆる良くない事態のため互いの電話番号を交換した人々は、その後街の中心部へと足を進めた。YPGに共感して「イスラム国」と戦うため国境検問所にやってきた若者たちは、「イスラム国」に抵抗してこの土地を守るつもりだと話し、YPGは「イスラム国」よりも精神面で優れていると話した。

■移住者らは移住登録を受けている

コバーニーにおける包囲攻撃から逃れるためトルコに避難してきた移住者らは、内務省管轄下の移民業務総局に属する隊員らがスルチ郡に臨時で建てた登録所で移住登録を受けている。関係者からの情報によると、難民らは移住登録を受けた後に付与される番号により社会保険のサービスを利用できるようになるという。

■帰った人々には催涙ガスが

国境のフェンスが倒壊された後、集団で固まっていた何百人もの人々は自身らを待ちうけていたコバーニーの人々の厳しい叱責の言葉を受け、YPGを支援するスローガンが掲げられる中でコバーニーへ移動した。この出来事の後、何百人もの兵士や警官が国境線へと向かい、装甲車で予防措置を取った。国境線を越えようとする人々が阻止される一方で、その場に集まり逃げようとしない集団に対しては催涙ガス爆弾による武力介入が行われた。

■法的措置が取られるだろう

この間シリア側で行われた抗議運動を受け、治安部隊はコバーニー側で待機していた群衆に対しても催涙ガスを噴射してその場から遠ざけた。国境を越えた人々はその1時間後に再びトルコに移動するためフェンスのある場所へとやってきたが、治安部隊は彼らの越境を許可しなかった。国境線に厳しい予防措置を敷いた警官や兵士らは、亡命者らはミュルシトプナル国境検問所からでのみトルコに入ることができるとトルコ語とクルド語によるアナウンスで知らせた。国境検問所に向かった群衆がトルコへの入国意志を伝えると、これらの人々は国境侵害を根拠とする法的措置を受けることになることが伝えられた。
治安部隊は国境線に集まり警告にもかかわらずその場を離れなかった集団に対して、時折催涙ガス爆弾で武力介入を行い数人を逮捕した。

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:35436 )