シリア・クルド戦線民主統一党リーダー、秘密裏にアンカラ訪問
2014年10月05日付 Hurriyet 紙


クルド政治運動が、ISIS(イスラム国)の激しい攻撃の対象となっているコバーニーに関しトルコを責める批判を続ける一方で、PYD(民主統一党)のリーダー、サリフ・ミュスリム氏が秘密裏にトルコに来ていたことが明らかになった。ミュスリム氏は先日トルコを訪問しMİT(トルコ国家情報機構)をはじめとする複数の重要機関と会談を行ったことがわかった。

丸一日の滞在の後、トルコを出発したミュスリム氏のこの重要な訪問が、アフメト・ダヴトオール首相とHDP(人国民の民主主義党)のセラハッティン・デミルタシュ共同党主間の10月1日の会談後に実現したことが注目を集めた。ダヴトオール首相は出演したATVテレビの番組でトルコもコバーニーがISISの手に落ちることを望んでおらず、このために必要なことを行っていくと話した。

ミュスリム氏のトルコの諸機関との接触もまたダヴトオール・デミルタシュ会談で取り上げられた諸問題をふまえて実現したことが明らかにされた。
トルコ側が、PYDによってシリア、ひいてはトルコ全土と、解決プロセスにマイナスの影響を及ぼすような事態となることを避け、アサド体制に反対する姿勢をとること望む中、PYDはコバーニーを防衛するクルド人勢力に対して、トルコが必要と感じられる後方支援を行わないことに反発している。クルド人勢力はISISの戦車に対して十分な対戦車ロケット砲がないと明かし、自身らが供給する対戦車ロケット砲がコバーニーの防衛のためにトルコを通って運ばれることの許可を求めている。

情報筋は、トルコがコバーニーの人々に人道的支援をすることに問題はないと明らかにし、その他の問題に関する情報提供は避けた。PKK(クルディスタン労働者党、非合法組織)のシリア支部であるPYDのリーダーであるミュスリム氏は、約1年前にトルコを訪問したものの、アサド体制に対する明確な態度を示さなかったために、アンカラ政府の反発を買った。ミュスリム氏は少し前に、ISISとの闘いで、彼らを恐喝したこと、またシリアでの自由なクルド人運動の道を阻んだことについてトルコを責めていた。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:伊藤梓子 )
( 記事ID:35490 )