「シリア反政府派訓練」とは、何をするのか?
2014年10月14日付 Milliyet 紙


アフメト・ダヴトオール首相は、端的に『訓練-装備』と表現される、シリア穏健派反政府組織の訓練における法的根拠について、「この処置に関しては国連と国際社会が下した決定がある。法の抜け穴はない」と述べた。

アフメト・ダヴトオール首相は24年を経て、トルコの訪問を実現させたシンガポールのリー・シェンロン首相と面会した。その後、首相府官中央ビルで共同会見が開かれた。ダヴトオール首相は会見で、「本日、古くからの友好国から私と同職の首相を招き、非常に嬉しく思う。古くからというのは、トルコとシンガポールの関係はおそらくアジアでの最も古い関係の一つであるからだ。シンガポールとは、とても親密な友好関係を築いてきた。シンガポールは来年建国50 周年を迎える。そして、今日、両国の関係が達した水準に喜びを感じている。シンガポールは政治と経済の発展を強固にする豊かな基盤を有している。今後、より頻繁に訪問をしてきたい。この2、3年に閣僚間で密なやりとりがあった。そして(シンガポールより)すばらしい決定を聞き大変喜ばしく思っている。シンガポールは在トルコ・シンガポール大使館の開設を決定した。在トルコ・シンガポール大使館は遅くても来年初旬には開設される。また自由貿易協定の早急な合意に大きな期待を寄せている。二国間の貿易額は、約10億から1000億ドルに増加した。またシンガポールの投資家を歓迎する。シンガポールのキャパシティを熟知している者は、特にシンガポールの投資家を我が国に招くことを決意している。お互いの国旗にも友好の証が見える。三日月と星が共通の特徴だ」と述べた。

ダヴトオール首相は、シンガポールはトルコにとって、二国間、さらには国際分野において協力の機会が広い国であると述べつつ、シンガポールが国際関係で示した支持に感謝し、トルコがシンガポールをG-20サミットに特別招待国として招待したことを明らかにした。

■シンガポールは、トルコの国連安全保障理事会の非常任理事国加入を支持している

シンガポールのリー・シェンロン首相は「貿易と投資機会は、調査という意味ではすでに歩みだしている。自由貿易協定に帰着することを期待している。シンガポールをG-20に招いていただき、トルコには感謝している。シンガポールはトルコの安全保障理事会の非常任理事国加入を支持している」と語った。
ダヴトオール首相とリー首相は会見後、記者からの質問に応じた。記者の「戦略的協力の具体的な成果はどうなるか?」という問いに、リー首相は「戦略的協力は多岐にわたる。経済、防衛分野での協力だ。シンガポールは極東において大変重要な航空輸送の中心である。年間4000万人の渡航客がイスタンブルを通っている。シンガポールでもこの数は5000万人に達している。二国間の航空郵送は非常に重要な問題である。航空サービス協定の発展を計画している」と述べた。
「投資家に関する会合が実現した。トルコ周辺では大きな混乱が生じている。シンガポールの投資家はトルコをどう見ているのか、不安を感じているのか?」という問いにリー首相は、「我々は世界の様々な地でのビジネスを望んでいる。特に世界において、もちろん自分たちの地域においても。世界各地で共にビジネスをする機会があると考えている。我々は安定した国になってから、共に長いスパンでビジネスをする動きのある国とそれを考えているため、ただ出来事だけで判断していない。シンガポールはトルコを機会の国とみている。(シンガポール)のビジネス界より大きな後押しを得ている。彼らの中にはすでにトルコとの取引を行っている者もいる。情勢を監視しているが、それは我々を思いとどまらせる要因にはならない。政府が共同事業を保障するのであれば、我々は当然行動に移していく」と返答した。
ダヴトオール首相も同質問に「実際、現在世界において安定した政治と経済発展が同時進行している国は多くない。政治的発展と経済的発展を推し進めている国は、互いによく理解しあっている。トルコとシンガポールの関係はその意味において見本となる関係である」と答えた。

■治安維持は解決プロセスの基盤を整える

ダヴトオール首相は解決プロセスに関する質問に、「解決プロセスは治安維持の代替ではない。つまり、解決プロセスの背後で秘密裏に治安を乱すことは許されないということだ。明日解決プロセスの会合を行う。最新の状況を見ていくつもりだ。我々は断固として解決プロセスを続けていく。ためらってはならない、治安維持のために必要なことは全て行われる。脅迫するものは何であれ、すぐ応対する。治安維持は解決プロセスの基盤を整える。昨日ハッキャーリで激しい襲撃が起き、警察署に対しする攻撃があった。これらに対し忍耐を示すことは不可能だ。トルコ国軍(TSK)は必要な措置をとった。解決プロセスにおいて、我々の決断はゆるぎない、ロードマップも確定した。この枠組みで進めていくことを決断している。我々の手腕を疑わないで欲しい」と語った。
ダヴトオール首相は、中東地域とトルコ周辺地域の危機は今に始まったことではなく常にそうであったと説明し、「トルコはこの時代を乗り越える術を得た。トルコの財政構造は世界有数である。世界がグローバル経済危機に陥った際、トルコには影響がなく安定した発展を続けた。国の未来に関しては、継続した政治、安定、先見性が投資のためにに求められる条件である。現在、周辺の多くの国が手におえない状況に陥っている。多くの国が手におえない状況から不安定になっている。シリア、イラク、レバノンは、トルコの政治に影響与えず、また(トルコの)経済発展の弊害にもならなかった。強固な財政構造でもって保証されているのだ。現在起きている問題を克服する力があるとしてこの先も(トルコは)投資家の引き込みを続けていく。(中略)また、近年のイスタンブルにおける海外の会社の数を見ると、周辺の危機がトルコは重要な要衝地であることを証明している。世界最大の空港がトルコで建設されれば、これもまたトルコには安定した経済構造と強固な政治構造があるということである」と述べた。

■トルコが提唱する安全地帯と緩衝地帯を混同してはならない

他の記者の「『訓練-装備』と言われているシリア穏健派反政府組織の訓練の法的根拠はなにか」という問いに、ダヴトオール首相は「この活動に関しては国連と国際社会によって下された決定がある。トルコ国内でのこの種の活動はシリア穏健派反政府組織の力の不足を回避するために設けられたものだ。この件に関しては、違法ではない。トルコの安全地帯提唱と緩衝地帯を混同してはならない。我々が提唱しているのは、襲撃やたる爆弾から逃れているかわいそうなシリア市民の避難地域のことだ。トルコにおける約200万人近いシリア人の受け入れでは十分でない。難民受け入れについて我々が行ってきたことは世界が知っている。人道的安全地帯を要求する、そして難民問題もそれにより解決できる。国連が提唱する地帯で難民は受けいられる。飛行禁止地帯において、大勢の難民の波は陸上作戦が行われた時ではなく、空爆の際に起きたことがわかっている。アレッポ、イドリブ上空からの空爆攻撃により市民が避難を始めた。上空からの攻撃から市民を守ることが必要である。曖昧な考えでなく、我々の経験から得た蓄積によって行われた提案だ。トルコのこの不安が取り除かれないままシリア国内へリスクを生じさせるような行為に移るべきでない」と答えた。 

ダヴトオール首相は、「国境付近にいる親戚を助けられないという意味合いはなく、新しい問題でもない。2012年より呼びかけが行われている。テロ組織が馬を走らせるほどの空白地帯は生じていない」と表現した。
会合の前に、トルコとシンガポールの間で協定が結ばれた。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:小幡あい )
( 記事ID:35569 )