エルドアン大統領、アメリカ・EUを批判
2014年10月23日付 Milliyet 紙

エルドアン大統領が、ラトビア大学での会議で発言し、イラクとシリアで起きている悲劇を現在まで直視しなかったEUとアメリカが、ことが石油に及ぶとどう行動したかを語った。

以下は、エルドアンの演説の概要である。

■イスラム国はマーリキーの武器で強くなった

あの地域の苦しみはここでも確かに感じられる。イラクは占領された後、安寧も安定も享受できなかった。ISISというテロ組織はどこから出てきたのか?起源はアルカイダだ。シリアへ渡り、伸長し、強大化した。ムスルの事件は非常に注意深く見る必要がある。マーリキーの軍は、全ての武器を捨て、逃げ去った。この武器をISISが手に入れた。このときから、ISISの軍事行動が活発化した。バグダードから50kmの地点まで迫り、イラクの1/3を掌握している。あの武器で、全ての作戦を行ったのだ。

■地上作戦がなければ、成功もない

シリアでのISISの作戦を考えてみると、あの時と同じものをいま我々は目にしている。これはアメリカの空爆作戦を一部頓挫させた。空爆作戦を地上作戦で援護しなければ、連合軍の成功はありえないだろう。
国内における不公平な処遇を全く巧みに利用したISISは、イラクで非常に深刻な驚異となった。イラクの多くの市民が参加したのだ。

■化学兵器で30万人が殺された

我々はシリアにおいては、長年の抑圧体制に対し友好的に振舞ってきた。しかしイラクもシリアも、我々の言に耳を貸さなかった。シリアでは化学兵器で、そして拷問で30万人の人が殺され、700万人の人びとが家を捨てた。私の国には150万人のシリア人・イラク人の難民がいる。
国連から我々に、なにか支援が来たか?たった2500万ドルだ。我々が負担する費用は40億ドルから50億ドルにのぼる。ヨーロッパはこれほどの機会があるにもかかわらずなぜこれらの難民を庇護しようとしないのか?

あるいは、「トルコよ、君はこれほどの人々を庇護している。我々は何を担おうか?」などと申し出ることもなかった。これが多くの国のスタンダードな姿勢だ。我々は人道を第一とした政治を行うために、門戸を常に開いてきた。

イラク政府が宗派主義を唱えているとき、EUも、国連も、アメリカも何の警戒もしなかった。
ISISというテロ組織が現れ、油田を驚異にさらすと、すぐに介入した。つまり、彼らの懸案事項は人間ではない、石油だ。欧米企業はその油田を保有している。

親愛なる学生諸君。物事は連続しており、その一端が諸君の前に現れるものだ。欧米は化学兵器を話題に取り上げる。在来型の兵器は話題に取り上げない。私はG20サミットでこう言った。「化学兵器によりシリアで1600人が死んだ。しかし、在来型兵器では30万人が死んだ。これについてなぜ議論しないのか」と。
結果として死をもたらす兵器は、何であれ罪だ。

欧米はコバーニーという一つの事例を取り上げる。コバーニーの重要性は何か。そこに市民はいない。アメリカがもたらした武器の一部がISISの手に渡った。ペシュメルゲは承認していなかったが、後に認めた。ペシュメルゲは我々の支配下に入るだろう。これら全てが一つのことを明らかにした。30万人の死に沈黙した世界が、コバーニーで立ち上がったのだ。

あなた方は、ハマやフムスが焼かれていた時どこにいたのだ?PKKのような血塗られたテロ組織を気にもとめない人々は、彼らが4万人の国民を殺した時、どこにいたのだ?

一日に5000人が殺された国はない。しかしエジプトにある。52%の票を獲得したモルシがクーデターで引き摺り下ろされた。国連からの発言はあったか?常任理事国の5カ国が望むことが全てだ。だが世界はあの5カ国よりはるかに大きい。国連の改革が必要だ。5カ国より大きな世界が、これを解決しなければならない。政治は理性的原理に従って機能していない。政治を、商業を一旦離れよ。子供たちが死んでいる時に、これをただ見ているのは罪である。

死者は中東の人間だ、ムスリムだなどと言うことは完全な差別主義だ。ボスニアで起きた悲劇は全く忘れられないだろう。中東で、北アフリカで起きた事件に対して、EUが沈黙を守り続けているのは理解に苦しむ。
東洋の悲劇に対する西洋の態度は、人間性を傷つけるものだ。東で起きている悲劇をそこにいる人びとの生活に関係づけられるなら、こうはならない。

100年前まで「中東」と言う表現はなかった。近東という表現だった。人間性をもって、良心に沿って事件を見たときにアフガニスタンの、イエメンの問題を解決することができる。

アフガニスタンの苦しみは耐えがたいものだ。毎日あらゆる殺人が行われている。そこでは外国人が道路に出るのは非常に難しい。現在はドイツ、トルコ、アメリカ、イタリアの軍隊が、一定期間駐留している。

国連が要求し、誠実に振舞えば、今とは全くちがう世界平和をもたらすことができるだろう。EUや加盟諸国が現在の悲劇に対し立ち上がれば、世界はもっと住みよくなる。

我々は絶望しない。レイシズムと宗教の敵に立ち向かう若者がいる。私は彼らをとても信頼している。この若者たちが新しい世界を築くと信じている。
ソーシャルメディアは全てではない。ISISがインターネットをとても効果的に使い、人々に影響を与えている。ISISというテロ組織は、人々を殺すナイフのようにこれを使っている。
あの地域を間違った形で治めている。皆さんは、見たものに対し、横断的な視点で疑問を持ち調べてほしい。悪意ある場所からトルコを眺めていては、我々の人道を見ることはできない。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:矢加部真怜 )
( 記事ID:35654 )