アナトリアの人形文化コレクション
2014年10月29日付 Zaman紙


ルーヒイェ・カイラさん(82)は教師とツアーガイドとして働いていた時にまわったアナトリアの町々の人形文化を収集していた。カイラさんは、退職後に居を構えたイズミルの村で、村の女性たちに人形とラベンダーの小袋の作り方を教え、ここ2年間は老人ホームの娯楽室で、人形作りの作業を続けている。カイラさんは、アナトリアの人々が暮らす風土ごとに違う服の小さな見本を人形たちに着せているのだと語る。

イスタンブルで生まれたルーヒイェ・カイラさんは14年の間、いろいろな町で英語の教師をし、訪れたすべての地域の文化と服飾を詳しく調べたという。イスタンブルに居住していた時に、カイラさんは家で発生した火災によって持ているすべての本や学位論文、そして家財を焼失した。このため、イズミルのセルチュク郡にあるチャムルク村に引っ越したとのことだ。

この地でツアーガイドを始めたカイラさんは、この仕事をきっかけに6つの都市を除いて、トルコ全土を巡る機会をえた。海外のたくさんの国々をまわる中で、彼女はトルコで観光客に対して提供されるお土産品は十分ではないことに気づき、腕を振るうことにしたそうだ。カイラさんは自らが住んでいる村で、女の人たちに人形とラベンダー袋の作り方を教えるとともに、生産されたお土産品を用いて、村の女性たちがお金を稼げるようにもした。

彼女は人形づくりを始めた経緯についてこう話してくれた。
「ラベンダー袋に頭をつけたら、ラベンダー人形ができたの。それから、多くの地域で特有な人形を作り始めるようになったのよ。」

様々な場所で、人形文化についてのセミナーを開いてきたカイラさんは、ここ2年の間、アンカラにある老人ホームの娯楽室で、人形作りの作業を続けている。アンカラ、トラブゾン、チャナッカレ、ムーラ、キュタフヤ、スィイルト、トカトのような町々の人形文化を収集し、アトリエで人形作りをしている彼女は、高齢にもかかわらず(アナトリアの町々への)訪問を続けている。
カイラさんはこういう。「村々を訪ねて、花嫁道具を入れる箱に入っている服を見せてくれないかと頼むの。私がつくってきた人形の写真を見せて、もし嫌だと思わなければ、女の人たちはその服を着てくれるわ。そしたら、写真を撮って、服をどういう風に結び、何の上に何を着るのかについて学ぶのよ。」

彼女は、衣服の違いに風土が重要な影響を与えていると述べ、次のように話した。
「アンカラの遊牧民の靴下はアンゴラヤギの毛からできているの。昔は、そのヤギの毛からとても素晴らし靴下が作られたものよ。遊牧民(の格好)には他に、シャツやボレロ、腰につける鉄砲入れや銀の小物入れがあるわ。黒海地方出身の女性たちの足には羊毛の靴下が履かれていて、それは彼女が湿気のあるところに暮らしているからなのよね。靴下の上にはサンダルを履くの。サンダルには刺繍は施されていないわ。女性たちはとても忙しくて、刺繍をいれる時間がないから。腰に巻いたエプロンに子供を入れ、子供の顔を拭き、(農地で)何か収穫するときはその中に入れるの。このエプロンは他の地域のものに比べると、大きいのよ。トカト地方の人形には、細長いエプロンをつけ、刺繍が施すの。そのエプロンは、踊ると(フワッと)開いて、楽しげな景観を作るわ。アナトリアの女性たちの上着は腰のところまで開くことができるの。赤ちゃんにたやすくお乳をあげられるように考えられたのだそうよ。カッティングはとても実用的にできていて、繊維を全く無駄にはしないの。刺繍の入れ方や布の種類はいろいろよ。」

訪れたまちまちで、まず初めに服飾の文化を詳しく調べたというカイラさんは、こう述べた。

「アナトリアでは、人々の服はとても実用的で、健康的なの。綿と羊毛からできた服が着られているわ。着られているものの全てにはある機能があるの。頭飾りにはタイム(ハーブの一種)のようないい香りのする花が入っているの。首にはカーネーションからできたネックレスがつけられているわ。「母の匂い」とされるクミンの香りのネックレスもあるわ。女の人たちはこれを赤ん坊を生むとつけるの。母親が仕事に行く場合、赤ちゃんの世話をする人はこのネックレスをつけるわ。そのため、赤ちゃんはこの香りのおかげで、母親から離れていないと思うのよ。」

カイラさんは、ツアーガイドをしていた時に、観光客に向けて、トルコを紹介したのち、最後に手工芸品についての説明したといい、このように話してくれた。
「観光客や観光客向けのマーケットからたくさんのことを学んだわ。大英博物館を訪れた時に、地下に(広さ)1000㎡の場所で、世界中のお土産を売っているのを見たの。お土産が売れればうれるほど、博物館は、新しい芸術品を購入することができる。私たちの博物館では何も販売していないわ。売るにしたって、トルコ人の女性が生産したものは何もないわ。」



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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(翻訳者:成田健司)
(記事ID:35717)