CHP有力女性幹部タルハン氏、離党
2014年10月31日付 Radikal 紙


共和人民党(CHP)のケマル・クルチダルオール党首の誘いを受けて政界に入ったエミネ・ウルケル・タルハン氏は、わずか3年でクルチダルオール党首にとって最大の敵対者の一人となった。すべての選挙において見込みのある候補者であったが、どの選挙にも立候補することはできなかった。そして今日(31日)、同氏は政党の運営を非難し離党した。

ケマル・クルチダルオールCHP党首の誘いでCHPに入党し国会議員となったエミネ・ウルケル・タルハン氏は、2年で党内の反対勢力を束ねる旗手となった。近年では常に「候補者」の一人としてその名を連ねてきたタルハン氏は、大統領選で20人の署名を集めることができず立候補権を逃し、党大会でも次期党首候補や党会議(PM)の候補者にもならなかった。そして本日(31日)、同氏は党の運営を批判しCHPを離党した。

■クルチダルオール党首により政界に進出した

裁判官・検察官協会(YARSAV)の創設メンバーであるエミネ・ウルケル・タルハン氏は、書記官を1年間務め、その後は会長職を2年間務めた。エミネ・ウルケル・タルハン氏は国会議員の立候補者となるため、2011年に裁判官の職とYARSAVの会長職を辞任した。実際には2011年6月12日の選挙で、ケマル・クルチダルオールCHP党首とともにCHPからアンカラ県出国会議員として選出されてトルコ大国民議会(TBMM)に足を踏み入れた。入党後すぐの会期で2年間のグループ長となったタルハン氏と党運営間に起きた最初の亀裂は、2013年のグループ長選挙で起きた。エミネ・ウルケル・タルハン氏はこの時グループ長に再選しなかった。党内の「ナショナリスト」勢力の一翼であると言われるタルハン氏とCHP幹部の関係は、大統領候補を決めるプロセスでも緊張感を増した。

■立候補者の調査を行ったが

国民投票で選ばれる初の大統領に向けた候補者決定のプロセスでは、CHPと民族主義者行動党(MHP)の両党首が「エクレメッディン・イフサンオール氏」の名を挙げて歩み寄ると、この人物にCHP党内から反対するメンバーのトップとしてエミネ・ウルケル・タルハン氏が立った。タルハン氏は、イフサンオール氏のためにTBMMに提出された立候補者申請書に署名をしなかったCHPの国会議員21名に含まれた。そして代替案の候補者として、エミネ・ウルケル・タルハン氏が大統領に立候補することもニュースになった。大統領選に立候補するには法律で20人の国会議員の署名が必要とされる。イフサンオール氏の立候補のために署名をしなかったCHP所属国会議員の数が21名であることから、これらの議員らが「対抗馬」としてタルハン氏を指名するだろうという噂が舞台裏では話され始めた。
さらにはエスキシェヒル県出のシュレイル・バトゥム国会議員が、自身が開いた記者会見で「私にとっての大統領選候補者はエミネ・ウルケル・タルハン氏だ」と発言したことも話題となった。
しかし(イフサンオール氏の立候補に)署名をしなかった議員らの一人であるデニズ・バイカル氏や彼の側近らが「対抗馬」という意見に熱烈なアプローチをしてくることはなく、タルハン氏の大統領選候補者としての行く先も断ち切られてしまった。

■選挙後の辛辣な会見

8月10日の大統領選でCHPが支持した「担がれ候補」のイフサンオール氏が30%台の得票率で留まると、タルハン氏は会見を開いて党を批判した。タルハン氏は8月12日に行った会見で以下のように述べた。「2回戦まで持ち越すことができたであろう選挙のチャンスを、われわれは1回戦で失った。14の政党が支持した候補者の得票がエルドアン氏を照らす結果となったことを成功と評価することは、CHPの考えとしては冷笑ものである。クルチダルオール党首は辞任し、党大会で責任を問われるべきだ。」

■幹部候補として名前が上がっていた

クルチダルオールCHP党首が党内の反対勢力から寄せられた「党大会」の招集要請を受け入れ、臨時党大会を開くことを発表した後、再びタルハン氏に視線が向けられた。エミネ・ウルケル・タルハン氏が臨時党大会で「幹部候補」となる可能性があると舞台裏ではささやかれた。しかしタルハン氏に視線が向けられるなか、ムハッレム・インジェ氏が幹部に立候補すると明かし、タルハン氏に自身への支持を求めた。タルハン氏はインジェ氏を支持する代わりに、ソーシャルメディア上でインジェ氏に「成功を祈る」というメッセージを送るにとどまったが、結局彼女自身は立候補しなかった。

■PMの候補者にもならなかった

CHPが9月頭に開いた臨時党大会では、タルハン氏は党会議には所属せず、またいかなる幹部候補者のリストにも名前を連ねなかった。この頃に行った会見では、この理由として以下のように発言している。「信用のない党運営に対する理解が党会議の中にあるとは考えられず、またリストを検証するという彼らの言葉を信用してもその中に私の名前が載るのは適切ではなく、政治的判断からこの種のやり方は適切ではないと考えた。」

■労働者党に移籍するか

国民議会の裏側では、タルハン氏のCHP離党が最近ささやかれ始めていた。舞台裏では、タルハン氏が離党し、自身と同じくCHPの党運営に反対する国会議員の集まりとともに政党をつくるのではないかと噂されていた。CHPの裏側ではエミネ・ウルケル・タルハン氏の他にも2名の議員が離党する予定で、彼らは労働者党に移籍するのではないかという憶測が飛び交っている。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:35732 )