エルドアン大統領訪仏、シリア対応でフランスと合意
2014年11月01日付 Milliyet 紙


日帰りでの公式訪問でパリを訪れたエルドアン大統領は、仏オランド大統領との会談で、イスラム国(ISIS)とシリアのアサド政権との対応について合意した。

レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領と仏フワンソワ・オランド大統領がパリでの緊急会議でイスラム国(ISIS)への対応について、飛行禁止区域・保安区域の設置や、トルコによるシリア反政府勢力の訓練などで合意した。

エルドアン大統領は昨日、仏大統領からの招待を受けパリへ日帰り公式訪問を実施した。ISISへの対応や、シリア・イラク問題、トルコのEU加盟交渉、両国関係が両者会談の主な議題となった。

エルドアン大統領は、会談終了後の共同発表にて、地域的な問題が発生していることを示した上で、「地域的な問題で、イラク・シリア問題への見解はフランスとトルコの間にほぼ違いはなく、考え方は近い」と述べた。

また、大統領は、テロ組織であるISISが、イラクの40%を軍事制圧下に置いており、シリアでも侵攻行動を続けていると強調して、次のように続けた。

■世界は傍観者でいてはならない

「世界はこの問題に対し傍観者でいてはならない。トルコとしてのわれわれのアプローチは次のとおりだ。まず、飛行禁止区域、つぎに保安区域、そしてシリア反政府派の訓練活動を開始すること、これに取りかからねばならない。」

■なにはなくともコバーニー

エルドアン大統領は欧米諸国のコバーニーに対する姿勢に次のように苦言を呈した。「今、重視しなければならない問題がある。コバー二ーだ。なぜイドリブやハマ、 ホムス、そして現在40%が占領下にあるイラクではなく、コバー二ーなのか。コバーニーについてはいかなる対応も介入もなされていないからだ...。なにはなくともまずはコバーニーだ。コバーニーはトルコとの国境にある。現在、コバーニーには住民はいない。20万人がトルコへ難民として入国しているからだ。目下、コバーニーには一切住民はいないものの、2千人の兵士がいる。そのせいで絶えず破壊されており、理解しがたい事態だ。」

■オランド大統領:2つの敵

仏オランド大統領はISISに対応するため、各方面の協力が必要だと明らかにした上で、次のように続けた。「占領された地域を取り戻そうとした場合、イラク国民の多様性をふまえて行動せねばならない。フランスはイラク領土への空爆支援を決議した。実際に衝突が生じている地域ではイラクのクルド人へ必要な教育も行っている。シリアには2つの敵がいる。ISISとアサド大統領だ。これはいまだ破壊を続けている。国民や子供たちに武器を使用し続けているのだ。」

■保護区域の設置

オランド大統領は、自由シリア軍への支援を語る。また、「今、勝利を望むならコバーニーでの状況がどんなであろうとも、必ずや自由シリア軍やほかの反対勢力の支援を得ることが必要だ。飛行禁止区域や保護区域の設置は必要だ。自由シリア軍への物資提供は必須だ」と述べた。

■カギとなる都市アレッポ

オランド大統領は全世界が連帯して行動にあたることが必要だと述べる。「コバーニーだけではない。エルドアン大統領は全く正しい。ほかの都市もISISの脅威のもとにある。カギとなる都市はアレッポだ。我々はできる限り支援している」と発言を続けた。

■クルド人兵士は2日間トルコに滞留

エルドアン大統領は仏国際関係研究所で次のようなメッセージを発した。

* アサド大統領は国際司法にかけられるべき
「私は、アサド大統領はテロリストだと思っている。国家的なテロだ。彼に対し皆が協力して彼を国際司法にでもなんでも連れ出さねばならない。いまだ各国はこの方針に積極的ではない。EU連合は十分なイニシアチブをとっていないし、重視もしていない。」

*偽情報
「仏メディアは、トルコが、対立勢力のクルド人兵士らの国内通過を許可を与えないことに関して反対姿勢をみせている。これは誤報で、デタラメである。現在、我々はクルド人兵士がトルコ領土を通過できるよう尽力している。自由シリア軍は通過した。クルド人兵士もトルコに入国している。騒々しいのが来たのだ。仏メディアはそれがわからないようだ。クルド人兵士は2日間トルコにとどまっているのに。」



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:35740 )