エジプト:イスラーム国(ダーイシュ)との関係をめぐりアンサール・バイト・マクディス内に対立か
2014年11月06日付 al-Hayat 紙

■エジプト:バグダーディーへの忠誠をめぐるあつれきを受け、「アンサール・バイト・マクディス」内に対立の予兆

【カイロ:アフマド・ラヒーム】

アブー・バクル・バグダーディーを首領とするシリアとイラクの「イスラーム国」(ダーイシュ)が宣言したカリフ制に対して、シナイ半島で活動する「アンサール・バイト・マクディス」が忠誠を表明したことをめぐって生じたあつれきにより、同組織内での意見対立が露呈している。「アンサール・バイト・マクディス」はこれまでに多数の作戦を遂行、治安部隊と治安機関への攻撃を行ない、数十名を殺害している。

武装集団が先月、軍の要撃地点「カラム・カワーディース」を襲撃し、兵士30人を殺害したのを受け、エジプト軍部隊はシナイ半島の複数の都市を含む広大な地域を包囲している。この襲撃に先立ち、「ダーイシュ」と「アンサール・バイト・マクディス」の間で注目すべき複数の公式書簡が発表され、両組織の関係がイデオロギー的アイデンティティーを越えて、組織的連関性に至ったとの念が強まっている。「イスラーム国」のアブー・ムハンマド・アドナーニー報道官は、「ダーイシュ」支持者が首切りを行うなかで、「シナイ半島のジハード主義者」を称賛し、さらなる攻撃と地域全体での同様の首切りを継続するよう彼らに促している。

住民はシナイ半島で頭部が切り離された10人の遺体を発見する一方、「アンサール・バイト・マクディス」は、シナイ半島のベドウィンの男性複数名の殺害を映した2本の映像を公開した。アドナーニー報道官はシナイ半島に関するメッセージのなかで、「アンサール・バイト・マクディス」に「宗教的義務」が課されたと明言した。このメッセージ映像には、3人が殺害され、4人目の男が銃殺されるシーンが含まれており、あたかも「アンサール・バイト・マクディス」が宗教的義務を行ったかのような印象を与えた。

本紙は、「シナイ半島での救済」を唱導する「イスラーム国」関連のジハード主義者のウェブサイトの呼びかけを監視してきたが、この呼びかけに先立ち、軍は、要撃地帯「カラム・カワーディース」への攻撃の直後から同地域において軍事作戦が集中して行っている。

(後略)

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( 翻訳者:飯塚遥奈・樫村早紀・川原七星 )
( 記事ID:35784 )