CHP、10項目アレヴィー派レポート発表
2014年11月07日付 Zaman 紙


共和人民党(CHP)から、アレヴィ―派の要求をテーマとする意見や提案を含む10項目の「すべての人民のための信仰の自由」と題された報告書が発表された。この報告書を読み上げたシャファク・パヴェイCHP副党首は、「アレヴィ―派の人々の生活範囲が干渉されなければ、同化政策を展開させる必要性もなくなるだろう」と述べた。

ギュルセル・テキンCHP幹事長やシャファク・パヴェイ、セズギン・タンルクルCHP両副党首、そしてオウズ・カアン・サルジュCHPイスタンブル県会長らは、イスタンブル県の党支部で記者会見を開いた。この会見で、アレヴィ―派に関するCHPの報告書をシャファク・パヴェイ副党首が読み上げた。パヴェイ副党首は以下のように話した。「厳格な教義によって膨れ上がった(誤った)認識の結果、アレヴィ―派の信仰やアレヴィ―派の人々は常に侮辱や疎外、軽蔑、そして暴力行為の対象となる信仰となってしまった。さらにこうした社会状況は、公正発展党(AKP)政権とともに正当かつ正式な共通の慣例となった。アレヴィ―派の人々は、これまで幾度となく政権から疎外された。特に『宮殿』に住むスルタンからは公衆の面前で標的とされた。アレヴィ―派の人々の生活範囲が干渉されなければ、同化政策を展開させる必要性もなくなるだろう。」

■ジェム・エヴィの法的立場は政府や宗務庁の決めることではない

「基本的な権利と自由の要求以前に、アレヴィ―派の人々にとって最も根本的な問題は命の安全だ」と話すパヴェイ副党首は、さらにいかのように続けた。「政府や宗教教育を行う者たちが、『彼がアレヴィ―派だと知っているか』、『名前を言ってはいけない宗派だ』、『彼らは自分の宗派を口に出せない』、『裁判所の裁判官はアレヴィ―派だ』、『ジェム・エヴィはテロ組織の巣窟だ』、『アレヴィ―派は不潔だ。食べ物も食べられないにきまっている』、『アレヴィ―派は背徳的な宗派だ。性的行為を行っている』といった扇動的で悪意に満ちた発言を行うのをやめ、さらに再びこうしたことを繰り返さないことを前提に謝罪する必要がある。また宗務庁が予算をスンナ派にばかり当て、その他の宗教団体に反する形で使用していることは、アレヴィ―派の(スンナ派への)同化を加速させている。ジェム・エヴィが礼拝施設か文化施設かということを決めるのは、政府や国の正式な組織である宗務庁の仕事ではない。『アレヴィ―派はどういった人々なのか。アレヴィ―派の信仰はどういったものなのか。』という問題に、政府が納得するような答えを出すことに手間取ることと、神学者や政治家がこの問題にアレヴィ―派の代わりに答えることは相対している。公的機関で宗教や宗派について記録することや、アレヴィ―派を追いかけ回すのはもうやめるべきだ。こうした公的機関とは独立した組織による肯定的な区別の恩恵を受けるべきである。」

■「信仰は心の本質に基づく選択である」

人間の信仰心は政治的なソーシャルエンジニアリングの問題ではなく、心の本質に基づく選択である話すパヴェイ副党首は、さらに以下のように発言した。「アレヴィ―派の人々が多く暮らす一部の地域は、中産階級化を口実に(スンナ派が)拡大している。そして事あるごとに警察の監視下に置かれている。その一例がトゥズルチャユルやアルムトゥル、ガーズィ、サルガズィ、そしてオクメイダヌだ。アレヴィ―派の聖地の一つであるエルマル・テッケ村にあるアブダル・ムサ聖廟の横に採石権が与えられたこと(その後裁判所の決定で中止された)や、ムンズル渓谷で建設が計画されていたダムや水力発電所(HES)により、別の聖地やそこを訪れる人々が失われることは、信仰の自由に対する暴力だ。アレヴィ―派の聖地に対する略奪や破壊行為に終止符が打たれるべきだ。国民の平等原理は、国民が言語や宗教、信仰、性別、そして人種を根拠とする差別の被害にあわないための権利と自由における平等が認められていることを表している。」

■タンルクル副党首「政府の誠意など信用していない」

セズギン・タンルクルCHP副党首は、以下のように発言した。「トルコ大国民議会(TBMM)議長に対し、18項目の法案を提出した。本日の発表内容すべてに依拠する法律の改正を求め、この法案は全体を示すものとしても提出された。明日(8日)、おそらく首相はハジュベクタシにおいて7年間開くことのなかったアレヴィ―派に関する包括法案にかかわることとして何かしらの発言に努めるだろうと考えている。私はここから彼に呼びかけたいと思う。何もする必要はない。われわれが議長に提出した法案は、憲法を除くアレヴィ―派の国民に関する法律がもたらした障壁を取り除くことを本質としている。したがって、もしこの件に関して本当に誠実な態度を彼らが示しても、適用段階における障害を除き、法律によって行われるであろうすべての条文や、すべての改革を友人らから得た支援とともにすべてまとめて議長にわれわれは提出した。もし彼らが誠実さを示しても、この法案が彼らに道を指し示すことになるだろう。われわれは彼らの誠意など信用していない。」



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:35800 )