YPG(人民防衛隊)メンバーに、初の有罪判決
2014年10月31日付 Radikal 紙


マルディン第二重罪裁判所は昨年トルコ入国後逮捕されたシリアのデリキに住民登録がある人民防衛隊(YPG)メンバー、イスマイル・サドゥク被告に「クルディスタン労働者党(PKK)・クルディスタン社会連合(KCK)に繋がる武装テロ組織のメンバーである」という罪により7年6か月の懲役を下した。イスマイル・サドゥク被告の弁護士であるアリ・カフラマン氏は判決に遺憾の意を示し、「トルコに向けた如何なるテロ行為も行っていない私の依頼人に懲役が下されました。これに対し我々は上告します」と述べた。

イスマイル・サドゥク被告はシリアのクルド人が住むロジャヴァ地域のデリキ郡に住民登録があるが、病気(治療)のため昨年トルコに入国し、2013年11月8日に行われた軍事行動の際、彼を助けた三人と共に拘束され、逮捕された。マルディン第二重罪裁判所はイスマイル・サドゥク被告にテロ組織のメンバーである疑いで7年6か月の禁固刑を言い渡した。

■YPGを「武装テロ組織」と認定

裁判所が下した判決により、トルコで「テロ組織」リストに載っていないYPGがこのたび「武装テロ組織」として定義された。そして彼へ有罪判決は、YPGへのメンバーに下された最初の刑罰となった。法廷は判決文で、YPGをPKK/KCKと結びつけ、以下の判決を下した。

「組織に近い情報源は、ロジャヴァとして知られ、いわゆる『(クルド)国家建設計画』に関係する地域の西側にあるシリア地域について、「西クルディスタン」と呼んでいる。それゆえ分離主義テロ組織がPKK/KCKという名の下にトルコで行った流血行動をシリアの地域においてはYPGとして行っていたということが理解される。この組織のメンバーは、トルコの土地ではPKK/KCKのメンバーとして活動を行っており、同じ人物が、国境の向こう側、すなわちシリアの地域では、同じ目的のために行っている活動は、YPGの名の下で行われている。以上全てのことから勘案すると、YPGや女性防衛隊(YPJ)という名の組織が分離主義テロ組織、PKK/KCKと互いに思想的、組織的な結びつきを持っているということ、同じ構造そして同じイデオロギーの産物であるということが分かる。これにより、シリアで活動を行っている民主統一党(PYD)、YPG、YPJのような組織は、シリアで活動するPKKと同種の組織であるということ、KCKの名の下に4か国で活動を行っている4つの下部組織の1つであること、これらの組織が同じ目的に奉仕していること、活動の目的や方法が全く同じであることが理解される。」

■弁護士:トルコへのテロはしていない

シリア人のイスマイル・サドゥク被告の弁護士アリ・カフラマン氏は、依頼人が病気のためトルコに入国し、YPG内部には8日間しかいなかったが、所持していたフラッシュメモリーにYPGの制服を着て撮られた写真があったために裁判にかけられたとし、以下のように述べた。

「私の依頼人は、トルコのテロリストに載っていないYPG(への所属)という理由で裁判にかけられ、最初の刑罰を受けた人物になりました。私の依頼人はトルコに、そしてトルコの利益に対して今日まで如何なるテロ活動も行っておりません。それにもかかわらず、(そもそも被告人は)8日間だけしかYPGに所属しておらず、家族を守るために組織に加わったと法廷で証言したにも関わらず、有罪判決を受けました。我々はこの判決に対し上告します。」



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:満生紗希子 )
( 記事ID:35823 )