エルドアン大統領、ヤズィード派代表団と面会
2014年11月13日付 Milliyet 紙

レジェプ・タイイプ・エルドアンがイスラム国(IŞİD)の攻撃から逃げたヤズィーディーの人たちの代表を大統領府で迎え入れることは、千年以上の時の流れからみると象徴的な重要性を持つ。ヤズィーディーは、ルーツがメソポタミヤの宗教に基づく信仰ゆえに、1000年にわたって周縁的な存在とされ、軽蔑され、自らの信条を大きな問題を抱えて暮らしてきており、ここ最近もテロ組織IŞİDの残虐性にさらされている。その彼らを代表する委員会が、大統領府で饗されるとのことだ。この受け入れは、オスマン時代、更にはセルジューク時代まで遡るトルコ系国家の伝統的な枠組みの中で象徴的な重要性をもつ。大統領府の受け入れプログラムでは、トルコ語でのヤズィーディーという表現の代わりに、エズィーディーという表現を用いることも注意を引く。

■トルコから移住した

エルドアン大統領は、11月14日の金曜日に、大統領府で二つの代表を迎え入れることになっている。大統領は、13時30分に、イラクからトルコへ逃れ、居住するエズィーディー達からなる代表団を迎え入れる。エズィーディーたちは、ルーツをメソポタミア、つまりキリスト教やイスラーム以前に遡る信仰に依拠する宗教が故に、1000年以上にわたって大きな問題にさらされてきた共同体である。ウィキペディアの情報によると、ヤズィーディーもしくはエズィーディーの多くは、クルド語を話す民族または宗教の共同体や、この共同体のゾロアスター教や古いメソポタミアの信仰に連なる宗教に与えられる名前である。エズーディーは、基本的に歴史的にアッシリアの一部であるイラクのニノヴァ地域で暮らしている。アルメニア、グルジア、シリア、そしてトルコのような国で生きているエズィーディ共同体は、日を追うごとに減り、ヨーロッパへ、その多くはドイツへ移住する傾向にある。アルメニ ア、グルジア、イラン、シリア、そしてトルコでも共同体があるヤズィーディーは、今日総計80万人ほどであると推定されている。エズィーディーは共和国時代にトルコからも移住した。

■IŞİDは女性と少女達を誘拐

テロ組織IŞİDは、イラクでエズィーディの村と小さい町に対して、虐殺とも呼べる
攻撃をおこなった。約5000人と言われるエズィーディーの少女と女性たちへテロ組織は、女性奴隷として拘束し、その中の一部を中世を思わせる市場で売っていた。この非人道的虐殺の残酷ぶりから逃げた一部のエズィーディーのグループは、トルコへ避難していた。更に、トルコへ避難した一部のエズィーディーのグループは、以前トルコを去った古いエズィーディーの村へ定住した。

■ヤズィーディーの代わりにエズィーディ

イラクでのクルド人の間でエズィーディーと呼ばれる共同体の中では、トルコ語、アラビア語、英語でヤズィーディーという表現が使われている。用語上では、 エズィーディーという単語はアズダ/アッラーがつくった人間という意味である。クルド語で、アッラーの別名はイェズダンである。一部の歴史家によると、イェズィーディーという単語は、ゾロアスター教における「イェザタ」という単語から来ている。しかし、大統領府の公式プログラムではヤズィーディーの代わりにエズィディーという表現が使われているのが注目された。

■デミルオレンが大統領府で

エルドアン大統領は、16時45分にはトルコサッカー協会会長のユルドゥルム・デミルオレン氏と、トルコクラブ財団のギョクセル・ギュムシュダー一行ととも会うことになっている。これも、大統領宮殿で行われる。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:矢加部真怜 )
( 記事ID:35865 )