160万人シリア人難民は、トルコに居つくのか?
2014年11月06日付 Milliyet 紙

ヌマン・クルトゥルムシュ副首相はトルコに約160万人のシリア人がいることを明らかにし、次のように述べた。
「何か月後には出国するだろうとみられていたが、このままトルコに留まるように見受けられる。」


トルコ大国民会議の計画・予算委員会で首相府に属する諸組織の2015年度の予算の審議が続いている。
ヌマン・クルトゥルムシュ副首相はトルコ協力開発機構(TİKA)と在外トルコ人・家族コミュニティ庁の予算に関する質問に答え、「2012年度に、国際通貨基金(IMF)の財源増を話しあう会議で、トルコは500万ドルを提供することを約束した。これは1つの政府の約束であり、いつでも実現する準備がある」と述べた。

エルサレムのアクサー・モスクに重要な事件があったとするヌマン・クルトゥルムシュ副首相は47年ぶりに初めてアクサー・モスクにイスラエルの兵士が土足で入ったと述べた。
副首相はイスラエル軍が戦場へと変えたアクサー・モスクで27人が負傷させられたとし、「我々はこの攻撃を激しく非難する。このようなことが受け入れられることは不可能であることを力の限り叫びぶ」と述べた。

■ヤジード派住民とトルクメニスタン人たちに新たなキャンプの準備

人民の民主主義党のアディル・ゾーザヌ・ハッキャーリー県選出国会議員が、諸組織の名前に関して批判したのを受け、クルトゥルムシュ副首相は、「それはどうしようもないが、トルコの単一的、否定的、そして同化政策に基づいた政治の考え方、つまり古いトルコの、古い考え方を我々は大部分放棄した。市民の多様性・豊かさをトルコの価値・豊かさであるとみる理解に向かって急速に進んでいる。しかしまだ進まなくてはならない距離がある。この意味において政府は、偏狭な国家観から寛大な国家観に向けて変わっていこうとしているのだと申し上げたい」とコメントした。

クルトゥルムシュ副首相はヤジード派住民に関する質問に関連してはというと、以下のように述べた。「ある種のイメージ作戦が、トルコの難民政策に対し行われようと試みられている。まずヤジード派住民のことに関連した話で『トルコはヤジード派の難民を受け入れずにスンナ派のアラブ人だけを助けるだろう』と言われていた。トルコに最初の段階で、3万6千人ほどの人、数でいえばそれほどのヤジード派住民を迎え入れた。いかなる混乱にも直面しなかった。

ヤジード派住民には、トルコの領地内に入国する前に災害対策局によって、彼の居住地で救助が行われた。現在は約1万8千人のヤジード派住民がトルコ国内にいるのである。このヤジード派住民も、またトルクメニン人たちに関しても、我々が新しい難民キャンプの準備中であることを申し上げたい。」

■シリア人は客人なのか?

クルトゥルムシュ副首相は「トルコに約160万人のシリア人同胞がいる。彼らは、あれやこれやの民族的出自を持ち、あれやこれやの宗派や宗教に属しているか、これらのうち、約107万3千人の体認証つきの登録を実施した。願わくば、今年の末までにこれらすべてを登録しようと努めている。この件も本当に重要な問題として我々の前にある」と話した。
クルトゥルムシュ副首相は「シリア人は客人なのか?」という質問に対してこのように答えた。「残念ながら最初の段階ではシリア難民問題に対して、やってきて数か月で出ていくだろうとみられていた。しかしながら三年半に及ぶこの内戦を経過し、トルコにとどまっていくようにみられている。現在、このシリア難民に関して、陸軍司令本部、国家諜報機構、保健省、国民教育省のから全員が出席したあるコーディネーター会議で、もはや彼らが残留していくものであり、彼らの問題は、長く続くものであるので、どう解決していくかということが議論されている。」



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:関根綾香 )
( 記事ID:35946 )