世界平和へ6言語で祈りートルコ訪問のローマ法王
2014年11月29日付 Milliyet 紙


ローマ法王は、旧市街の後、聖霊大聖堂で行われた儀式に参列した。儀式では世界平和の祈りが捧げられた。

フランシスコ法王は、イスタンブル訪問の中で、昨日29日は、ハルビエにある聖霊大聖堂で儀式に参列した。フランシスコ法王は、安全上の理由で裏口から教会へ入った。儀式に多くの人々が参列する中、フランシスコ法王が教会内へ足を踏み入れると、ざわめきと「ヴィヴァ・パパ」(ローマ法王万歳)の 合唱が起こり、法王は信徒達と挨拶を交わした。コンスタンティノープル総主教のヴァルソロメオス1世及びシリア正教会イスタンブル府主教のユスフ・チェティン氏、シリア・カトリック教会の指導者ユスフ・サー氏、アルメニア正教会のアラム・アテシャン総主教らも参列した。

■トルコ語で祈り

儀式ではトルコ語・イタリア語・フランス語・スペイン語・英語・アラビア語・ラテン語の部分が設けられた。トルコ語の部分では、「平和のために働いている方々、難民の方々のために。あらゆる国、あらゆるレベルで、実活動によって平和のために働いている方々、教育を振興している方々、そのような方々を共に活動し支援している方々、大きな危険から逃げざるを得なかった難民の方々が、安全な場所を見つけられますよう、また希望に満ちた未来のために、聖霊の賜物が彼らを祝福されますよう、お祈りいたします」と述べられた。
コンスタンティノープル総主教のヴァルソロメオス1世は、大聖堂での儀式の前にヒルトンホテルにある報道本部で、新聞記者達に短い会見を行った。ヴァルソロメオス1世は、少数民族財団のラキ・ヴィンガス代表とともに会場入りした。総主教は、トルコ語・英語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・ギ リシャ語の6言語で行われた会見で、「総主教庁として歴史的な日を迎えています。我々の総主教庁への訪問は光栄なことです。中東、そして全世界の平和を祈ります。ご清聴ありがとうございました」と話した。

■謝罪と感謝

フランシスコ法王は、アンカラを発つ際に自身を見送ったメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣へ、アンカラでかけただろう迷惑について謝罪した。
チャヴシュオール外務大臣は、イスタンブルへ向かうフランシスコ法王をエセンボア空港のレセプションルームで見送った。法王は、チャヴシュ オール外務大臣に対し、アンカラで受けた心からのもてなしへの感謝の意をあらわした。さらに法王は、アンカラでかけただろう迷惑について謝罪し、「この素晴らしい国にくることを心待ちにしていました」と述べた。チャヴシュオール外務大臣は、法王の訪問は大きな喜びであり名誉に感じていると法王へ感謝した。

■この事典(辞典?)はまさにふさわしい所に届いた

アンカラ大学のエルカン・イビシュ学長は、レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領が、フランシスコ法王へ、アンカラ大学神学部とドイツ人の学者達が共同で準備したイスラム教・キリスト教用語事典のトルコ語・ドイツ語版を贈呈したことを明らかにした。
イビシュ学長は、事典が二宗教間で「初の」ものであると述べ、「事典はこのようにキリスト教世界で到達できる最も高位な人物の手に届きました」と話した。 イビシュ学長は、この作品では、イスラム教の項を54人のトルコ人学者が、キリスト教の項を24人のドイツ人学者が担当したと述べた。

■イスタンブル訪問の様子

――聖霊大聖堂での儀式には、ごく少数の報道記者が参加した。警備員たちは、総主教庁によって招待された人々へ入場を許可した。一部の招待状は、ただ教会の入口で待機することだけを許可するものだった。

――教会での儀式の前には、トルコの様々な教会に属する一部の学生達が、法王と会う機会を得た。学生達には、出口で法王の写真とそれぞれに十字架がプレゼントされた。ある小学生は、集合写真を撮った後、セキュリティを越えて法王と「自撮り」することができたと説明した。

――安全上の理由から、周囲を囲まれたノートルダム・ド・シオン・フランス高校の歩道を通ることが禁止された。この状況に反発を示す市民も見られた。ダウン症のある市民が、反対側の歩道を通るようにと、しばらくの間、警察官達による説得を受けた。

――聖霊大聖堂の向かいに位置するヒルトンホテルに設営された報道本部は、一日中、トルコ及び国外からの新聞記者達をもてなした。そこでは報道関係者らに、法王のトルコ訪問を受けて準備された、英語とギリシャ語で印刷された「本」が配布された。本の結論部では、法王のイスタンブル訪問が、カトリックと正教会間の繋がりを強めるだろうことが強調され、「双方の精神的な指導者が会うということは、キリスト教徒達の間にある共通の愛・理解・望みといった観点から、疑いに満ちた現在のポストモダン世界にとって特別重要である」との記載がなされていた。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:粕川葵 )
( 記事ID:36032 )