「合理的な疑い」に基づきザマン紙等に強制捜査
2014年12月14日付 Milliyet 紙


フアト・アヴィニというツイッターアカウントユーザーのツイートが伝えた教団への捜査が昨日の朝実際に行われた。イスタンブル共和国検察が「国家主権を奪取するための組織化」という罪状で31人に出した逮捕状と捜索令状を受けて、ザマン紙代表取締役エクレム・ドゥマンルが生放送で、サマンヨルTVグループ会長ヒダイェト・カラジャ、元警察官僚、サマンヨルTVで放送されている『唯一のトルコ』と『シロハヤブサ』という名のドラマの制作者と脚本スタッフ含む12人が逮捕された。

■新聞社の前で抗議

イスタンブルを筆頭に13の県で31人に対する逮捕の決定を受けて、警察は昨日の早朝ザマン紙とサマンヨルTVへと向かった。警察は、新聞社、テレビ局の前で捜査に対して抗議をするために集まった何百人もの人と対峙した。ドゥマンル氏の逮捕を望んだ警察は、書類の不備により逮捕せずに新聞社から離れた。同時にウスキュダルにあるサマンヨルTVの社屋では、サマンヨルTVグループの会長ヒダイェト・カラジャは、社屋の前で会見を行った後に逮捕された。カラジャ会長は、 健康診断を受けてから警察に移送された。前ハッキャリ県警部長トゥファン・エルギュデルは、ベイリキドゥズ・ヤクプルにある家で逮捕された一方、前シイルト県警察部長ムトゥル・エキズオールはというと、弁護士と共に警察署に出頭した。前イスタンブル治安対策部長エルタン・ルチュクトゥとサマンヨルTVで放送されている「唯一のトルコ」という名前のドラマの脚本家と製作スタッフも逮捕された。

■グーグルで調べた

サマンヨルTVで放送されている「唯一のトルコ」というドラマの脚本家マクブレ・チャム・アレムダーはヴァンで、「シロハヤブサ」という名のドラマの制作者サーリフ・アサンとディレクターのエンギン・コチもエスキシェヒルの自宅で朝逮捕された。3人は、イスタンブルに移送された。ディレクターのコチの弁護士トゥルガイ・バラバンは、依頼人が「武装テロ組織のメンバー」という容疑で逮捕されたと述べた。逮捕状にある「過激派タフシイェ」という名のグループを自分も依頼人であるコチも初めて聞いたと述べた弁護士のバラバンは、次のように述べた。

「私たちは、トルコ史上おそらく初めて、撮影したドラマが原因でディレクターが逮捕されるのを見た。「タフシイェ」という集団の名を初めて聞いた。依頼人もこの言葉が何であるかを知らなかった。私に質問した。私もその時グーグルで見て、「タフシイェ」というグループがなんであるかを知った。」

制作者サーリフ・アサンの妻シャンギュル・アサンも警察が朝のエザーン中に来たと述べて、「警察のみなさんは、幸いにもとても行儀よくふるまった。 彼らは6時に来て6時50分に家から出た。夫は祈りを捧げ、かばんは昨夜から準備していた。インターネットのツィッターですでに見ていた、夫の名前がリストにあるのを。名前も間違って書かれていた。夫は気を利かせて、「一文字の間違えを見逃さない。これはきっとチャンスだ」と言った。私たちは、もともと準備して待っていた」と述べた。

この捜査においてエルズルム県警部長の地位にある警視、バトマン県警の警務部長の地位にある警視A.C、エラズー県在職中の警視、トゥンジェリの警察官、マルディンから1人、シルナックで勤務中の2人、カフラマンマラシでは休暇をとって任地イスタンブルから来ていた警察官Ç.Öも逮捕される中、逮捕状が出された警察官M.Kは行方不明である。さらに、首都アンカラでも逮捕状が出された警察官が行方不明のため捜索が始まっている。

■32番目の容疑者はギュレンか

情報によると、ギュレン教団のリーダーであるフェトゥフッラー・ギュレンも捜査容疑者の一人である。しかし、検察が明らかにした逮捕者リストにギュレンの名前はなかった。この理由はというと、アメリカのペンシルバニア州で生活しているためギュレンの逮捕状と捜索令状を出さなかったとのことである。

検察から得た情報によると、この先の捜査で、ギュレンについても収集した証拠が法務省に提出され、インターポールから国際逮捕手配書の発行を要請する予定である。

■3人は釈放された

捜査を行っている共和国検事ハサン・ユルマズによって供述を聴取された容疑者のうちサマンヨルTVで放送されている「唯一のトルコ」というドラマの製作スタッフエリフ・ユルマズ、エブル・シェンヴァルダル、ナジ・チェリッキ・ベルクソイは釈放された。

■罪状
タフシイェ犯罪集団に対するプロパガンダ

イスタンブル共和国主席検事ハディ・サリフオールは、逮捕状がタフシイェという名の犯罪集団に対する捜査をもとに要求したと述べた。サリフオール主席検事は会見で、「一部の報道機関と一部の警察官が証拠をねつ造して、タフシイェという名の犯罪組織について捜査を行ったことを突き止めた」と述べた。逮捕状が出された31人が、「武装テロ集団を組織し、運営しているメンバーであること」、「組織ぐるみの偽造と中傷」という罪状をもとに告発されたとした。

捜査は、主席検察官が会見でもふれたように、2009年-2010年に行われたタフシイェに向けての捜査が根幹をなしている。検察筋は、ドゥマンルとカラジャ 両名が、「メディアを通じてひどいプロパガンダを実施した」と主張している。「国家組織の二重構造」に関する捜査が始まると、タフシイェ作戦において逮捕された何人かが告発をおこなった。検察へ原告として申請した人物たちは、「警察と一部メディアが、彼らへの陰謀を企てた」と訴えた。この訴えを受けて、昨日逮捕状が出された。容疑者たちが「タフシイェ」に向けた捜索で「罪状と証拠をねつ造した」とされた。

捜査は、ウール・クルト殴打事件を担当した検事ハサン・ユルマズが行う。

■国家主権の奪取

イスタンブル第3初等刑事裁判所裁判官イスラム・チチェキが出した逮捕状では、主席検察局が容疑者について、「トルコ共和国の国家主権を奪取する目的で圧力、威嚇、脅迫という方法を使い、組織を形成し、その組織の下で誹謗中傷、個人の自由の剥奪、文書偽造をおこなった罪状」で捜査を進めているとした。逮捕状では、進行中の捜査では刑法第116条に基づき容疑者について合理的な疑いが存在していることを強調している。

■2日前に承認

大統領レジェプ・タイイプ・エルドアンは、世間でいわゆる「司法法案」として知られている第6527号「裁判官と検事法および一部法律と条項の法令修正に関する法案」を12月12日に承認して、法律はすぐに官報の重複号で公布され、施行された。新しい法律では批判の的となっている「合理的な疑い」もある。

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:36202 )