ザマン紙強制捜査にヨーロッパから批判の嵐
2014年12月16日付 Zaman 紙


ヨーロッパで民主主義に対する捜査への反応が高まっている。EUと欧州議会(AP)から次々に警告が来ている。欧州委員会近隣政策・拡大交渉委員のヨハネス・ハーン氏は、事態を「非合法」であるとした。欧州議会緑グループの代表のハームス氏は、「エルドアンは贈収賄の嫌疑をもみ消すために新聞 記者を投獄している」と述べた。

トルコ民主主義の黒歴史となった報道制圧作戦へのヨーロッパから多くの反発が起きている。ザマン紙主筆のエクレム・ドゥマンルとサマンヨルTV グループ会長ヒダイェト・カラジャの逮捕直後にEUと欧州議会から続けざまにやってきた反応へ昨日新たなものが加わった。言論と報道の自由を侵害することへの批判の厳しさが増す中で、EU加盟国のイギリス、フランス、オーストリアもそれぞれアンカラに警告を発した。EUは約24時間以内に三回、逮捕を受けての不安を表明した。定例記者会見で昨日の新聞記者の逮捕に関する多くの質問に答えたEUのマヤ・コチアンチッチ報道官は、欧州委員会副委員長フェデリカ・モゲリーニと、欧州委員会近隣政策・拡大交渉委員ヨハネス・ハーン氏による前日の共同発表を引き合いに出しながら、メディアに対する弾圧はヨーロッパの価値観と矛盾すると述べた。コチアンチッチ報道官は、三人の委員が先週トルコにいたことを強調して、滞在の際にトルコ人関係者がブリュッセルにした約束を守ることを求めた。

新聞記者たちの議論が引き伸ばされることの可能性につていの問いに対してコチアンチッチ報道官はトルコの問題は今日開かれる予定の外相会談で取り上げられ、問題が議論されるだろうと述べた。外交筋の情報は、今日の会合結果の報告において、エクレム・ドゥマンとヒダイェト・カラジャも含まれるメディア関係者の逮捕についても言及される可能性があるとしている。

昨日届いた反応は以下の通りである。

欧州委員会拡大交渉委員ヨハネス・ハーン氏:欧州委員会近隣政策・拡大交渉委員のヨハネス・ハーン氏は昨日ブリュッセルでの外相会談の前に行った会見で、「希望的観測はできない事態だ。これは非合法的だ」と話した。オーストリア出身の委員は、政治家たちはメディアが彼らについて書いたものと常に同じ考えであるとは限らないと話し、「しかしながらこのことは民主主義の範囲で認めなければならない」というメッセージを伝えた。またトルコ人関係者との電話会談を実現するつもりであるとして「ヨーロッパの不安をまず表明する」と述べた。

■エルドアンは、贈収賄疑惑を終わらせるために新聞記者を投獄している。

欧州議会(AP)緑グループ共同代表レベッカ・ハームス氏:エルドアン大統領を厳しい言葉で批判した緑グループ共同代表のレベッカ・ハームス氏は、贈収賄疑惑の報道をした新聞記者たちが起訴されていると指摘し、「エルドアンは贈収賄の嫌疑をもみ消すために新聞記者に対して捜査を行い投獄している」と話した。一連の逮捕は言論の自由への新たな攻撃であると表現した。

欧州議会副議長ルナセク氏:欧州議会副議長のウルリケ・ルナセク氏は、反体制派の新聞記者の収監は民主主義にとって「非常に醜い」ことであるとした。オーストリア出身の緑グループのメンバーであるルナセク氏は、ドゥマンルとカラジャと刑務所にいる全ての新聞記者はすぐに解放されなければならないと話した。

欧州評議会:欧州評議会人権委員のニルス・ムイズニクス氏は、新聞記者たちを標的にした警察捜査を終わらせるための最後の呼びかけを行った。ムイズニクス氏は行った書面による発表で、「トルコでの事態の進展を大きな不安をもって追っています。新聞記者とメディアで働く人々が拘束されたことは国における報道の自由の観点から深刻な後退です。拘束の理由に関わりなく、この種の措置は民主主義において度を越した不必要なものです」という表現を用いた。

欧州評議会議員会議(AKPM)議長アンヌ・ブラッスール氏:報道の自由は民主主義の基盤の要素の一つであると強調する欧州評議会議員会議議長アンヌ・ブ ラッスール氏は、この問題に「深刻な不安を感じている」と話した。メディアに対する弾圧と逮捕は受け入れることができないものであるとして、「トルコ人関係者に報道の自由を尊重することにおいてヨーロッパの基準で振る舞うように呼びかけます」という表現を用いた。

欧州評議会社会民主進歩同盟グループ代表ピッテッラ氏:欧州評議会の二番目の規模のグループである社会民主進歩同盟グループ代表のジャンニ・ピッテッラ氏は、逮捕を批判しつつ、「ヨーロッパ共同体の一部となることを望んでいる民主的な近代国家がザマンとサマンヨルで働く人々を集団的に拘束したことは受け入れがたい ことだ。エルドアン大統領は、明らかにヨーロッパの法の優位と基本的人権の原則を侵害している」と批判した。最近増している独裁主義的な傾向はヨーロッパの価値に適応しないものであり政権によるトルコのEU加盟に反対する人たちへの力強い支援となったことを強調した。

■欧州安全保障協力機構(AGİT):新聞記者を解放せよ

欧州安全保障協力機構(AGİT)のメディアの自由代表ドゥニヤ・ミヤトヴィチ氏は、メヴリュト・チャヴシュオール外相に手紙を書き逮捕された新聞記者が一刻も早く解放されることを希望した。手紙を昨日行った書面による発表とともに紹介したミヤトヴィチ氏は、「一連の逮捕はトルコで新聞記者たちが収監される余地を許す法律を改正する必要があることを明らかにするものだ。法律は社会の反体制的な思想を規制するために用いられてはならない」という警告を発した。EU-トルコ加盟議会のメンバーであるユーグ・バイェット氏も「エルドアン大統領が進む道は、道とはいえない」と話した。

■イギリスとフランスは、アンカラへEUの基準を引き合いに出した

イギリスはトルコで新聞記者が拘束されたことに関する進展を注意深く見守っていることを明らかにした。イギリス外務省からジハン通信に対して行われたコメントで表現と報道の自由は、「民主主義の最も根底にある原則」であることが強調された。フランス外務省のナダル報道官も欧州委員会副委員長フェデリカ・モゲリーニ氏と欧州委員会近隣政策・拡大交渉委員のヨハネス・ハーン氏の「捜査はヨーロッパの価値に反する」ものであると強調した共同の書面発表を引き合いに出した。EUが報道の自由へ敬意を払う方向で呼びかけを行ったことを指摘した。

■オーストリア:トルコは、ヨーロッパの価値の外に位置している

ブリュッセルで昨日行われた外相会談の前に話したオーストリア外相のセバスチャン・クルツ氏は、新聞記者が拘束されたことを厳しい形で批判しながら、「私の考えではこの行われたことはトルコの表現と報道の自由に対するあり得ない攻撃です。」と述べた。EUの人々は傍観者としてとどまらないとしたクルツ氏は、「トルコはこの捜査で明らかにヨーロッパの価値の外に位置している」という形で話した。事態に関してはっきりとした表現が用いられることと必要な圧力がかけられなければならないとしたオーストリアの大臣は、「トルコが結果として間違いであったこの道を突き進むことを未然に防がなければならない」と述べた。

■ドイツ政府「民主主義の原則を遵守」の警告

自由な報道を抑圧する捜査へEUの推進力であるドイツからも反応が来た。ドイツ政府報道官ステファン・ザイベルト氏は昨日の記者会見で問題に関する質問に答えてトルコは「民主主義の基本的な原則を遵守」することが必要であると話した。ザインベルトは、「トルコ人警官が新聞記者とメディア関係者を標的としたことは以前表明した姿勢、表現と報道の自由の原則といったいどう合致するのかドイツ連邦政府の観点では不可解なものだ。我々の考えではEU加盟プロセスのバックグランドの観点からだけではなく、全ての民主主義の原則を遵守するという道でのあらゆる疑いを取り除くことはトルコ自身の国益につながる」と述べた。

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( 翻訳者:堀谷加佳留 )
( 記事ID:36220 )