Oral Calislar コラム:ギュレン教団捜査の意味と結果・・・
2014年12月17日付 Radikal 紙

結局、我々はここからの突破口を見出すことが出来るだろう。現在、有権者や市民がその一役を担っている。昔と比べ一層安定した議会制度がある。これらが存在していなければ、ジェマート(教団)は、共同戦線にある別のアクターらの支援を受け、トルコに更に危害を加える事が出来たであろう。

ジェマートを対象とした捜査作戦が始まって以来、CHP(共和人民党)は好戦的態度に出ており、MHP(民族主義者行動党)はやや少し穏健路線を取りつつ、大統領選挙同様に「戦線に」加わっている。昨年12月17-25日の戦線の形成が、12月14日にそのまま繰り返されている。西欧メディア は、ここ数日、この「ブロック」側に賛同的な映像を流している。

12月17日-25日に、同「ブロック」は、重要な主導権を手に入れた。「エルドアンの無力化」及び「公正発展党打倒」への期待が高まった。2014年3月30日の地方選は、こういった意味で、「期待の選挙」であった。望んだ結果は得られなかったが。

2014年を通して過去にジェマートと対立する立場にあり、さらに同ブロックを「F(フェトフッラー)型組織化」と言いつつあたかも悪者扱いした層に変化が起きた。「敵の敵は味方」の原則が、「共同戦線」を結ばせた。

政府は、2014年3月30日の地方選以来、「主導権の優位性」を着実に高めている。但し、「野党」戦線にも少なからず力はある。

■ ジェマートの共同戦線への参加

ジェマートが打撃を受けたにも関わらず、トルコ国内で未だ大きな勢力を持っている事は明白である。12月17日に、ジェマートは「諜報における優位性」と「行動力」を備えていることを如実に示した。今回も、12月14日の捜査作戦について相当以前から情報入手出来る関係ネットワークを以て、その力を再度証明した。司法内部で(高裁を含む)、官僚機構内部で、未だ重要ポストに対して命令可能である事も真実である。

■ 共同戦線のデメリット

ジェマートが、野党戦線のアクターと化することによって野党共同戦線は勢力を伸ばすだろうか?この問い対し明確に「はい」とは答えられない。まず以下の事を念頭に置いておけばよい:
ジェマートは、野党に対し過去にかなり大きな打撃を与えている。CHP/MHP執行部らのカセットテープが如何にして流され、これら政党が如何なる意図で設立されたのかを念頭に置いておくべきだ。

以下の事も強調しておくとよいだろう:クルド政治運動は、あらゆる周囲からの圧力にも関わらず、「戦線の形成」の外部に留まり続けている。ジェマート及びMHPのクルド問題に関する姿勢を考察すれば、クルド政治運動が取る慎重路線がより容易に理解できる。

以下の事が真実である:もし世界及びトルコが異なった時代にあり、異なった諸条件の下にあったとすれば、公正発展党政権は、この「ダイナミズム」を通じて、機能不全に陥っていた可能性もあった。過去に、これよりも影響力が乏しいと捉えられる諸野党を以て政権が交代し、打倒されている。

■ 別のトルコ

現在、我々は別のトルコに、別の世界にいる。未だ、「旧トルコ」の手法が闘争に指針を与え得るにも関わらず、その結果が昔とは異なる展開を我々は目の当たりにしている。

衝突及び権力闘争は、過去同様に、「打倒」と「根絶」を基本に据え継続している。しかし、今回は、昔とは異なり議会制が大幅に修復可能となっている。様々な欠点や損害にも関わらず、存続可能となっている。

これほどの「反民主主義的な」手法が用いられ得る紆余曲折のある時代に、最終決定権が有権者の手にある事は、我々が持つ最も重要な保険である。

但し、「反対勢力を黙らせること」を基本とする伝統的な原理から我々は解放されてもいない。
野党戦線も、与党戦線も「力を軸とした」衝突を基本としている。これらは負の側面である。

■ 突破口

結局、我々はここからの突破口を見出す事が出来るだろう。

現在、有権者や市民がその一役を担っている。昔と比べ一層安定した議会制度がある。これらが存在していなければ、ジェマートは、共同戦線にある別のアクターらの支援を受け、トルコに更に危害を加える事が出来たであろう。

政府が反民主主義的な手法を闘争手法として利用し続けるのであれば、国民の審判がそれを断罪する可能性がある。

解決策:皆が民主主義の基本たる国民の選択及び自由を尊重する。ジェマートはこの点で多くの過ちを犯した。これに代価が伴う事は明白である…。

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( 翻訳者:藤井庸平 )
( 記事ID:36226 )