アンタリヤ市、シリア人1500人に退去命令
2014年12月23日付 Radikal 紙


アンタリヤのシリア人1500名に対し、市内からの退去命令が出された。アンタリヤ県のムアンメル・チュルケル知事は、同市がシリア人の一大参集地となっている状況を変えたいと話し、「原則的に、シリア人をアンタリヤに定住させない方向で考えている」と話した。

辞令で二カ月前に国家安全保障会議事務局長からアンタリヤ県知事に異動したばかりのムアンメル・チュルケル氏は、ウイグラマ・ホテルで開いた朝食会で、記者と相会した。チュルケル知事は質問に対し、アンタリヤには約1万のシリア人が滞在中と述べた。知事は、シリア人の市外退去命令が出される件について次のように話した。

「この街から離れるよう行政命令が出されます。生産現場の市民からも数多くの声が寄せられています、彼らは安い賃金で真面目に一生懸命働いている、と。我々は正直なところ、人々の反感を買うような、かつトルコ全体のマクロ的政策やシリア移民政策に半旗を翻すような対策を講じることはしたくないのです。定住して、仕事をするということなら。つまり物乞いのような、様々な治安と関わるような揉め事を、もう起こしてほしくないのです。我々は出来る限り、彼らとの共存する方法を模索してきました、しかし(今後は)原則として、シリア人をアンタリヤに定住させない方向で考えています。これは、アンタリヤの土地柄ゆえ、アンタリヤだけが持ち得る特権なのです。」

■シリア人人口は不明

チュルケル知事は、県全体でシリア人人口がどれくらいなのか誰にも分からないと話し、「しかしシリア人の数はほぼ1万に近いと言えます。我々は退去命令を通じ、はっきり言えばほんのわずかながらも、アンタリヤのシリア人の潜在的人数や経済状況、どの職についているかなどを調査ができると考えています。警察や軍警察の過去の調査によって公的に住民登録されたシリア人1500名に対し、退去命令が出されました。実際にはもっと多いことは分かっています」と説明した。

また知事は、前職の経験から、アンタリヤ在住のシリア人の大多数が農業・建設業の分野で働いていることが分かっていると話した。また、シリア人が住民登録せずに働かされている事がトルコ全域で問題となっているとして、社会保障や教育に関連して全国で一時的な対応がなされていると述べた。

農業・建設業でシリア人が最低賃金で雇用されているとした知事に、記者が行政命令で「アンタリヤを出て行けという意味か」と質問にしたのに対し、知事は「ええ、その通り」と答えた。

■難民キャンプへ

アンタリヤからの退去希望するシリア人がどこへ行けるのかについては、「例えば難民キャンプがあります。難民キャンプへ向かう人もいます。難民キャンプが合わない場合は、アンタリヤに来たように、他の街へ自分たちの意思で向かってよいのです。キャンプの中には、特に最近の事件の後、 収容能力が限界になりつつある所もあります。ですから、最早難民キャンプ行きも強制出来ません。災害緊急時対策庁が運営する難民キャンプも、すでに明らかな限界を迎えています。しかしトルコのあらゆる場所に彼らが滞在し、保護を受け、住民登録を求めることに障害はありません」と話した。

知事は、アンタリヤの求人数の多さや気候が理由で、現在シリア人の一大参集地となっているとし、「我々は、危機が起きる前に、問題が生じる前に、この課題を解決すべく参集の解消に取り組みます。原則的に来訪者は制限され、滞在者は送り出されます。これが原則ですが、この寒空の中を送り出すのは簡単ではないので、少しは我慢が必要だと思っています。おそらく政府も政策を転換するでしょうが、今のところ我々の対応はこういった感じになります」と語っ た。

知事は、[シリア国境の]人口9万人の町キリスに至っては現在9万を超えるシリア人がいると話し、「このように一時的に、シリア人が働き、教育や医療のサービスを受け、インフラを利用し、場所によっては起業して従業員を雇って働かせられるようにするための整備を、一時的措置として進めています」と話した。

また、トルコがこの問題を「一時的問題」として扱っているとし、「つまりシリアの危機が終わった時、彼らが祖国に帰るのかこの国に留まるのかという問いがあるが、トルコ全体のシステムに従うものとして、現在暫定的措置をおこなっている」との考えを述べた。

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( 翻訳者:池永大駿 )
( 記事ID:36316 )