クリスマスの聖書配布へ警察、介入―アンタリヤ
2014年12月24日付 Milliyet 紙


観光都市アンタルヤ市の城内のハドリアヌス門の前で、聖書教会がクリスマス期間に人々に無料でトルコ語の聖書を配布しようとすると、これに警官が介入した。教会の関係者は、県知事府に「イスラム教徒の近くでカタツムリが売られているが、これをどうして許すのだ?」という苦情があり、このため聖書の配布が行われたスタンドが撤去されたと語った。

アンタリヤの歴史地区のカレイチ(城内)で活動するアンタリヤ聖書教会とアンタリヤ聖書教会協会は、去年までも行っていたように今年もクリスマス祭の一環としてイエスの誕生日を祝うためハドリアヌス門の前で一連の活動を行った。アンタリヤ県知事府から一連のクリスマス活動のために許可を得たという教会と協会は、歴史的なハドリアヌス門の前で、今日、スタンドを設置し、そしてトルコ語新約聖書を配布し始めた。協会の合唱団もクリスマス賛歌を歌い始めた。

■多くの不平が出される

しかし、アンタリヤ聖書教会とアンタリヤ聖書教会協会は許可は得ていたが、その際に催しもののなかにスタンドの設置とトルコ語聖書の配布を書き込んでいなかった。このため、県知事府に多くの苦情が届いた。これを受け、県知事府の決定として警官がスタンドの運営に介入した。警察は、協会関係者にスタンドの撤去とトルコ語新約聖書の配布の中止を求めた。これをうけ、教会関係者によりスタンドは撤去され、その上にある聖書を片付けられた。

■県知事府から許可を得た

12/24~1/8の間がキリスト教の世界でとても重要な期間であると述べるアンタリヤ聖書教会のラマザン・アルカン司祭は、行事の目的は、救世主イエスの誕生を祝うことだと述べた。アルカンは、このクリスマス期間にアンタリヤで生活しているキリスト教徒に届けるために、また、アンタリヤでこの信仰に興味をもっている人々にキリスト教がどのようなものであるかをきちんと示すために、県知事府と郡知事府から許可を得てこのような活動を実現させたと説明した。

■無料のトルコ語新約聖書

この活動で教会合唱団がクリスマスの讃美歌を歌ったと述べるアルカンは、スダンドの撤去に関して次のように述べた。

「讃美歌の詠唱だけでなく、同時に我々はスタンドを設置し、人々に無料で新約聖書を配っていました。だいたい12時半に店開きをしました。2時間半、活動し、多くの人々が関心を示しました。約400~500人に新約聖書を配りました。なぜこれを行いたかったか?なぜならトルコでは不運なことにキリスト教徒について間違った解釈があるからです。我々も人々に正しくキリスト教を教えるために無料でトルコ語新約聖書を配りたかったのです。もちろんこの我々の活動はうまくいっていたのに、警察関係者が、県知事府から指示が来たといって、スダンドが撤去されました。」

■ 知事府へ苦情殺到

スタンド撤去の理由として、人々から激しい反発が起きていると通知されたというアルカンは、「つまり、ムスリムの地区で、かたつむりを売るのをなんで許可するのか、というような話なんです。このため、警察は我々のスタンドを撤去していった。今は、音楽をかけているだけです。この音楽という手段で、人々に(我々の思いを)伝えようとしています。もちろん、この事件は、とくに、こんなクリスマスの時期に起こったことなので、とても悲しく思っています。なぜなら、我々はアンタリアで暮らしているのです。ご存じのように、アンタリアは観光の中心地です。つまり、国内外からの多くの観光客がやってきます。ここにくる観光客の多くは、キリスト教世界からやってきます。その一方で、民主主義国家だといっているのです。民主国家で、とくにこのような観光の中心都市で、残念ながら、このようなことが起こるのは、本当はそんなに民主主義ではないことを示しているようなものです」と述べた。

一方、アンタリア聖書教会のコーラス隊が、クリスマスとイエス誕生に関係する讃美歌を歌う様子は、国内外の観光客の注目を集めていた。

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( 翻訳者:関根綾香 )
( 記事ID:36326 )