麻薬蔓延のおそるべき現実―警察2014年麻薬報告書
2014年12月27日付 Hurriyet 紙


トルコの麻薬報告書では、麻薬の使用や依存が2014年に17%上昇したことが明らかになり注目されている。最近話題となっている合成カンナビノイド(通称「ボンザイ」)の使用は38%上昇した。報告書では、2014年に648人が直接あるいは間接的に麻薬が原因で命を落としたとされており、また、もう一つの恐るべき現実として、13歳の子どもが麻薬により死亡したと報告している。

■依存度上昇

警察総局が作成した「2014年トルコ麻薬報告書」は、麻薬使用の統計データを示すとともに、麻薬使用・依存が恐るべき割合に上っていると報告した。「ボンザイ」と呼ばれる合成麻薬を始めとして、麻薬依存度や、麻薬使用やそれに関連する死亡が増加していることを受け、「麻薬行動計画」が開始された。しかし、6省庁の参加を得て施行が開始されたこの麻薬行動計画も、麻薬に先手を打つことはできなかった。警察局内に設置された 「NARKOTİM 」のメンバーらにより多くの作戦が展開された。報告書では、話題から消え去ることのない「ボンザイ」の使用が38%増加したことを指摘している。また、麻薬の使用も17%増加したことも示されている。覚せい剤の販売人達は、依存度を高める合成カンナビノイドとして知られる「ボンザイ」の主成分は、米国・ 中国から違法なルートを通じてトルコへ流入しており、セージ茶やダミアナ茶などの植物の葉に紛れ込ませて市場に流入していることを明らかにしている。特に若者の依存度を上昇させるべく市場に流れている「ボンザイ」の原材料の大部分が違法に人体に悪影響を与える方法で生産されていることにも注目される。

■648人が死亡

法医学協会から得られた死因情報も掲載された報告書では、2014年、トルコで232名(うち女性7名)が直接的に、416名 (うち女性12名)が間接的に、計648名が麻薬で命を落としたと記されている。これらの麻薬が間接的に関係して亡くなった416件の死因は、転落死、溺死、感電死、消化管出血、心血管疾患、感染性肝炎、脳出血、焼死、癌、殺人、扼死などとなった。2013年、トルコの麻薬報告書では、合計死亡者数は162名と報告されている。もう一つ同報告書で注目すべきは、麻薬使用者らのきっかけである。麻薬に手を染めるきっかけの筆頭としては、48.98%を占めるのは、友人らの影響である。一方で、興味本位で使用を開始する人の割合も23.71%あったことが明らかとなった。また麻薬使用者のうち69.74%の学歴は小学校卒業だった。麻薬使用者らの66.49%には未婚あるいは、独身者が占めていた。

■13歳が死亡

報告書には、麻薬による直接的な影響で死亡した人達を年代別にグループ分けしたデータもある。このデータによれば、13歳が麻薬使用により命を落 としたという記録があり、死亡者のうち26名は15〜19歳、54名は25〜29歳、25名は30〜34歳、27名は35〜39歳、26名は40〜44 歳、8名は45〜49歳、6名は50〜54歳、5名は55〜59歳、3名は60〜64歳、2名は65歳以上、5名は年齢不詳だったことが明らかになった。

■イスタンブルが一位

死亡者の年代平均は、若者の死亡が増加した結果、前年の35歳から2014年は31歳へと低年齢化した。薬物による死亡は26県で発生した。最も多くの死亡者を出したのはイスタンブル(49.6%)で、これにアンタリヤ県(10.8%)、アダナ県(7.3%)、アンカラ県(5.6%)が続いている。

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:36367 )