極寒ハッキャーリで貧困のドラマ―4人兄弟が一緒に学校に来れない理由
2015年01月10日付 Milliyet 紙


「子供たちの靴とコートがない。だから同じ日に学校に行くことが出来ない。」

ハッキャーリ県ユクセコヴァ郡で同じ学校に通う4人兄弟の、心を揺さぶるドラマが、兄弟の通う学校の校長と教員らによって明らかになった。兄弟が4人揃って学校に来ないことに気が付き原因を調べた教師らは、38歳の母親、アミナ・セヴギさんから事の真相を知った。

アミナさんが、「子供たちの靴とコートがないのです。なので同じ日に学校に行くことが出来ないのです」と話したため、校長と教員らは、自腹で4人兄弟に冬用のコートとブーツを購入した。

厳しい冬を迎えているユクセコヴァ郡から、5キロ程離れたヴェジルリ村の心揺さぶるドラマを、メフメトチキ小中学校の校長と教員らが明らかにした。

学校長と教職員らが、同じ学校に通うセヴギ家の4兄弟(1年生で7歳のケヴセル君、5年生で11歳のウミット君、7年生で13歳のヌルセル君、8年生で14歳のウベイト君)が同じ日に学校に来ていないこと、しばしば遅刻することに気が付いた。

アイドゥン・エヴィン校長が兄弟たちに理由を尋ねたが、返事は返ってこなかった。エヴィン校長は、担任とともにセヴギ兄弟の家を訪ね、家族と面会した。そしてエヴィン校長は、兄弟たちの靴がなかったために、彼らが順番に登校していたことを知ったのだった。これに対し教師らはブーツとコートを買い、問題解決に努めた。

■同じ靴を共有している

アミナさんは兄弟の中で、13歳(7年生)のヌルセル君と兄のウベイト君が靴を共有しなければならないため、同じ日に学校に行くことが出来ないと語った。
他2人の兄弟もまた同じ状況だと話したヌルセル君は、自分たちの状態に学校の教職員らが気付き、ブーツを買ってくれたと話した。彼はまた、「先生たちに本当に感謝しています。僕も勉強して、先生になって、苦労して学校に通っている子供たちを助けたいです」と述べた。

■母の花嫁道具を入れた箱が勉強机

8年生のウベイト君は、勉強がとても好きだと話した。勉強机がないため、母の花嫁道具が入っていた箱の上で勉強しているという。「大変な状況ではありますが、勉強しようと頑張っています。授業がない時も、いつも家に居ました。外に出る靴がないので、出られなかったんです」と語った。

■「子供たちの意志の強さがわたしを生かしている」

羊飼いをしながら家族を養っている父ズベイトさんは、4人の子供が学校に通っていること、また手に入るお金では食費しか賄うことが出来ないことを述べた。

ズベイトさんは、「子供たちに靴さえも買ってやれなくて、悲しい思いをしています。でも子供たちは、文句一つ言わずに学校に通っています。彼らの意志の強さがわたしを生かしてくれています。子供たちが、他の子たちのように勉強して社会に出ていってくれることが、わたしの唯一の望みです」と語った。

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( 翻訳者:木全朋恵 )
( 記事ID:36478 )