クルド原油増産決定、輸出ルートはトルコ
2015年01月20日付 Milliyet 紙


クウェートとサウジアラビアに続いて、クルド原油も増産されることがわかった。出荷は段階的に日産60万バレルに引き上げられ、その輸出の中心的役割を果たすのはトルコである。

バグダードとアルビル(両政府の)和解の後、クルド原油が世界に開かれたことでトルコの役割は拡大している。北イラクからトルコへおこなわれている45万バレルの原油の出荷は、徐々に60万バレルに引き上げられる。クルド原油の唯一の(輸出)ルートはジェイハン港となる。クルド原油の増産が下落した(原油)価格へいかに影響するかも市場から密接に監視される問題となるであろう。

トルコとイラクの間で、第17期合同経済委員会会議がバグダードで開催された。エネルギー天然資源大臣のタネル・ユルドゥズとイラクのイブラヒム・ジャファリ外務大臣が議長となって9年ぶりに実現した同会議では、イラクからトルコへ原油輸出を増加させることについて合意した。代表団はさらに二カ国間で新たな協力分野となる天然ガスのパイプラインの開発に向けて必要な技術的折衝を始めることについても合意した。

■徐々に増加させる

クルド原油では46隻目のタンカーが最近積載したが、クルド発の原油総量は3,700万バレルに達した。

北イラクからおこなわれている日産45万バレルの原油の出荷は、まずは55万バレルに、その後4月に60万バレルに引き上げることを計画している。入手した情報によれば、生産が徐々に増えているクルド原油のすべては世界市場にトルコを経由して到達するとみられている。クルド原油の輸出においては、キルクークの地位は完全にジェイハンに置き換えられるであろう。トルコはクルド原油における唯一の(輸出)ルートとなる。

エネルギー天然資源大臣タネル・ユルドゥズは、イラクのアブドュルメフディ石油大臣とバグダードで行った会談の後に記者会見をおこない、重要な協定を結んだとした。ユルドゥズ大臣は、原油問題とともに電力問題に関しても共同作業する予定にあると強調し、「バスラの電力需要をみたすために、水上移動式発電所(の建設)をひとつ契約しています。現在、250メガワットの発電力があります。それにさらに410メガワット追加します」と 述べた。

■供給増加で価格下落の圧力が強くなる

原油価格が低迷しているこの時期に、クルドとバグダードの政府は原油輸出を継続的に増やすことを目指しているといわれている。新しいバグダードの政府とクルド政府はトルコを介する原油の出荷について合意した後、イラク全体での原油生産は記録的な水準に達し、輸出もそれに応じて増加させることが目指すという。

サウジアラビアとクウェートのような国々が石油を増産させた後、イラクの石油生産と輸出が記録的な水準に達したことは、原油価格の下落への直接的圧力となりえ、石油価格の下落によるロシアとイランの損失を拡大させたといわれている。クルド政府が、安価な石油価格が導く損失の影響を受けないため、以前に行政支出の資金調達に関して経験した困難を再び繰り返さないために、石油輸出をより増やす道に進みうることが明らかにされている。

イラクでヌーリー・アル=マーリキー政権の交代後、クルド石油についてバグダードとアルビルの和解が実現し、米国もゴーサインを出したことでヨーロッパはクルド石油と巡り合った。

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:36640 )