オジャランのマニフェストを試験問題にした教員へ支持の声
2015年01月24日付 Radikal 紙


アンカラ大学政治学部でアブドゥラー・オジャランのマニフェストを学生への試験問題にした教員バルシュ・ウンリュに知識人から支持の声があがった。

アブドゥラー・オジャランの1978年の『クルド革命の路 マニフェスト』を試験問題にしたため、ヴァフデト紙のターゲットとなったバルシュ・ウンリュを支持する「バルシュのための知識人による試み」は声明を発表し、「この種の抑圧や圧力は自由と民主主義に対する懸念を増していると繰り返す。我々はバルシュを支持し、バルシュを支援すると表明する」と述べた。

アンカラ大学政治学部でアブドゥラー・オジャランの1978年の『クルド革命の路 マニフェスト』が試験問題になった。

政治学部(SBF)、あるいは歴史的な名称でいえばミュルキエ(行政学院)は、トルコの政治における重要な人物たちを育てたが、一時期この学部で学んだアブドゥラー・オジャランが執筆し、PKK(クルディスタン労働者党:非合法)の党創設のマニフェストとしてしられる文章が政治学部で試験問題となった。

これに対してヴァフデト紙は「テロのプロパガンダが行われている」として報じた所、ソーシャルメディアでバルシュ・ウンリュに対して反発も含めたキャンペーンが始まった。ソーシャルメディアでウンリュに向けられた反発の中には、人種差別やヘイトスピーチを含むメッセージもあった。

50を越える大学で働く、その数150人にも達する「バルシュのための知識人による試み」がバルシュ・ウンリュの支持を表明した。

「バルシュのための知識人による試み」での表明は以下の通り。

■バルシュを支持する

トルコの大学と大学教員が人種差別やヘイトスピーチに満ちたニュースでターゲットとなる事件は日増しに増えている。

いかなる大学の知識人であれ、その思想、学究的研究、解釈、あるいは執筆物が理由で捜査されたりターゲットにされない日はない。

アンカラ大学政治学部の教員バルシュ・ウンリュが、最終試験の試験問題を理由に、保守-ナショナリストの立場に立つ複数の報道機関によりターゲットとされたことは、最新の例の一つである。

あらゆる差別主義者、人種差別者、ナショナリストが、ターゲットにし、大学を抑圧下に置き抑え黙らせようと試みるが、大学というものは、[ものごとを]批判でき思想の自由が支配する、世界基準の民主主義をもち学術研究を行う機関である主張し続ける。社会科学の基本的な目的は、-力[による脅迫]の有無を問わず-、あらゆる社会、共同体の基礎あるいは組織のダイナミズムを調査し理解することです。

従ってバルシュ・ウンリュをターゲットにすることは学問への攻撃であり、彼に向けられる差別主義者、ナショナリストのリンチキャンペーンは、本質的に大学の本質に対する攻撃であると見なされる。この攻撃は、教員の講義内容の選定、試験問題選択、講義教材を選ぶ自由と自治に向けられている。試験問題、講義内容、講義教材は、講義する教員が自分自身で決める自由と自律性を持っている。教員が自分で決めることができないとしたら、誰ももはや自由や民主主義のについて言及できない。トルコの民主主義は、残念ながら、こうした場面でさえも介入されうるような限界地点にきてしまった。

クルド問題を民主主義的・平和的な道で解決するためにPKKの指導者であるアブドゥッラー・オジャランと進めてきた対話は、一層の民主主義や自由の希望を育む一方で、学界と知識人たちがこのような形でオジャランを話題とする状況を通じてターゲットとされたことは、明らかに奇妙で受け入れることはできない。また、我々が強調したい点は、もしも解決プロセスが進んでいなければ、[今の状況はなく]トルコや世界中あらゆる場所で社会科学者がPKKの指導者であるオジャランと彼が執筆した物に対して学問研究する権利を持っている。類似のことは、スペインやイギリスの大学でバスク祖国と自由(ETA)やアイルランド共和軍(IRA)に関しても行われており、当たり前の事です。

「バルシュのための知識人」として、この種の圧力や抑圧といった挑戦が自由と民主主義に関する懸念を増していると繰り返す。我々はバルシュを支持し、バルシュの支援すると表明する。」
バルシュのための知識人

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:36686 )