シリア内トルコ飛び地スレイマンシャー廟へ、部隊移動
2015年02月22日付 Radikal 紙


11ヶ月前にイスラム国(IS)の管理下におかれたシリア内のトルコ領であるスレイマンシャー廟で任務中の兵士40名のため、トルコ軍は補給目的の軍事行動を行った。クルド系情報筋によれば、コバーニーでは多数の戦車や装甲車が国境を通過してスレイマンシャー廟に向かったという。

スレイマンシャー廟はシリア内のトルコ領であるという特徴をもち、長い間テロ組織ISISによって周辺を管理下におかれていた。トルコ軍は、昨日、スレイマンシャー廟にいる派遣兵40名への補給を目的とした軍事作戦を実行した。

ミッリイェト紙のナームク・ドゥルカン記者の報告によれば、部隊は夜間、陸路でコバーニーを通って国境を通過しスレンマンシャー廟へと向かった。日中、 国境で広範囲に保安警備にあたっていたトルコ空軍も、陸上作戦を展開する部隊に密接に追尾した。部隊は戦車や重器を伴ってコバーニーを通過したと言われている。公式発表では、今回の作戦は「補給」目的であると明らかにされているが、クルド系情報筋は、昨夜、作戦が開始されたことやトルコ軍が戦車を引き連れてコバーニーに来ているという情報を拡散していた。

朝までに完了することが予定されているこの作戦では、ここ暫く、ISとペシュメルゲ軍およびシリアのクルド系政党民主統一党(PYD)の武力衝突の中心地に取り残されたスレイマンシャー廟の兵士への補給と人員支援を目的としているとされる。

■地上作戦

政府や参謀本部は、同地域の状況を踏まえて判断し、スレイマンシャー廟の兵をトルコへ帰還させるかどうかを決定する可能性があると言われる。この状況で、 かの地に兵を駐留させるかどうかも状況に応じて決定されることも明らかになっている。また、コバーニー自治区のエンヴェル・ムスリム長官も軍事作戦開始時刻にアンカラにいたことがわかっている。

■軍事特別措置を適用

ISは約11ヶ月前にアサド勢力を退けてスレイマンシャー廟周囲を管理下に置いたとされる。そのスレイマンシャー廟に昨日、トルコ軍が地上作戦を仕掛けた。クルド系情報筋は、トルコ軍の特殊部隊が昨夜遅く、多数の戦車、重器、装甲車とともに国境を通過し、以前、イラク北部から訪れたペシュメルゲ軍が対IS闘争をおこなうためにトルコ側がつくった回廊を通じてコバーニーへに入った。コバーニーに到着したトルコの部隊と装甲車は、そこから直接スレイマンシャー廟へ向かうとの情報が広まっている。

■公式発表「補給目的」

公式関係者の情報では、部隊は地上から直接スレイマンシャー廟へ向かう予定であるとする中、この作戦は「補給目的」であるという。作戦前、国境付近で広範囲な保安警備が敷かれる中、多数の装甲車が国境地帯の部隊と合流した。また車両には多数の兵士も同行していた。国境付近では夜間より電波が遮断され、携帯電話も使用不能となった。地上作戦を展開するためトルコ軍がシリアに入る可能性があり、先に議会を通過した軍事特別措置を適用したとされている。

クルド系情報筋は、トルコは、スレイマンシャー廟に派遣中のボルドー・ベレー歩兵部隊20名以上、通常部隊20名以上、下士官を退避させ、現地に新たに別の部隊やボルドー・ベレー歩兵を配置することは考えていないという情報を広めている。これが事実であれば、長期にわたってISIS、ペシュメルゲ軍、PYDの戦闘の中心地に取り残され、補給すらままならないまま忍耐強く持ちこたえていた、在外公館を除く、トルコの唯一の飛び地であるスレンマンシャー廟を放棄することになる。

■判断は現地で

これに対し[トルコ側では]、軍事作戦は補給と人員強化のためであり、現地状況により、重器や装甲具で武装した歩兵が現地に残るか、あるいはスレイマンシャー廟から兵の退避をおこなうかが選択されると言われている。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:36986 )