IS(イスラム国)、作戦を変更か?
2015年02月25日付 Milliyet 紙

テロ組織「イスラム国(IS)」はイラク軍が行う可能性のある地上軍事行動に対し、掌握したモースルでの兵士の増強と防備の強化に取り組んでいる。

アメリカのバラク・オバマ大統領の、対IS有志国連合の調整を担当するジョン・アレン特使が今月2月に行った、イラク軍がISに対して近く地上軍事行動を始めるという会見を受け、ISはモースルで新たな作戦を展開している。ISの戦闘員はイラク最大都市の一つで、ISの砦とされるモースルに対する地上軍事行動の可能性を考慮し、政府建物周辺に設置していたバリケードを市外に移動させた。

目撃者のエブ・ムハンメド・アル・ムスリ氏はアナトリア通信に対し、モースルへアルビルからの侵入を阻止する目的でギョクチェリ地方から始まり、市外に続くバリケードが築かれたと話した。ISが展開する新たな防衛策の中には、市の周りに掘られた、幅と深さがともに1.5メートルの溝もある。

■ISは作戦を変更している

ISが市外に築いた要塞に加え、市内でも「アル・ウスラ軍」として名づけられ、組織の最高指導者アブバクル・バグダディに近いことで知られる武装グループが目撃されている。他の目撃者であるマトハト・アル・ムアッリム氏はそのほどんどが外国籍で、黒い制服を着用したこの武装グループがモースルの通りを歩き周り始めたのを見て、バグダディが市内にいることがわかったと述べた。ムアッリム氏は、「この武装グループは一時も同じ場所に長居することはなく、すばやく動いている」と話した。

■化学兵器の主張

ニノヴァ治安警察のガニム・エスセバヴィ准将はISが一時期ラッカとモースルで手に入れた化学兵器を使用し、武力強化したこと、また彼らが目的に達する前に発射されたロケット弾によって爆破しないよう、車両を装甲していたことを主張した。アナトリア通信特派員の印象や目撃者から得た情報によると、空爆のため拠点を常に変更している同組織の戦闘員は、武器・弾薬庫も有志連合に空爆されないと考える教会などを使っているという。ISはさらに情報収集を行い、治安部隊と同盟を組み、彼らに誰が情報を提供しているのかを知るために、市民の間に潜伏する諜報員も強化している。

ISは空爆に対しては、対空兵器を使用しており、飛行機の視界を狭めるためには車両のタイヤを燃やす方法をとっている。

アレン米大統領特使は今月2月8日にイラク軍が有志連合の支援によりテロ組織「イスラム国(IS)」に対して近く地上軍事行動を始める予定であること、陸上から実施される作戦では12のイラク旅団を訓練し、武装させることを発表した。イラクではIS主導の武装勢力が2014年6月モースルをはじめ国内各地を掌握してから、多くの都市で衝突が続いている。アメリカ主導の有志連合も戦闘機を使用し、イラク軍とペシュメルガを支援している。

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( 翻訳者:星井菜月 )
( 記事ID:37011 )