IS(イスラム国)へイラク軍大攻撃、司令官はイラン人
2015年03月03日付 Hurriyet 紙


イラク軍は春に計画したモースルに向けた軍事作戦の前に、倒されたかつてのリーダー、サダムの故郷として知られるティクリートをIS(イスラム国)から取り戻すために過去最大の軍事作戦を開始させた。

3万人が参加する攻撃の調整をイラン革命防衛隊のエリート部隊エルサレム部隊の有名なカーセム・スレイマーニー司令官も支援している。
AFPはイランやイラクメディアに基づいたニュースで、イラン革命防衛隊のエリート部隊エルサレム軍団の有名なカーセム・スレイマーニー司令官もサラーフッディーン県で軍事作戦の調整を助けていることを明らかにした。
イラン半公式のイラン通信社もスレイマーニー氏が軍事作戦の2日前に県に行ったと指摘した。1979年のイラン革命とイラン・イラク戦争に参加したスレイマーニー氏は非常に有能な軍事戦術家として知られている。スレイマーニー氏は1997年にエルサレム部隊のリーダーに任命された。
このイラン人司令官はイランのアフガニスタン、レバノン、シリア、イラク、パレスチナ政策において決然としていると言われており、昨秋にはIS(イスラム国)が、北イラク・クルド人自治政府を脅かすとペシュメルゲに前線で支援をした。また、アルビルが陥落しないこととバグダード防衛において重要な役割を果たしていると言われている。スレイマーニー氏がティクリートでの衝突に参加したことの歴史的な重要性もある。ティクリートは、アメリカの占領によって倒され2006 年に逮捕、死刑にされたイラクのかつてのリーダー、サダム・フセインの故郷であり、スレイマーニー氏はイラン・イラク戦争でサダムの軍と戦ったのだった。
イラクで2番目に大きな都市であるモースルをテロ組織IS(イスラム国)から春に取り戻すことが計画されている状況で、バグダードは、組織の手にあるサラーフッディーン県の県都ティクリートに対し昨日、国内で過去最大規模の地上作戦を開始させた。イラク首相ハイダル・アバーディー氏は前日の夜にテレビで作戦を伝えた。昨日の早朝に始まった軍事作戦にはイラク軍、政府管理下にあるシーア派の民兵が組織する人民部隊、IS(イスラム国)に敵対するスンナ派部族の 3万人が参加している。
フランスの通信社AFPに話をした上位のイラク人司令官は都市に3つの戦線から進攻したことを明らかにした。 アメリカの通信社APは、都市の特に東部で衝突が激化していることを明らかにした。軍事作戦では今までに都市の南部で進攻が達成された。イラク軍は、警察学校の建物を手に入れ、アル・カディスィイェ地区でも支配権を得た。IS(イスラム国)がティクリートの中心に向かって後退していることが明らかになった。サラーフッディーン部族議会のスポークスマンであるラーイド・ジュブーリー氏はアナトリア通信社の記者に対し行った発表で、IS(イスラム国)の管理下にあったエルブ・シェ ヴァリブ橋、アル=・ハサニ、エルブ・シェイフ・ムハンメド村を取り戻したと述べた。アナトリア通信社に話をしたサラーフッディーン部族議会報道官メルヴァ ン・ナジは、作戦の間に勃発した衝突において今までに3人の兵士が死亡し、35人が負傷したと述べた。

■軍事作戦の最新状況

サラーフッディーン県議会副議長ジャスィム・ムハンメド氏がアナトリア通信社の記者に行った発表で、シーア派の志願兵から成る人民部隊の支援を受けたイラク治安部隊が、ティクリートの中心に向かって様々な方面から進攻を続けていることを明らかにし、「軍勢力は、ティクリートまで5キロの距離にあるカディスィイェ地区に入り、都市まで2キロの距離にあるデイユム地区への進行も確認された。」と述べた。
信用できる情報筋によれば軍事作戦で大きな前進が確認されたこと、ティクリートの南にあるエルブ・シェヴァリブやテッルル・ファドリ地区とティクリートとサメッラの間にあるいくつかの村が取り戻されたこと、IS(イスラム国)が拉致していた100人以上の人々が救出されたことが明らかになった。
サラーフッディーン知事ラーイド・ジュブーリー氏は昨日アナトリア通信社の記者に行った発表で、「IS(イスラム国)の支配下にあったエルブ・シェヴァリブ橋とアル=・ハサニ、エルブ・シェイフ・ムハンメド村を取り戻した。」と述べた。

■エンバルでの衝突

エンバルの軍事的構成のうちアル・ジャズィーラとバディイェ軍事作戦司令官ズィヤ・カズム・デッブス氏も、アメリカをリーダーとする国際的な有志連合勢力とイラク軍が組織への反撃を始めさせた軍事作戦でバグダード地域に属するジェッベ地区が解放されたこと、19人のIS(イスラム国)戦闘員が死体で確保されたこと、そして多数の爆発物が破壊されたことを述べた。

■なぜティクリートはいまだに封鎖されているのか

イラクの首都バクダードの160キロ北にあるティクリートは、その名前をクルド出身の有名なムスリム指導者サラーフッディーン・アイユーブからとったサラーフッディーン県の県都として知られている。都市はバクダードとモースルをつなげる主要な道と北のキルクークに行く道が交わるところにあることから、戦略的重要性のため250キロの距離にあるモースルを手に入れる前にこのティクリートを支配する必要がある。IS(イスラム国)は去る6月に都市を支配下に入れていた。

■「有志連合への我々の支援は限られている」

政府報道官ビュレント・アルンチ氏は昨日閣議の後に開いた記者会見で、モースル知事の「トルコはIS(イスラム国)との戦争に参加するつもりだ」との発表が指摘されたことに際し以下のように答えた。「残念ながらモースルはIS(イスラム国)の占領下にある。我々はIS(イスラム国)に反対する60以上の国々が支援する有志連合を支援している。これが限られていることを言いたい。もしIS(イスラム国)に対しこのような有志連合が行動し結果を得ようとするならば、空から行われる作戦だけでは不可能だ。トルコはより広範囲の地上作戦が必要であると指摘する。我々は何百万もの人々を受け入れられる。そのため安全な空の領域がなくてはならないということを連合も非常によく知っている。」

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( 翻訳者:須藤夏海 )
( 記事ID:37035 )