エジプト:シナイ半島における政府軍と武装組織との「イメージ戦争」
2015年04月06日付 al-Hayat 紙


■シナイ半島における政府軍と「アンサール・バイト・マクディス」との「イメージ戦争」

【カイロ:アフマド・ムスタファー】

地上戦から二年が経ち、北シナイに拠点を置く武装組織と政府軍との戦闘が激化する中、インターネット上には、両勢力間の争いにかかわる最新のストーリーが現れる。両者はインターネット上で画像を配信して、自らの勝利を顕示することに努めている。それらの写真は、地元及び海外メディアによって流通する。

エジプトにおけるテロ組織「ダーイシュ」、「アンサール・バイト・マクディス(イスラーム国シナイ州)」を、インターネットを通じて見ることは新しいことではない。軍や警察の潜伏場所および陣営を標的としたあらゆる作戦にあたって、シナイ半島を活動拠点とする同組織は犯行声明ビデオを配信している。そしてそのビデオを通じて、「作戦の巧みさ」、戦士の「勇敢さ」、政府軍の防衛戦を突破する力を見せつけようとしている。

しかし、先週木曜日(4月2日)の明け方にシャイフ・ズワイド市(シナイ北部)で行われた、5つの軍事潜伏場所を標的として16名の犠牲者を出した作戦の状況を配信した映像は、組織能力低下の兆候を示していた。「イスラーム国シナイ州」は、いつもと異なり、ビデオで攻撃映像を配信せず、ツイッターの公式アカウントを通じて一連の写真を掲載し、作戦が、ミサイルや砲弾を山上など遠方から政府軍に向けて発射するものであったことを示すにとどまった。撮影者は武装組織側に立っており、これまでの撮影で慣例化していた、ビデオによる複数のアングルからの作戦の記録ができていなかった。また同組織は、メンバーの間で負傷者が出たことを認め、掲載された写真の一枚が、押収した救急車の中で負傷者が手当を受けている様子を写し出している。

一方、同組織は依然として指導者カマール・アラームの写真を通じて力を誇示しようとしている。同指導者は武器を持って軍装甲車の隣に立っており、同組織は、彼がそれを捕獲し、爆破したと述べた。

(後略)

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( 翻訳者:中山実佐子 )
( 記事ID:37258 )