エルドアン大統領の1915メッセージ「文書館に来てみればいい」
2015年04月23日付 Milliyet 紙

エルドアン大統領は、トルコによる史料公開を求めるEUに対し、「あらゆる会議において、史料公開の準備が出来ていると述べてきた。アルメニアも公開を行うように。我々は、軍部の史料も公開しよう」と呼びかけ、「当時、アルメニア人暴徒が一連の虐殺に加担した。」と言った。

同大統領は、チャナッカレの戦いから100年を記念し、イスタンブルのコンベンションセンターで催された平和サミットでスピーチを行った。

■エルドアン大統領のスピーチの要旨は下記の通り:

「1915年の事件に関するアルメニア側の主張は、提示する数字を始め全て根拠、裏付けのないものだ。」

「当時、アルメニア人暴徒が一連の虐殺に加担した。トルコは、当時の困難を把握している。1915年の事件に関するアルメニア側の主張は全て根拠、裏付けのないものだ。1915年に起きたのは、アルメニア人の国の南部への強制移住である。これにより生じた困難について、我々の文書館に記録がある。

いま、EUに対し再度呼びかけたい。我々に対する史料公開の勧告に対し、回答しよう;EUよ、12年間私はトルコの首相を務め、トルコの大統領になってほぼ1年になる。出席したあらゆる国際会議及び国内での会議で、我々は史料公開の準備が出来ており、100万近くの文書、資料が存在すると常に述べてきた。そして、こう言ってきた;アルメニアの文書館にも史料が存在するならば、公開せよ。第三国でも史料が存在するならば、公開せよ。さらに、我々は進んで軍部の資料も公開する準備が出来ていると言っているのだ。」

「チャナッカレの戦い」の詳細、様々な可能性に関する議論は歴史家に任せる。統治者としてここで強調すべき問題は、再度、この種の厄介事に巻き込まれることからトルコをどう救うかである。」

「安定、独立、繁栄を全世界に行き渡らせるため、我々が協力して行動することは、もはや選択肢ではなく、義務である。これには、国家のみならず、国際機関も大きな責任を負う。国連安全保障理事会の機能、構造に対し我々が行った批判の背景には、こうした確証がある。そのため、『世界は”5”(国連安全保障理事会常任理事国)よりも大きい』と言うのだ。」

「シリアで亡くなった30万超の犠牲者の責任を、どの国家も、どの社会も放棄することは出来ない。しかし、地中海で、エーゲ海でご存じの通りボートで逃げる者が溺れているのに、何と言うのか?「溺れようが、死のうが構わない。」彼らは人間なのか?世界人権宣言はどこにいったのか?なぜ、救うために努力をしないのか?」

「他の国々が被った経済的、社会的、政治的問題に背を向ける者は、ただ自分達を欺いているのだ。我々の家は、ドアを閉めれば安全と言えるほど独立した強固なものではない。このため、全ての国家内、地域、全世界で生じた問題に対し敏感である必要がある。」

「我々は、起こった苦しみをなかったことにする様な苦しみの競い合いにも納得できない。バルカン、コーカサス、周辺地域全てからアナトリアに移住する過程で亡くなった400万を超えるムスリムに対するのと同様、命を落としたアルメニア人に対しても、我々は悲しみを感じている。これが我々の理解である。」

「イスラエル‐パレスチナ間の衝突は、中東における永続的平和、平安に対する最大の障害で有り続ける。パレスチナ領の占領終結、1967年以前の国境線まで元に戻れば、我々は支援を継続する。東エルサレムを首都とするパレスチナ国家が設立されるまで、この問題を解決することは出来ない。」

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( 翻訳者:山根卓朗 )
( 記事ID:37370 )