連続殺人事件、真相あきらかに
2015年05月16日付 Hurriyet 紙


まるで映画のような連続殺人事件
イスタンブルとゲムリキで次々に行方不明となった夫婦、サイメ・シャーヒンオールさんとメフメト・シャーヒンオールさんが殺人事件の犠牲者となっていたことが明らかになった。警察は事件に関し、女性2人を含む5人を逮捕した。


この殺人は、死亡した女性が以前にイマーム・ニキャフ婚(宗教婚)をした元夫とその家族によって、元夫の息子の自殺を理由に行われたことが分かった。2012年に起きたこの事件で遺体を調査した警察は、2014年になってイスタンブル・イズミル間の高速道路敷設中に発見された男性の頭蓋骨に辿りついた。この頭蓋骨は法医学協会で調べられている。警察は、この一家が、ブルサで2002年に自殺した別の息子のガール・フレンドの不審な失踪にも関与している疑いがあると見て、捜査を進めている。

■双子の姉が失踪届を提出

2012年10月、イスタンブルで警察に届け出たエミネ・Yさんは、双子の弟であるメフメト・シャーヒンオールさんが、アダナから向かったイスタンブルで不可解に失踪したと訴えた。エミネ・Yさんは、きょうだいの失踪に関して、「メフメトは、名前は後から知ったのですが、サイメという女性をイスタンブルからアダナに連れてきました。彼女と結婚してしばらくした後、複数の人間が彼らの家を訪れました。やってきた人々のうちの1人は、自分はサイメが以前にイマーム・ニキャフ婚をした夫であると言い、彼女を連れて行ってしまったのです。私は彼らが怪しいと思っています」と証言した。

■ドラマのシナリオは必要ないほど

この届出の後、治安担当局によって長きに渡る活動が開始された。捜査では、サイメ・シャーヒンオールさんが結婚前にイマーム・ニキャフ婚をしていたメフメト・Aが公的に結婚していた(別の)妻との間にもうけた息子であるフラト・Aを、家から逃げ出し別の男性と結婚した原因とみていたことが明らかになった。このことでメフメト・Aが息子と言い争って殴りつけ、フラト・Aは塞ぎ込み自殺したという。A一家は、フラト・Aの死はサイメ・シャーヒンオールさんに責任があるとして復讐の計画を立てた。

■ある女性と騙してイスタンブルへおびき出す

一家が用意した計画は、必要な女性を1人見つくろって、サイメ・シャーヒンオールさんがアダナで現在結婚しているメフメト・シャーヒンオールさんに電話をかけさせ、イスタンブルへ来させるものだった。自身を裕福な独身の女性であると紹介した容疑者を信じたメフメト・シャーヒンオールさんはイスタンブルへ着いた後誘拐され、サイメ・シャーヒンオールさんが捕らわれていたゲムリキのクルシュンルにある夏季用の家へ連れて行かれた。容疑者達はそこでサイメ・シャーヒンオールさんとメフメト・シャーヒンオールさんを殺害し、森の中へ埋めたと供述している。

■道路敷設中に発見された頭蓋骨から顔が復元される予定

ゲムリキのクルシュンルで遺体の捜索を開始した警察は、イスタンブル・イズミル間を3時間半で結ぶ道路敷設計画の作業中、2014年に頭蓋骨が発見されていたことを知った。頭蓋骨はDNA検査及び「顔の復元」を行うため、法医学協会へ送られた。

■5県で同時捜査

KŞB(行方不明者担当局)チームのおよそ3年間の捜査を経て、ディヤルバクル県、ビンギョル県、ブルサ県、イスタンブル県、ムシュ県で実行された同時捜査では初期段階で8人が逮捕された。逮捕された容疑者の内3人は、検察局の指示で釈放された。行方不明者担当局による取調べにかけられた別の容疑者達は、罪状を認めず、夫妻を誰が殺害したのかは知らないと述べている。

■騙した女性が証言

容疑者の中で、ただメフメト・シャーヒンオールさんを騙し、イスタンブルへ連れてきたスルタン・Dは、「彼らは私に、メフメトさんを騙してイスタンブルへ連れてくるように要求しました。(彼らは)私を裕福な女性に見せかけるために家を借り、車も用意しました。メフメトさんが私と会うためにイスタンブルへやって来たところを、私の隣から捕まえて連れて行きました。彼らが何をしたのか、私は知りません」と供述している。

■長期間棚上げされていた別資料も調査

一方、2004年にはブルサでA一家の別の息子が自殺しているが、そのガール・フレンドであったレイラ・シャカルさんの不審な失踪に関する資料も、再度紐解かれることになった。当時、レイラ・シャカルさんの家族は、娘の失踪は、息子の自殺の原因がレイラさんにあると考えたA一家によるものではないかと話していた。この訴えを受けてA一家から供述が取られたが、証拠不十分で釈放されていた。長期間棚上げされていた資料も取り上げられ、再度調査されたという。

警察での手続きが完了した容疑者のうち、殺害された女性のイマーム・ニキャフ婚上の夫メフメト・A(65)、彼と公的な婚姻関係にある妻サーデト・A(59)、その息子であるファールク・A(30)、ギュルセル・S(48)、そしてスルタン・D(42)が裁判所に送られた。関係者らは、事件に関しファーティフ・Aも捜索中だが、国外にいるためにまだ捕まえることが出来ていないと話した。

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( 翻訳者:粕川葵 )
( 記事ID:37534 )