トルコ軍、越境のシリアヘリコプターを撃墜
2015年05月16日付 Hurriyet 紙

トルコ国境を侵犯したシリアのヘリコプターが、アダナから出発した戦闘機F-16から発射された2発のミサイルによって墜落させられた。アフメト・ダヴトオール首相とイスメト・ユルマズ国防大臣はシリア側がİHA(無人航空機、ドローン)であると主張した航空機は、シリアのヘリコプターであった事が確認された。

アフメト・ダヴトオール首相は、交戦規定の中でトルコのジェット機が国境侵犯を行ったシリアのヘリコプターを撃墜した事を、トルコの決意を示す観点から重要であるとして評価しながら、「トルコ国軍に我々が与えた権限は非常に明確である。いかなる理由であれ何者かが陸や空からトルコの国境を侵犯すれば、その者は報復を受けるだろうし、侵犯したのが誰であろうが絶対に処罰される。また私はこのメッセージが受け取られ、再び我々の国境が侵犯されるような 向こう見ずな行いを誰も行わないことを期待する」と述べた。ダヴトオール首相はスター・テレビジョンの「リーダーたちがスターテレビで」という番組で日々の話題に関係した質問に答えた。
トルコのジェット機が国境上でシリアのヘリコプターを撃墜したことについての質問に対し、ダヴトオール首相は事件後に空軍司令部のアクン・オズチュルク大将と会談したことを明かし、以下のように述べた。
「ええ、シリアの(機体は)、最初は靄がかった天気だったため、『航空機』として認識されていたが、後になってヘリコプターであることがわかっている。約7マイルほど国内に入り、トルコ国境を侵犯したため、まず警告が行われた。その後侵犯を続けたため、シリアで内戦が起きた後に我々が出した通達で形成された交戦規定があり、誰であろうが、どんな理由であろうが、我々の国境を侵犯したら必ず報復を受けるし、トルコのジェット機はその後シリア国境内にこのヘリコプターを墜落させている。」

■「トルコの力は明らか」

ダヴトオール首相はこのことがトルコの決意を示す観点から重要である事を強調し、以下のように述べた。
「繰り返し述べるが、トルコ国軍に我々が与えた権限は非常に明確だ。いかなる理由であれ何者かが陸や空からトルコの国境を侵犯すれば、その者は報復を受けるだろうし、侵犯したのが誰であったとしても絶対に処罰される。また私はこのメッセージが受け取られて再度我々の国境を侵犯するような向こう見ずな行いを誰も行わないことを期待する。」 
首相は、これらについてシリアからの反応があったかなかったかの質問に対し以下のように返答した。
「今に至るまで(我々の元に)届いた反応はない。元々このような状態で、自身が行った行為の不当さを知っているのにどんな反応が出来ようか?行われるいかな反応に対しても決然と我々は同じ対処をする。以前トルコ航空機に攻撃が行われた後、我々がとった交戦規定がこれなのだ。命令は至極はっきりしていて非常に明解である。空トルコ国軍、パイロット、空軍司令官にも述べましたが、私は彼らの報復能力、力、決意を祝福します。空軍(司令部)にもそのパイロットに私の祝福を伝えるよう頼んだ。『私は彼の目にキスをする(敬愛を表するといった意味)』とも伝えた。なぜならこの意味合いでトルコの力、軍事力は明らかだからだ。示された決意は正しいもので、再度(このようなことが)起きたり、似たような状況になったりした際、同じ決意が示されるだろう。」

■「国軍を祝福する」

スィヴァスで発表を行った国防省のイスメト・ユルマズ大臣は、シリア国境で巡回任務を行ったトルコの戦闘機が交戦規定を違反し、トルコ国境に接近した一機のシリアのヘリコプターを撃墜したことを確認した。ユルマズ大臣は行った発表で「まず国軍を我々は誇りに思う。親愛なる我が国民も敬意を持たなくてはならない。空軍司令官と空軍を我々は誇りに思う。彼ら自身に与えられた職務を適切に遂行している。彼らの職務とは何か。トルコの国土を、トルコの国境を守ることだ。いかなる侵害の機会も与えないことだ。16日午後14時4分頃、ジルヴェギョズを5分間に及び7マイル、トルコ国境を侵犯したシリアのヘリコプターを撃墜した。そのため私は適切に任務を行い、国境を侵犯したシリア軍に対し必要な対応を見せたトルコ国軍を祝福する。パイロットたち全員の目にキスをする。親愛なる我が国民も次のことを信じてほしい、我々の軍隊はトルコ人国民の権利と法を守るために24時間働いているし、今後も働き続けるだろう。これは我が政府の決意を 国軍に反映したものだ」と話した。

■「私に伝えられた情報ではヘリコプター」

墜落させられた航空機がİHA(無人航空機、ドローン)であるかないかといった質問については「İHAと言う者もいて、飛行機だと言う者もいたが、現在 私自ら受け取った情報はヘリコプターであるというものだ。私は英雄のパイロットたちの目にキスをして全員を祝福する」と述べた。
地域に住む住民たちは、ドゥルスンル~エメキ地域で「シリアの飛行機が」2回国境侵犯を行い、その後トルコのジェット機によって撃墜され、「飛行機が3つに割れて墜落したのを見た」と話した。

■シリア「撃墜されたのはİHAだった」

一方でシリア国営放送はトルコのジェット機がシリアの航空機を撃墜したことについての主張は間違っているとした。ロイター通信によるとシリア・テ レビジョンは撃墜させられた航空機は、偵察目的で飛ばしていた無人航空機(ドローン)であったと主張した。シリア国営放送のニュースでは、撃墜された航空機は「遠隔操作型の、小型の İHA」だとしている。
シリアは2012年6月22日地中海上で偵察飛行を行うトルコのRF-4E偵察機を、トルコのジェット機は2013年9月16日にシリアのヘリコプターと2014年3月23日にMİG航空機を、(それぞれ)交戦規定を無視したとして撃墜させている。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:伊藤梓子 )
( 記事ID:37535 )