メルスィン・アダナでHDP事務所に爆弾
2015年05月19日付 Cumhuriyet 紙

アダナとメルスィンにあるHDP(国民の民主主義党)の地方事務所が入居していた建物で、同時に爆発が起きた。アダナでの爆発では3人が負傷した。

HDPのセラハッティン・デミルタシュ共同党首のメルスィンでの集会の7時間前、HDPのメルスィン県事務所とアダナ県事務所の入った建物で同時に爆発が起きた。爆発は、セラハッティン・デミルタシュ共同党首の名前で党事務所に贈られた花の中に組み込まれた仕掛けによって起きたといわれている。  

国民の民主主義党(HDP)のメルスィン県事務所の爆発は朝10時頃に発生した。スィリフケ通り沿いにあるアランヤワークセンターに入居していたHDP県事務所のテラスで、大きな音のする爆発が起きた。爆発の影響で建物の周辺に破片が拡散し、ガラスが割れた。爆発音は、党の建物から3キロメートル離れた地域でも聞かれた。

爆発後、同党の建物の周辺でパニックが起きる一方、事件現場に多数の救急車と警察チームが派遣された。警察は、同建物の入り口を封鎖し、爆発が起きたテラスで詳細な捜査をおこなった。

爆発時、党の建物にいたギュンギョル・ディダル・ギュルHDP県共同代表は党の建物に日曜日の夕方に贈られデミルタシュHDP共同党首の挨拶文が添えらえていた花について、誰が贈ったか分かっていないと語った。ギュルHDP県共同代表は、「花を誰が贈ったのか分からない。友人らが花をテラスへ置いた。爆発はテラスで起きた。アダナでも爆発装置が花の中にあったとの情報を得た。同時に(爆発)するようセットしており、深刻な挑発だ」と述べた。

幾人かの同党党員も爆発が特に朝の時間帯に合わせていたことを指摘した。党員らは朝9時から10時までの間、県事務所の建物はかなり混雑しており、国会議員候補者も参加しておこなわれた会議のあと、テラスに出たことを指摘し、「仕事を調整するために会議がおこなわれました。天候が暑かったので、いつものようにテラスで朝食を並べたテーブルを準備し、そこで話し合われました。デミルタシュHDP共同党首はメルスィンでの集会のため、今朝のいつもの仕事を変更しました。そのため爆発があった時間、党事務所にあまり人がいなかったのです」と述べた。

■警察は花を警戒した

爆発の後、メルスィン警察は(贈られた)花に警戒するよう呼びかけた。警察は、HDPの全地方支部と選挙対策事務所に送られ、(贈り主の)名前が不明の花を調査した。トロスラル郡本部に送られ、上にメルスィン国会議員候補のチレム・オズの名が書かれた花も爆発物の専門家が調査したが、それにはいかなる爆発装置も見つからなかった。

HDP県事務所の建物への爆弾攻撃の後、多数の党員が建物に来た。警察が同党の建物が入ったオフィス街の入り口を封鎖したため、党員と警察の間で時々口論やいざこざが起きた。アクデニズ市長のファジル・チュルク氏は、党員たちを落ち着かせるよう尽力した。党員は、「ファシストAKP(公正発展党)、説明しろ」というシュプレヒコールを叫んだ。

■「プロがおこなった攻撃」

爆発の後からアクデニズ市長のファジル・チュルク氏と元文化大臣のCHP(共和人民党)メルスィン選出国会議員候補のフィクリ・サーラル氏も党の建物を訪れた。チュルク市長は、記者に対しおこなった会見で、「時限爆弾であったと考えられます。朝、同党の建物は混雑しており、それに合わせたようだ。このような攻撃は長年行われてきたが、私たちを怖気づかせることはできませんでした。わたしたちはこの事件のあとも怖気づきません。この国では、これ以上暴力が取り除かれる必要があります。自らが支配するため、自らの利益のためにおこなうことはもう十分です」と述べた。

元文化大臣のフィクリ・サーラル氏も「重大な事件だ。挑発であり、プロがおこなったことは明らかだ。この責任は政府にある。ふたつの都市で同時に爆発が起きた。この国に政府が存在しないことを示している。レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領が公に話していることと反対にこの国は平和な状況ではないことを示している。」と話した。

サーラル氏は、爆発がHDP共同代表のデミルタシュ氏が参加するメルスィンでの集会の数時間前に起きたことに注目し、「この街で以前にも各党の党首らが集会をおこなったが、このようなことは起きなかった。私たちはCHPとしてお見舞いを申し上げます。そして、あえて民主主義、平和、統一を我々は主張します。国民はひとりひとり分裂するのではなくひとつとならなければなりません。そして、このような挑発が二度と起こらないように、この政府を倒さねばなりません」と語った。

HDP県共同代表のセルマン・ギュンバットも「私たちを妨害する唯一の方法は、この種の挑発です。私たちはこのような挑発に対し準備しており、(挑発に)のることはありません。すべての地方支部は通常の業務を続けます」と述べた。
  
■アダナHDP事務所で爆発

18日、9時50分にアダナのジェマル・ギュルセル通りのHDP県支部が入っている4階建てのビジネスセンターの3階にあるセイハン郡支部事務所で起きた爆発は、ビジネスマンが多い周辺で大きなパニックを引き起こした。セイハン郡の共同代表のフセイン・ベヤズ氏は自分に届いた荷物を開けた時、起きた大きな爆発で、側の部屋の道に面した壁が崩壊し、約12メートル離れて面している建物のガラスを割った。爆発で負傷した郡支部長のフセイン・ベヤズ氏と非抑圧者社会主義党(ESP)の前県代表のサバハッテン・ピシュキンバッシ氏とその党員のイブラヒム・ヤクップ氏は、呼ばれた救急車で私立アダナ病院へ搬送された。負傷者は手当を受ける一方、命の危険はないという。爆発の後に側の部屋で起きた小さな火事は、消防隊によって消された。

爆発のあったとき、上の階にあるHDP県事務所では運営評価会議が行なわれたことが明らかになる一方、HDPアダナ県共同代表のフセイン・ユルドゥズ氏はセイハン郡事務所でおきた爆発に関連し、警察の捜査が続いていると話した。

<以下、略>

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:37549 )