大学に男女平等授業、導入へ
2015年05月08日付 Milliyet 紙


「ジェンダーの平等に敏感な大学ワークショップ」でスピーチした高等教育機構のサラチ会長は「ジェンダーの平等」の授業がカリキュラムに組み込まれることを明かし、大学でこのことについての意識を高めることを目的とした活動を行うことを話した。

ジェンダーの平等に敏感な大学ワークショップは、高等教育機構(YÖK)本部会議場で実現された。同ワークショップはYÖK会長のイェクタ・サラチ教授の主催で開催され、レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領のエミネ・エルドアン夫人、息女のシュメイイェ・エルドアンさん、アイシェヌル・イスラム家族社会政策大臣も参加した。ワークショップのプレゼンテーションでは、アカデミックな生活における女性の地位について印象的な統計データが紹介された。
データは要約すると以下の通りだ。

■学長の7.6%は女性

・スイスでは1864年、オーストリアでは1878年、ドイツでは1900年、トルコでは1914年に、女性は大学に入学する事が出来るようになった。
・トルコでは研究職員の48%が女性だ。その割合は准教授職の場合31%、教授職の場合は28%に低下する。
・トルコは、女性の教育への参加においては142ヶ国中108位、健康は62位、政治参加は98位で経済分野への参加と機会においては125位に位置する。
・90年間で18,000人の市町村長が選出されたが、大都市では、今日までたった4人しか女性が市長になったことはない。
・1920年以来8,500人の国会議員が選出されたが、そのうち女性はたった205人だった。
・大学における女性学長の割合は7.6%であり、国立大学6校、私立大学8校の学長が女性だ。
・就学前教育の教員の100%近くが女性で、初等教育での女性教師の数は57%中等教育では43%となった。

YÖKのサラチ会長はワークショップで、「ジェンダーの平等」の授業がカリキュラムに組み込まれることや、大学の教職員がジェンダーの意識を得て、大学でジェンダー平等が一般に受け入れられることを確実にすること、大学において暴力、セクシュアルハラスメント、搾取、モラルハラスメントの問題が議論されることを話し、以下のように述べた。

「私にとってこのワークショップが成功するか否かの基準は、実施できるか否かにかかっている。『ジェンダーの平等』の授業がカリキュラムに組み込まれることは重要な問題だ。これは必修授業の形にはならないかもしれない。しかしカリキュラムに組み込まれる必修ないし選択の授業が例外なく全ての大学で行われるよう計画している。全大学は自身のノウハウをもってこれを処理出来る」
  
■月末に明らかになる

この過程がどのように処理されていくかについてもサラチ会長は、「結論が表明された後、条項は高等教育機構運営委員会で議論する。今月末にこの件についての決定が下される予定だ」と述べ、ワークショップで出た結果を家族省および国民教育省 (MEB)に報告すると明かした。
トルコの女性学長の数を増やすことを目的とした活動を行うか否かについての質問に対しては、サラチ会長は以下のように回答した。
「この問題は世界的にとても良好とはいえ、トルコでも悪くはない。トルコは先進国に対して女性研究者の数で優越している。しかし上層の責任者の地位に目を向けると、先進国と同様のレベルだ。我々が望むのは、これがより一層上のレベルに上がる事だ。しかしこれを一連の処置によって管理するのは間違いだ。このプロセス以前に戻られるべきだ。次のことも認めよう。女性たちのなかで管理職になるという要望は少ない。これをただ「ガラスの天井」シンドロームのみによって説明する事は出来ない。」

■エルドアン夫人:「女性問題は同時に男性問題でもある」

レジェプ・タイイップ・エルドアン大統領の妻であるエミネ・エルドアン夫人は、ワークショップでの演説で、暴力を増幅させる文化的様相についての検証が行なわれる必要があることに注視しながら、「暴力を引き起こす男性の精神状態を解析する必要があります。なぜならご存知の通り、女性の問題は同時に男性の問題でもあるからです。この点において、大学側に期待されていることは大きい。社会的問題の根源を明確にすること、これらを排除する解決法を提案すること、ジェンダー意識に関する新しい概念の様相を構築することが、大学の課題なのです」と述べた。
エルドアン大統領夫人は、ワークショップの結果を関心を持って期待していると述べ、次のように続けた。
「暴力のような緊急の課題においても、女性反対に根ざしているすべての文化的・伝統的枠組みの変革についても、重要なステップが踏み出されることを望んでいます。たとえば、『ジェンダーの平等』という定義も吟味する必要があると確信しています。平等というだけでは十分ではありません。平等は、公正の観点から検証される必要がある。あらゆる分野で、女性と男性の割合が数的に平等であったとしても、文化的、さらに重要なことには生来の特徴を理由に、平等はしばしば不平等に変わりうるのです。」

■セクシュアルハラスメントと暴力のための規制を提案

ワークショップでは次のような提案が主張された。
ジェンダーの平等の授業は、大学で必修授業としてカリキュラムに組み込まれるべきである。初等・中等教育においても、同様の授業が生徒達に与えられるべきである。
研究者と事務職員の間で、ジェンダー平等に関する認識が獲得されるべきである。形成された誤った認識と価値観は壊されるべきである。
ジェンダーへの盲目(間接的な差別)に関する認識が形成されるべきである。
大学にとってのジェンダー平等は、付加価値とみなされるべきである。「この大学にはジェンダーの平等がある」という認識が定着されなくてはならない。
すべての大学において、暴力やセクシュアルハラスメントに関する規制法を確立しなければならず、必要な規則が発行されなければならない。大学にはこの問題において敏感に行動する申告のメカニズムが築き上げられなくてはならない。

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( 翻訳者:伊藤梓子・村澤歩 )
( 記事ID:37634 )